宮坂 芳郎 院長の独自取材記事
サウスポイントMYクリニック
(三鷹市/三鷹駅)
最終更新日:2021/12/03
三鷹駅南口から徒歩2分の場所にあるのが、矢印の看板が目印の「サウスポイントMYクリニック」。院内には、ピンクと青のパステルカラーが目を引く清潔感あふれる空間が広がる。患者からプレゼントされたというストラップをネームプレートに下げ、明るく取材に応じてくれた宮坂芳郎院長は、日本専門医機構整形外科専門医。その笑顔と語り口からは、医療へのこだわりと、患者とのコミュニケーションを大切にする気持ちが伝わってくる。先進の医療機器を備え、親身なスタッフたちが診療にあたる同院の特徴について、宮坂院長にたっぷりと聞いた。
(取材日2013年12月17日/情報更新日2021年11月24日)
地域の人が気軽に立ち寄れるクリニックをめざして
開業に至った経緯を教えてください。
もともと三鷹には父が開設した厚生会病院があり、私はそこで院長を務めていました。しかし、建物の老朽化や東日本大震災をきっかけに、患者さんやスタッフの安全を改めて考えなくてはならない状況に至ったのです。建て直しという選択肢もありましたが、耐震の規制などの関係で実現するにはかなりの年月を要してしまう。そこで、熟慮の結果、外来診療をメインとしたクリニックを新たにつくることを思いついたのです。運良く近くの場所が空いていたため、2012年の4月にオープンすることができました。院名は、自分の名前のイニシャルMとYをとって「MYクリニック」。患者さんに「自分のためのクリニック」という親しみを感じてもらえるよう、「マイクリニック」と読むようにしたのです。
整形外科の道を歩むきっかけとなった出来事は?
父が医師だったということと、病気を患っていた兄弟の影響もありますね。小さい頃はプラモデルなど細かい作業をするのも好きでしたし、中高生の頃はUコン(操縦する模型飛行機)やギターを弾いてバンドに熱中する時期もあったので、「自分の手先を使って治したい」と思い外科の道を考えました。大学時代に病院でさまざまなことを学びましたが、やはり臨床がおもしろかったですね。患者さんが治療を通して元気になっていく姿を見る度に、「人に感謝してもらえる仕事は素晴らしい」と実感していきました。すべての診療を終えた時、患者さんと最も笑顔でお別れできるのは整形外科や産科なのかもしれません。全科を回る臨床実習で強烈な印象を受けた先生を目標に、1983年に杏林大学医学部を卒業した後、整形外科学を選びました。その先生をボスと慕い、多くの先生のもと、多くの施設で勉強・研究を重ねましたが、その時の友人は今も大切な宝ですね。
クリニックのコンセプトを教えてください。
駅から近い場所にありますし、患者さんが気軽に立ち寄れるような「コンビニエンスな専門医療」をめざしています。当院では、内科・救命救急・外科を専門とする医師を含め15人ほどのスタッフをそろえており、整形外科は私が担当し、内科は各専門の先生が診療しています。徐々に患者さんも増えてきて、気軽に安心して来ていただけるクリニックになってきていると思います。私はこの界隈の病院に勤めていたこともあるので、大学病院や各関連施設との連携を速やかにとることもできますよ。時には手術のための病院を紹介し、その前後のリハビリテーションやフォローを当院で担当することもあります。主訴としては腰痛や膝の痛み、肩凝りなどが多く、骨粗しょう症の精密検査で来院される方もいらっしゃいます。
患者のニーズに合わせた診療で健康な人生をサポート
どのような治療に力を入れていますか?
