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近藤 謙二 院長の独自取材記事

海上ビル診療所

(千代田区/大手町駅)

最終更新日:2020/04/01

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東京駅直結の、東京海上日動ビル新館にある「海上ビル診療所」は50年以上の長きにわたり、丸の内の地域医療に貢献してきた医療機関だ。診療所とはいっても規模は大きく、小児科や手術を行う外科以外の科目はほぼそろっていると言っていいだろう。ビルの中にあり、目立った看板などがない中で、一日に訪れる受診者は外来、健診を合わせて600人以上。院長の近藤謙二先生は柔和な笑顔が印象的な品のあるドクター。良質な医療を提供するために、患者や働くスタッフ、院内環境に至るまですべてに思いを巡らせ、実現させるよう努力を怠らない。そんな近藤院長に話を聞いた。
(取材日2016年11月16日)

健康診断や画像診断に注力

長きにわたりこの地で診療されていると伺いました。

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1960年に設立され、今年で56年目になります。医療法人財団ですので営利目的ではなく、地域医療に貢献しようということから設立に至りました。企業の中の診療所とは一線を画したオープンな診療所ですので、丸の内に勤めている一般企業の方や近隣の方など、外国人を含め、どなたでも利用できるようになっています。受診者の方は健康に対する意識はとても高いのですが、忙しく働く中で時間が思うように取れず治療に踏み切れない方や、健康管理が思うようにできない方も非常に多いことは気がかりですね。当院は外来はもちろんのこと、予防的な観点から健康診断にも注力しており、病気になる前に見つけて指導することも地域貢献の一つとして考えています。

とても広くて診療科目も多いですね。

医療機関名は診療所ですが規模は大きく、診療科目は内科、整形外科、眼科、皮膚科、婦人科、泌尿器科、その他小児科や手術を行う外科以外は幅広く扱い、内科の中も専科に分かれて診療しています。常勤のドクター7人、看護師35人、スタッフ120人に合わせ、慈恵医大、東大、順天堂大などの大学病院から非常勤ではありますが、多数の信頼できるドクターに力をお貸しいただいています。そのため各大学病院やがん研有明病院との連携は強く、こちらで対応できない疾患や検査についてはそれぞれの症状に合わせ、その第一線で治療されている病院をご紹介しています。多くの方に受診していただいておりますが、お待たせしない工夫として予約のシステムを整え、待合室にはモニターをつけて待つ間のストレスを軽減できる院内環境を整える努力をしています。

こちらではどんな健診が行えますか。また、特徴的な検査などはあるのでしょうか?

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一般成人病健診に加え、各科でさまざまな検査が行えます。特に画像診断には力を入れておりまして、上部、下部の消化器内視鏡検査機器には6台あるすべてに、NBI機能という早い段階での病変を捉えられる機能を携えたものを用意しました。これにより食道がんなどを早期発見できていると実感しています。その他マルチスライスCT、眼科ではOCT検査器、乳腺外科ではマンモグラフィーや乳腺エコーなど、先進の機器を導入しました。また、機器をそろえるだけではなくそれを扱う医師や技師も、研鑽を積み技術を持った者が担当しています。健診エリアは外来と分けているのですが、広々していて、待合室からは皇居などが展望できるんです。リフレッシュになると好評なんですよ。

乳腺科と婦人科のある女性専用エリアも

日々の診療や院内環境において心がけていることはありますか?

