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白石 宏志 院長の独自取材記事

白石医院

(江戸川区/小岩駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR小岩駅南口。昭和の香りが色濃く残る商店街を抜けて千葉街道を少し下った所に立つのが「白石医院」だ。待合室に入ると、壁には禁煙や受動喫煙防止などに関する啓発ポスターが数多く張られているのが印象的。院長の白石宏志院長は先代院長であった父の遺志を引き継ぎ、地域のプライマリケアを担う医師として忙しい日々を送っている。外来では一般的な内科疾患から生活習慣病の予防、治療に加えて、社会的観点からも必要と考える専門的な医療を提供している。最近では、地域の高齢化に伴って訪問診療の医療体制を整え、在宅医療にも注力している。そんな白石院長にクリニックの特徴や訪問診療などについて話を聞いた。

(取材日2019年2月23日)

地域のプライマリケアを担う傍ら、専門的な診療も

この辺りの地域性や多い疾患について教えてください。

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江戸川区の南部、葛西や西葛西は比較的新しい町で若い世帯が多いですが、この辺り江戸川区北部は古くからの町で一戸建ての住宅街が広がっています。やはり長くお住まいのご高齢の方が多く、当院にもご高齢の患者さんが多い印象です。患者さんからは内科一般のご相談がほとんどですね。私自身は循環器を専門に学んできましたが、地域のクリニックではそれだけに限ることはできません。さまざまな患者さんの訴えに対応できる地域のホームドクター、プライマリケアを担う医師でありたいと思っていますので、外来だけでなく訪問診療にも力をいれております。診療の際は、患者さんのお話をじっくりと伺うようにしています。患者さんから「こんなにしっかり話を聞いてくれる先生は初めて」とよく言われます。大学病院を受診した患者さんから言われることが多いですが、「私も大学病院にいた頃は今のようではありませんでしたよ」とお話ししています(笑)。

こちらの外来で積極的に行っている治療は何ですか?

一つは禁煙の治療です。喫煙は肺がんなどの呼吸器疾患、心血管障害を増加させるばかりでなく、生活習慣病、歯周病、認知症といった疾患のリスクファクターとなっています。喫煙者が多いことは、社会全体の医療費の圧迫にもつながっているのです。また、この点は見落とされがちですが、喫煙に付随するさまざまな公的資金の投入を抑制できます。例えば、喫煙所の設置や吸い殻などの清掃です。また、副次的ですがタバコに起因する火災は大きな社会的損失となります。今、高齢化に伴う医療費の増大や財政圧迫、各自治体の財政破綻などの日本の諸問題を考えますと、禁煙する人が増えるだけで相当な負担軽減になるのではないでしょうか。私は東京都医師会タバコ対策委員会の活動もしていて、タバコゼロミッションの実現をめざしています。喫煙の習慣はニコチンの中毒症状ですので、それを改善するのは医師の義務でもあると考えています。

具体的にどんな治療を行っているのですか?

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まず問診票でどのような喫煙をしているのか把握した上で、呼気の中の一酸化炭素の濃度を測定します。喫煙者は呼気の中の一酸化炭素が吸わない人よりも多く、その後の治療期間中、きちんと禁煙が続けられているかどうかの参考にします。禁煙はどういうことか、なぜやめられないかといったことをとことんお話しして、覚せい剤と同じような強い中毒であることをおわかりいただけるよう指導しています。治療は服薬がメインで12週間にわたって行われます。12週間中5回来院していただきます。2週間や5週間程度でなんとなく禁煙できた気になってしまうことがあり、そこで服薬をやめてしまいますと、完全な禁煙にはつながりません。ニコチンの中毒症状を抜くためにはどうしても12週間が必要と考えていますので、その点は注意していただきたいですね。