外傷や脊髄・脊椎に関連した腰痛、肩凝りの診療に加え、骨粗しょう症の治療に力を入れています。日本は今、先進国の中でも大腿骨頸部骨折の数が増えている国として注目されています。欧米では5割以上の人が骨粗しょう症の治療を受けているそうですが、日本人は2割程度といわれ、背が縮んでしまうケースや、骨折によって初めて骨粗しょう症と知る方も少なくありません。当院は全身型の骨塩定量検査装置を完備し、腰と大腿骨頸部(股関節)の両方で計測をしています。検査は7分ほどで完了し、結果もすぐに説明できるでしょう。近年、「骨は増やしていける」時代ですので、50歳以上の方はぜひ一度、骨塩定量検査を受けていただきたいですね。また、被ばく量の少ない先進のマルチスライスCTで3D画像や造影検査を行い、素早く結果を説明できるよう心がけています。骨・関節に加え、頭部、胸・腹部の検査にも注力していますので、ぜひご相談ください。
専門性の高いドクターが診療しているのですね。
はい。当院では私の専門である整形外科のほかに、内科も標榜しているので健康診断も行っています。整形外科と内科を一緒に受診できることは、患者さんにとってもメリットでしょう。また、リハビリテーション科では運動器リハビリ、脳血管疾患等のリハビリ、呼吸器リハビリと、それぞれ種別された物理療法を行っています。そして特に要望が多いのは、予約制で理学療法士とマンツーマンで実施する個別リハビリです。本格的にスポーツをしている方やご高齢の方など、幅広い世代の方がリハビリのためにいらしています。スポーツで重症を負った方や、慢性疾患で手術予定の方が病院での手術前後に行うリハビリも請け負いますし、ご高齢の方も150日で完結という目標設定をしてメニューを組み、運動器機能の改善や維持をめざしてリハビリを提供しています。
その他にも、患者のニーズに合わせた診療をされているようですね。
急激な痛みや坐骨神経痛などで動けなくなってしまった状態の患者さん向けに、麻酔薬を使って行う神経ブロック治療があります。若い方でも神経の障害による歩行不能や上肢の痺れ・脱力などを認める重症な方がおり、神経ブロック治療を行うことがあります。このほか交通事故や労働災害で負ったけがの治療、体を動かすためのアドバイスなど、運動器の機能の向上に関連するような患者さんのニーズに応じられるよう配慮しております。費用については、あらかじめ丁寧にご説明するよう心がけていますので、安心してご相談ください。
先進の医療機器を駆使し、患者に安心と信頼を届けたい
内装や医療機器など、開業にあたってこだわった部分を教えてください。
外観のビルの色に合わせたピンクと青をメインに使って、清潔感に重点を置いた内装にしました。医療機器は、開業時に先進のデジタルシステムのものをそろえました。コードレス式なので、撮影後のエックス線写真も、診察室でリアルタイムに見ることができます。かつては現像などの工程を経て15分ほどかかっていましたが、現在は瞬時に完了しますよ。また電子カルテの導入により1年前のデータが必要なときも、ハードディスクをすぐに確認でき、わざわざ書庫に行って膨大な数のカルテから探し出すという手間がなくなりました。そのほか、紹介先の病院と、CDRやメールでデータを送受信することも可能になり、よりスピーディーな対応で患者さんに還元できているのではないかと実感しています。
現在、先生自身が新たに取り組んでいることはありますか?
今一番注目して学んでいるのは、下肢の動脈・静脈についてですね。糖尿病によって足が腐ってしまう壊疽(えそ)や下腿の深部静脈血栓症も意外に多く、実際に足のトラブルや全身の血栓症に至る例も見受けられますので、そのフットケアについても学んでいます。医師はずっと向上心を持って勉強し続けねばならない職業です。常に新しいことを吸収していくため、勉強会にも積極的に参加しています。医師同士での情報交換も盛んですし当院のスタッフも含め互いに刺激し合って、全員で高い意識をもっていきたいですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
医師として、一番やりがいを感じるのは、患者さんから「良くなったよ」と言ってもらえる瞬間でしょう。現在は私が直接大きな手術をすることはなくなりましたが、手術の前後に当院でリハビリをした方が、元気になって笑顔を取り戻してくださったなら本当にうれしいですね。来院される方は少なからず不安を抱えていらっしゃいますから、お互いの信頼関係がないと治療に躊躇してしまいます。ゆえに当院では患者さんとのコミュニケーションをとても大事にしています。痛みを抱えて来院される方にはそれぞれに適した薬もありますし、我慢する時代ではありませんので、即時的に和らぐ方法を提案していきたいと思っています。三鷹駅から近い場所で「コンビニエンスな専門医療」を掲げておりますので、安心して気軽にご来院ください。