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細谷 眞澄 院長の独自取材記事

安井医院

(豊島区/駒込駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR山手線駒込駅から歩いて2分ほどの距離にある、閑静な住宅街の中の「安井医院」。モダンなデザインが印象的だが、70年以上にわたって地域住民の健康を守り続けてきた歴史あるクリニックだ。祖父、父母の代から続く医師の家系に育った細谷眞澄院長は、1995年に同院を継承。時代のニーズに応じて、これまで女性専門の外来や発達障害児の相談など新たな診療分野にも積極的に取り組んできた。地域のかかりつけ医として常に患者の声に耳を傾けてきた細谷院長が今、注力しているのは認知症ケアと在宅医療。「最後まで責任を持って診るのがかかりつけ医の務め」と話す患者思いの細谷院長に、地域医療現場の最前線について語ってもらった。
(取材日2018年5月30日)

70年以上の歴史を受け継ぐクリニック

こちらのクリニックには長い歴史があるそうですね?

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はい、創業は70年以上前です。私の祖父の代から駒込で地域医療に携わってきました。私は1995年に父からこの医院を受け継いだので、院長に就任してもう二十数年になりますね。この辺りは環境がいいので代々にわたって長く住んでいる方々も多く、患者さんも地元のなじみの方が多数を占めます。私も長く診ているものですから、最近では小さい頃から来てくれていた女の子が結婚して妊婦さんになって受診してくれたり、高齢になった患者さんがお孫さんを診せに連れてきてくれたりすることもあるんです。もっとも、駒込駅からも近いですし遅くまで診療していますから、会社が終わってから来られる方や、近くに新しくできたマンションにお住まいの方の受診も増えました。

患者さんの層はどうですか?

ご高齢の方が最も多いですね。中には祖父、父、私と3代にわたって診察させていただいている患者さんもいらっしゃいます。外出が困難になった患者さんも増えてきたので、最近では在宅医療にも力を入れるようになりました。お子さんは以前に比べると減ってはいますが、祖父の代から学校医を務めてきた関係で、小学生の患者さんは今も多いほうだと思います。子どもたちが退屈しないように、待合室には引き出しタイプの本棚を置いていて、好きな本を自由に取り出して楽しめるようにしているんです。小さい頃から通ってくれている子は、中学生くらいになると「ここの病院なら一人で行ける」と言ってくれたりもしますね。あとは私が女性なので、女性の患者さんから相談しやすいと思って来ていただけているようです。

どんな症状を訴える人が多いですか?

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一般内科の診療に加えて、最近では不眠、食欲不振といった不定愁訴の相談が増え、心療内科的なニーズが高まっているように感じています。専門のクリニックに行く前に、まずは長年かかりつけにしている当院に行こうと思ってくださっているようですね。また当院はスタッフのほとんどが女性ですので、更年期など女性特有の相談を専門的に受けつける外来を設け、たくさんのご利用をいただいてきました。今は同じような外来を持つクリニックが増えてきたことから固定の受診日は設けていないのですが、ご予約があればその都度受けつけています。他にはお子さんの発達障害の相談も多いです。私は専門の医師ではないのですが、東京大学医学部付属病院で心の発達の臨床について学んでおり、必要があれば適切な専門機関を紹介することも可能です。悩んでおられるお母さんに寄り添って、適切なアドバイスをさせていただければと思っています。

かかりつけ医ならではの細かな気づきを診療に生かす

先生の診療方針を教えてください。

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最も大切にしているのは、患者さんの話をよく聞くということです。血液検査の結果など数値だけを見ていても、その人に合った治療を見極めるのはなかなか難しいものです。治療に結びつくヒントは患者さんの言葉の中に隠れていると思っているので、診察中は患者さんが何を訴えておられるのかを丁寧に聞くことに注力しています。また人の人生には流れがあるので、医療に関しても同じ人間がずっと寄り添って診続けるのが理想だと思っています。「この人は以前あの病気にかかっていたから、今回の症状も何か関係があるのでは」ということに気づけるのは、長年診ているかかりつけ医ならではですよね。また「おじいちゃんの家での様子が知りたいけれど、あの息子さんに聞けばわかるかな」ということを思いつけるのも、地域に根差したかかりつけ医の強みです。ですから、自分がずっと診てきた患者さんは最後まで責任を持って診たいと思っています。

今、力を入れていることは何ですか?

