黒澤 治伸 院長の独自取材記事
くろさわ歯科医院
(八王子市/八王子駅)
最終更新日:2025/05/26

徹底的に治療の質を追い求めたい。八王子駅のそばにある「くろさわ歯科医院」の黒澤治伸(はるのぶ)院長は2011年の開業以来、この思いを胸に診療を続けているという。3次元の立体画像が撮影できる歯科用CTは、すべての患者に対してできる限り保険内で使用し、精密に口腔内を確認することで診断力の向上に努めるほか、根管治療などには観察対象物を約30倍まで拡大するマイクロスコープを活用。インプラント治療では難症例やリカバリーにも対応している。クチコミで患者は増え続け、スタッフも約30人にまで増えた。「困っている人を助けたい。そんな人としての優しさを大切にしながら、患者さんの訴えに耳を傾けたい」と話す黒澤院長に、診療への思いや取り組みについて聞いた。
(取材日2025年3月10日)
難易度が高いインプラントのオペも積極的に対応
2011年の開業から14年たちますが、現在、どのような患者さんが多いですか?

今は紹介の方が多いですね。特にインプラント治療に関してはほとんどが紹介でいらっしゃっていて、中でも最近は歯科医院の紹介で来られる方が増えています。骨造成を伴うインプラント治療をはじめ、一般的な歯科医院では対応していない難しいケースなど、歯科の先生から紹介されて来る方が多いです。インプラント治療後に問題が起き、そのリカバリーとして当院に来る方も少なくありません。私としても難しいオペにやりがいを感じますので、これからも難症例には積極的に対応していきたいと思います。また、当院にいらした患者さんのご紹介という方もいらっしゃいます。八王子にお住まいの方はもちろんのこと、神奈川や山梨など遠いところから来てくださる方もいますし、多くのクリニックがある都心から、当院を選んでくださる方もいますので、今後も期待に応えていきたいです。
そのような信頼の厚いクリニックになるために、どんな想いで日々の診療に臨んできたのでしょう。
「患者さんのために良い治療をしよう」「質の高い治療を追求しよう」というのが、私たちの思いです。良い治療を行うためには歯科医師の技術はさることながら、高度な機器も必要です。毎年欠かさずに設備投資を行いつつ、コメディカルを含めて積極的に勉強会などに参加して新しい情報を吸収し、院内でも定期的に症例研究会を開いて、そこで得た知識を臨床に落とし込み、患者さんに良い治療として還元していく。このサイクルを繰り返してきた結果、今では多くの患者さんが来院してくれるようになりました。「口のことで困ったらくろさわ歯科医院に」と思ってもらえる存在になる。その理想に少しは近づけたのではと感じています。
インプラント治療のリカバリーも多いのですね。

はい、当院ではセカンドオピニオンやトラブル症例にも対応しています。一度他院でインプラントを入れたもののうまくいかず、抜いてもう一度入れ直すといった治療など、難易度が高いとされるリカバリーも行っています。インプラント治療はこの十数年で飛躍的に普及しましたが、広まり始めた頃に他院で治療を受けた方が、10年たってリカバリーが必要になるケースも増加。ただ、患者さんとしては一生物のつもりで入れたのに問題が起こってしまい、納得しきれず当院に相談に来る方もいます。そういった際、当院では患者さんが不安をしっかりと受け止めるトリートメントコーディネーターというスタッフが在籍していますので、治療を円滑に進めることができています。
丁寧に説明を重ね、患者が納得してから治療を始める
こちらのクリニックのチーム医療について教えてください。