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病気、あるいは病気になる可能性があることが判明した場合に、これから起きるであろうことを伝え、必要な治療などをしっかりと説明して不安をできるだけ取り除き、安心して治療が受けられるようにしています。経営理念である、安心して満足いただける質の高い医療を提供するために、スタッフ数を確立し、待ち時間や診療中に感じるストレスや不安をできるだけ緩和するよう心がけています。医療機器を充実させるのもその1つです。そして検査をした画像を院内で読影し、大学病院の放射線科、呼吸器内科等の専門の医師が確認した後フィードバックするという二重の体制で診療に取り組む。受診者の方が働いている近隣の診療所で、大学病院並みの医療を提供できるように努力しております。

注力されている診療はありますか。

内視鏡検査については特に力を入れております。上部内視鏡検査では経鼻、経口、経口での静脈麻酔を使う方法と、3つのやり方から選択できます。静脈麻酔で鎮静剤を用いて行う検査は、最近ニーズが高く、6~7割の方が選択されていますね。麻酔を使うと検査後は安静にする必要がありますので、10人位の方が同時に休めるリカバリースペースを用意しました。下部内視鏡検査もドクターのテクニックが要求される検査の1つですので、大学病院で研鑽を積んだ医師が担当し、大学病院からも経験豊富な医師に来ていただいています。これらにより、苦痛のない検査を提供し、多くの方に翌年も同じ検査を希望していただけている状況です。

女性専用のエリアがあると伺いました。どんな診療を行っているのでしょうか?

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当院にはフィメールエリアという、女性しか入れないエリアがあります。婦人科や乳腺科はこのエリアにあり、ドクター、看護師、受付すべて女性です。乳腺科については、マンモグラフィーと乳腺エコーの両方をご用意していますので、乳腺濃度が高く、マンモグラフィーだけでは判断のつかない場合でも同じ場所で再検査が受けられます。婦人科と乳腺科が一緒にあることで、これまで別の病院に行かなければいけなかった子宮がん検診と乳がん検診を一緒に受けることもできると、好評をいただいております。近隣には幅広い年齢層の女性が働いていますので、できるだけ希望にこたえたいという思いからできたエリアです。

高水準を保った良質な医療の提供を

産業医業務も幅広くされていると伺いました。

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はい、産業医についても重視しています。産業医療室という大きなグループをつくり、保健師が10人、ドクターも複数所属し、契約している企業に産業医を派遣して健康管理についての指導を行い、病気にならず、健康を保っていただけるように講話をしています。昨今ではコンプライアンス重視の風潮が高まり、月1回の産業医の業務もわれわれの大切な役割になっています。また、昨年よりストレスチェック制度が導入され、その受け皿として心療内科の医師と臨床心理士がペアになって診療する形をとっているのですが、こちらは一般の科目とは異なり、契約している企業の方が対象になっているものです。ただ、ニーズは多く、忙しい企業では残業時間が多すぎるなどの問題も多いので、それに対する指導なども産業医としての大きな役割ですね。

たくさんのスタッフが働いている環境ですが、スタッフ教育はどうされていますか?

受診者の方が安心して来院できるように接遇面での教育はもちろんのこと、医療の知識を高めるため、各科でチームをつくり勉強会を開くなど学びの機会を設け、診療所の費用で学会に参加するなど、新しい知識を得られるようにサポートしています。特に画像検査を行う技師は大切な立場でありますので、大学の研修に数箇月通い、また、大学病院の専門の先生に定期的に来ていただき、臨床検査技師や放射線技師の教育や指導をお願いしています。スタッフが多いですから、一定の医療の質を保つためには、これからも教育や環境を整えなければなりませんね。子育てや介護などで制限がある中働いているスタッフもいますが、限られた時間の中で最大の努力をしてくれています。私も娘が海外に移住する準備期間に、孫の子育てをしていたことがあります。本当に赤ちゃんを育てるのは大変で、みんなよく頑張ってくれているなと思いますね。スタッフには恵まれました。

最後にメッセージをお願いします。

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私自身も仕事をしている身ですので、忙しい日々の仕事を優先し、無理をしてしまう気持ちがわかります。医療の知識や健康への思いはあっても、忙しさから疾患の治療を遅らせる方が出ないようにという思いも、オフィス街にあるこの診療所で働こうと思った理由の一つです。これまで長くこの地域の医療に貢献してきました。その理念はこれからも変わらず、日々勉強しながら高水準を保った良質な医療を提供していきたいと思っています。

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