高齢の患者さんが増えているので、認知症ケアに本腰を入れて取り組んでいるところです。「認知症初期集中支援チーム」に参加しており、ケアマネジャーさんらコメディカルの方々と連携しながら認知症の方やご家族をサポートしています。具体的には、「1人で薬が飲めなくなった」「家族とのトラブルが増えた」など、初期の認知症が疑われる人や家族の人の相談に乗り、時間をかけて経過を診るというものです。認知症は徐々に進行する疾患ですが、適切な薬を飲んだり、周囲の人とうまくコミュニケーションを取ったりすることでその進行を遅らせることができます。できる限り住み慣れた自宅で過ごしてもらうために、早期のサポートが重要なのです。

認知症ケアにはチーム医療が不可欠なのですね。

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そうです。サポートの対象の方には「定期的に通院すること」や「薬を正しく飲めている」など一人ひとりに目標をもってもらうのですが、そのゴールにたどり着くには多くの人の協力が不可欠です。初期集中サポートは全国的な取り組みですが、豊島区では特にコメディカルの方々の役割を重視していて、医療連携を積極的に進めています。また、家族の役割も重要です。親が認知症になったことを受け入れられずに、なかなか助けを求められない方もいるのですが、早めに相談していただければ適切なサポートを提供することができます。家族の負担を減らすために、デイサービスなどを紹介することもできますから、ストレスを抱えてしまう前にぜひ声をかけていただきたいです。

時代のニーズに応じて在宅医療にも尽力

今後の課題は何でしょうか?

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以前は来院する患者さんを診ることがほとんどでしたが、高齢化が進んだ今、待っているだけでなく訪問診療も進めていく必要があると感じています。特に独居の高齢者をどう診るかが課題です。一人暮らしの方は自立心が強く、頑張り過ぎてしまって病気が進行してから見つかることが多いのです。最悪、孤独死という危険もありますから、そうなる前に困っている方を見つけるのも地域のかかりつけ医の役目だと思っています。通院されているうちから気をつけていて、通院が難しくなったら往診に切り替えて最後まで診るという体制をさらに充実させる必要があると思います。かかりつけ医として長年その患者さんを診療してきた経験は、在宅医療においても役に立ちますから、医院での診療と在宅医療を両立しながら続けていきたいと思っています。

今はどのような形で往診を行っているのですか?

昼休みを利用して一日に1、2件ずつ回るようにしています。自宅にいる方と施設に入所されている方を受け持っています。往診時には話をゆっくり聞いていて1件あたり1時間くらいかかることもあるのですが、いろいろ話を聞いているうちに問題点が見つかることもあるので時間をかけるのは大切なことだと思っています。時には「運動不足にならないように、食卓とベッド、テレビの間隔は離しましょうね」など、模様替えのアドバイスまですることもあるんですよ。多くの方が住み慣れた家でできるだけ長く暮らしたいと希望していると思いますので、それを可能な限り支えてあげるのが目標です。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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皆さんにできるだけ長く健康でいてほしいし、無事でいてほしいので、気になることがあれば早めにかかりつけ医に相談してください。医師は皆その人のことを思って診療しているので、気後れすることなく言いたいことははっきり言っていただくのが一番です。高齢化社会を迎え、これからますます在宅医療の必要性が高まると思いますが、それは私一人ではできないことなので、地域の方やコメディカルの方と連携しながら、患者さんにとって幸せな人生を全うするお手伝いができればと考えています。当院はアットホームな医院ですが、地域の総合病院や大学病院とのネットワークもありますので、お悩みのことがあれば相談をするだけでも気軽にお越しください。

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