難しいオペに集中できるのは、当院がチームとしてまとまっているからこそ。前田昌孝副院長がトラブルが起きないようにカバーしてくれたり、一般診療を担当する歯科医師やスタッフたちがサポートしてくれたりと、私がオペに集中できる環境を整えてくれます。また、質の高い治療を行うには、患者さんの協力も欠かせません。その調整役を担っているのが、トリートメントコーディネーターでもある受付スタッフたちです。トリートメントコーディネーターというと自費診療を担当するイメージをお持ちかもしれませんが、当院のスタッフは、自費・保険の垣根なく患者さんのサポートを広く担っています。歯科医師には言いにくいことも「先生からこう言われたんだけど」と、トリートメントコーディネーターに相談できます。患者さんが安心して治療を受けておいしくご飯を食べられるように、そして、歯科医師が治療に専念できるように支えてくれる、頼れるスタッフです。
歯科用CTとマイクロスコープも導入されているそうですね。
ええ。歯科用CTは平面画像にとどまるエックス線検査とは異なり、3次元での立体画像を撮影して状態を確認することができるため、診断の精度向上に役立っています。マイクロスコープは対象物を約30倍まで拡大し、根管治療など細かな治療を行う際に用います。当院では、できる限り多くの診療で歯科用CTによる撮影を行い、マイクロスコープも一部の症例では保険内で活用しています。つまり、患者さんからすれば精度にこだわった治療を気軽に受けていただけることにもなると思います。高度な機器を出し惜しみせずに常用していることは、成長したい歯科医師のモチベーションアップにもつながります。当院には現在、常勤の歯科医師7人をはじめスタッフが約30人いますが、良い環境を整えてスタッフが成長を実感できるクリニックでもありたいと考えています。
診療時に心がけていることをお聞かせください。

正確に診断をして丁寧に説明し、患者さんが納得してから治療を行うようにしています。初診時には患者さんのお悩みや今までの生活習慣、歯科医院との関わり方や歯科治療への印象などを細かく聞いて、その上で口の中が悪くなった原因を説明していきます。そして、歯科用CTで撮った画像などからわかる現在の状態を伝えて、問題の解消方法をお話しします。患者さんの過去、現在、未来を伝えることでイメージを深めてもらう、それが当院の診療スタイルです。インプラントなどを用いた自費の治療方法も選択肢としてご提示することはしますが、積極的にお勧めすることはしません。「ご家族とも相談してじっくり考えてみてくださいね」と持ち帰っていただくようにしています。
質を追い求めるのは、困っている人を助けたいから
先生が得意とされるインプラント治療は、どのように経験を積んできたのでしょうか。

インプラント治療を勉強し始めたきっかけは、歯科治療の中でも奥行きがあり、難しいと感じたからです。私は子どもの頃から手先が器用だったこともあって、学生時代の成績は実習、筆記試験とも常に上位でした。正直に言うと、ちょっとてんぐになっていたのだと思います。その鼻をいい意味で折ってくれたのが、卒業後に勤務した「岩本歯科医院」の岩本宗春先生でした。先生は厳しくも真っすぐな人で「患者さんが治療の精度についてわからないからといって手を抜くな」「常に勉強しろ」「設備はいいものを使え」と口酸っぱく言っていました。開業医としてのマインドは先生に影響を受けていて、インプラント治療に関しても難症例を含めて数多くの手術を経験してきました。
お忙しい中とは思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?
休日は家族で過ごすことが多いですね。私は結婚する前から子どもが好きだったので、幸いなことに4人の子宝に恵まれ、本当にうれしく思います。子どもたちと家でおもちゃなどで遊んだり、近くを散歩したりする時が今一番リラックスできる瞬間です。もともとサッカーが好きで、以前は職場の歯科医師たちとフットサルをしていたのですが、今はみんなそれぞれ家庭を持ち、自分の家族と過ごすことを楽しんでいる時期ですね。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

もっと技術を研鑽して、より高度な治療を行えるようになりたいですね。難しいオペにもさらに取り組んでいきたいと思っています。高い技術を身につけ、スタッフや設備、治療の質を追究することは、本当に困っている人たちの助けにもなりますから。人の役に立つことは、私の歯科医師としての目標でもあります。また、ホスピタリティーを持って患者さんに接することを心がけています。そのおかげか、患者さんから「スタッフの人が優しく接してくれて安心できる」と言っていただく機会もあります。困ったらぜひ当院を頼っていただきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万~53万円 、骨造成/5万~20万円