適切な診断が早期回復の鍵
交通事故後の検査と治療
五ノ橋クリニック
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2023/08/01


- 保険診療
誰もがいつ遭遇するかわからない交通事故。自動車の安全性能の向上などもあり、国内の2022年の交通事故死者数は統計開始以来最少を更新している一方、軽症であっても事故をきっかけに体の不調が続き、長期の通院を余儀なくされるケースも少なくないという。江東区亀戸の「医療法人社団順立会 五ノ橋クリニック」は整形外科の中でも交通事故の外来に注力し、交通事故後の症状に対する治療に数多く対応。追突や正面衝突など、さまざまなケースでけがを負った患者の検査、治療、リハビリテーションを一貫して手がけ、日常生活に支障のない状態になるまでの回復をサポートしている。整形外科専門の医師で交通事故治療に精通する同院の山口真一院長に、交通事故に伴う検査や治療について詳しく聞いた。
(取材日2023年2月15日)
目次
事故後できるだけ早く整形外科を受診し、エックス線検査などで症状を適切に見極めることが肝心
- Q交通事故に遭った場合に取るべき対応を教えてください。
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A
▲さまざまな症例に対応してきた院長
事故に遭ったらまず警察と保険会社への連絡を済ませ、けがをしているようならできるだけ早く医療機関を受診しましょう。交通事故の場合、自分が身構えられない状態で不意に衝撃を受けるため、適切な時期に適切な治療を受けないと、症状が時間の経過とともに強くなり、治療期間が長引くことになりかねません。事故直後の痛みがそれほど強くないからと放置し、受診時期が遅れてしまうと、本来なら患部を固定して治療すべき時期を逃してしまい、つらい症状の改善が望みにくくなってしまいます。「たいしたけがではない」と安易に自己判断せず、遅くても事故後1週間以内には必ず受診してください。
- Qかかりつけの整骨院でも交通事故治療に対応できるのでしょうか?
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A
▲さまざまな設備をそろえ、スムーズな診断や治療が可能
交通事故に遭った患者さんの状態を診る際、整形外科ではまずエックス線検査で骨折の有無など骨の状態を見ますが、整骨院は医療機関ではないためエックス線検査や治療ができません。また、事故後から手や足にしびれが出ているケースの場合、しびれている部位でどの神経に異常を来しているのかを判別できるような知識を備えた医療者でなければ対応が難しく、本来なら治療できたはずのけがで後遺症が残ってしまうことにもつながりかねません。かかりつけの整骨院のほうが使い勝手がいいといった事情もあるかもしれませんが、事故後はまず整形外科を受診して、エックス線検査やMRIによる検査で適切な診断を受けることをお勧めします。
- Q治療費はどのくらいかかるのでしょうか?
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A
▲事故後は必ず警察への連絡だけでなく、病院受診の徹底を
患者さんが事故の被害者である場合には、治療費の全額が相手方のドライバーが加入している保険でまかなわれます。そのため、医療機関側が直接保険会社に請求する方法で精算されますので、患者さんご本人が病院の窓口で支払いをする必要はありません。ただし、患者さんの側に一定以上の過失がある場合など、交通事故の状況によって費用負担が発生するケースもあります。付随するトラブルを防ぐためにも、やはり事故後速やかに警察と保険会社へ連絡することを忘れないでください。
- Q治療期間の目安を教えてください。
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A
▲専門のスタッフが丁寧に指導
自動車対自動車なのか、自動車対歩行者なのか。つまり事故形態や事故当時の自動車の速度など、加害者側の車の運動エネルギーと受ける側の運動エネルギーの差がどのくらいあるかによって、けがの状態はケースバイケース。ですから当然、治療期間もさまざまです。早いケースでは2~3週間で治療できますが、通院が長期にわたる患者さんもいます。実際に診療にあたっていて実感していることとしては、事故に遭う以前から骨の変形があるなど、傷んでいた箇所を受傷した場合は、そうでないケースに比べて治療期間が長くなる傾向にあります。
- Qこちらではどのような流れで治療を進めるのですか?
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A
▲けがの有無にかかわらず、整形外科で診察を受けることが大切
けがをした後3、4日から1週間程度は湿布薬などを出して安静にしてもらいます。マッサージやけん引といった処置は痛みがある程度治まらないとできませんから、まずは痛みを取ることをめざし、その後、リハビリを始めます。痛みを取ることを目的とした電気治療、けん引、マッサージを重点的に行います。その上で可動域制限や筋力低下が見られる場合は、その状態に応じた訓練をプラスアルファで行います。このように、痛みを抑えることも含め、事故前と同様の状態をめざします。当院ではスタッフも充実しており、柔道整復師6人が在籍しています。