地域の高齢化に対応して訪問診療も積極的に

訪問診療にも力を入れているそうですね。

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これまで当院に通っていた方が、足腰が弱ったりして通院できなくなってしまいますと医療の継続が難しくなります。また、大きな病院から退院して在宅医療へと移る方も多いでしょう。そのような方々へ適切な医療を提供していきたいと思い、訪問診療に力を入れています。訪問医療に携わる非常勤のドクターを1人増員し、看護師や事務スタッフも外来診療とは別チームを編成しています。エリアは、江戸川区北部に加えて葛飾区、千葉県市川市、船橋市の一部で、月曜から土曜まで毎日行っています。訪問は基本的に月に2回で、体調が悪化した場合は、24時間365日電話で連絡を取ることも可能です。外来と違って、その患者さんのお宅にお邪魔しての診療ですから、生活環境や家庭の事情も垣間見えますが、そのあたりは、家族の方のご心情などに配慮しながら行うようにしています。場合によっては最期のお看取りまでさせていただいています。

地域内の医療連携も重要と思われますが、どのような体制になっているのですか?

江戸川区北部エリアで専門的な医療を提供する医療機関や他科のクリニックの先生方とは密な連携を取れるよう気を配っています。例えば、糖尿病の合併症で網膜疾患などが起きることがありますので、そういう場合は速やかに地域の眼科で診察してもらっています。また、江戸川区内の江戸川病院や東京臨海病院、葛西昌医会病院、さらに順天堂大学医学部附属浦安病院など、数多くの病院と連携しています。当院では医療連携室を設置しており、そこで地域連携や訪問診療などの受けつけや相談などを行っています。

禁煙治療のほかにどんな専門治療を行っておられますか?

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)に特化した外来を開設しています。SASは交通事故に関連があると指摘されたことから注目が高まっています。いびきをかいている人は高い確立でSASの可能性がありますので一度は検査してみることをお勧めします。また、SASをお持ちの人は日中の眠気、集中力の低下など睡眠不足のような症状が起きやすく、生活習慣病や突然死の原因にもなります。そのような症状がある人も受診をお勧めします。診断は、簡易検査機器を貸し出していますので、一晩計測して症状の有無や重症度を調べます。重症の場合は睡眠時にCPAP(シーパップ)という呼吸補助器をつけて無呼吸状態になるのを防ぎます。また、動脈硬化症に特化した外来も設けています。動脈硬化は進行すると虚血性心疾患や脳血管障害などを引き起こし、寝たきりや最悪突然死にもいたることも。こうした事態を防ぐため、頸動脈エコーや血管年齢などの検査を行っています。

外来診療と訪問診療は地域医療の両輪

院長先生が医師をめざされたのは、やはりお父さまの影響でしょうか。

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そうですね。父は、私が生まれた時は勤務医でしたが、物心ついた頃には住宅と併設したこの医院を開業しており、その姿を間近で見てきたことが影響していると思います。古くからの住宅街の真ん中で地域医療の拠点としてしっかり根差して活動してきたと思いますし、これからもその役割を果たしていきたいですね。父の代から続けて受診されている方も多くおられます。その中のお一人が、生活習慣病で当院にかかっていたのですが、私に「君に命を預けたよ」と言ってくださったことには感銘を受けました。それだけ信頼していただいてありがたいことだと思います。

ところでプライベートはどのようなお過ごしですか? 趣味についても教えてください。

診察室に飾ってあるのでお気づきかもしれませんが、暇を見つけてはプラモデルの製作をしています。ミリタリーもの、リアルロボットやSF関係のキャラクターものが中心ですね。小学生の頃からやっていまして、最近ではインターネットの情報が豊富ですから、自分の技量に合った製作例を参考にするようにしています。今はソ連の宇宙船を作っています。ただ仕事で忙しくてなかなか時間が取れないのが残念です。いよいよあと少しで完成という時が一番ワクワクしますね。プラモデルが患者さんとのコミュニケーションを深めてくれるきっかけになることもあるんですよ。

では最後に今後の展望をお願いいたします。

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国の医療政策が在宅医療へと向かっている中、この地域でもますます訪問診療のニーズが高まると思いますので、非常勤のドクターを増員してさらに訪問診療に力を入れていきたいと思います。また外来診療ではこれまでどおり地域のプライマリケアを担うとともに禁煙やSASなども引き続き積極的に治療していきたいと思います。外来診療と訪問診療を地域医療の両輪と捉えて、地域の方々により良い医療を提供していきたいと思います。

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