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橋本 伸子 院長の独自取材記事

橋本こどもクリニック

(文京区/千石駅)

最終更新日:2026/07/17

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック main

都営三田線・千石駅から徒歩4分、落ち着いた住宅地に「橋本こどもクリニック」はある。エントランスを入るとすぐ目を引くのが、段差を生かしたスロープ。子どもたちが滑り台のように駆け下りてキッズスペースへ飛び込んでいく光景は、院長の橋本伸子先生のお気に入りだという。「病院らしくない場所にしたかった」という院内にはおもちゃや絵本が並び、親子がくつろげる温かな空間が広がる。国立小児病院やミシガン大学留学で小児内分泌の研鑽を積んだ橋本院長は、低身長や思春期の悩みへの専門的な診療に加え、今後はアレルギー疾患にもさらに力を入れていく考えだ。穏やかな笑顔で患者の声に耳を傾ける橋本院長に、開業20年の歩みや診療への思いを聞いた。

(取材日2026年4月17日)

「自分の城」で追い求めた、子どもに寄り添う医療

まずは、こちらで開業された経緯をお聞かせください。

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック1

医師になって約40年になります。最初の20年は勤務医として経験を積みました。やりがいのある日々でしたが、自分の思うとおりにできない部分もありまして、今度は自分の城といいますか、自分がやりたい医療を追求できる場をつくりたいと考えたのが開業のきっかけです。もともと文京区にはずっと住んでいましたし、以前の勤務先も区内にありましたから、なじみの深い土地でした。開業してからの20年はあっという間でしたが、私自身に会いたいと思って来てくださる方が増えて、患者さんとの距離がぐっと縮まったと感じています。診察の幅も広がり、ちょっと泣きやまないとか、ミルクがうまく飲めないといった日常の些細なご相談にもじっくり向き合えるようになったのは、開業して良かったと思える点ですね。

小児科の道を選ばれた理由を教えてください。

内科は消化器や呼吸器など細分化されていて、一つの領域だけを診るようなところがありますが、小児科は子どもの病気を全体的に一通り診ることができるんです。体も心も全体を診ることができて、患者さんと長いこと付き合っていける。そこに惹かれて小児科を選びました。卒業後には東京大学医学部附属病院小児科、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)の内分泌科に3年間在籍して、低身長のお子さんをはじめ多くの症例を経験しました。その後、ミシガン大学に1年間留学して内分泌の研究にも取り組みました。それまで研究にはあまり携わることがなかったのですが、実際にやってみると面白くて、のめり込みそうになったほどです。臨床と研究の両面で内分泌に向き合った経験が、今の診療の土台になっていると思います。

温かな雰囲気の院内ですが、こだわった点を教えてください。

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック2

エントランスを入ったところに、段差を利用した下りのスロープがあるんです。お子さんたちが来ると、そこをファッと駆け抜けて滑り台みたいに滑って、そのままキッズスペースに突入していきます。その光景がとても私のお気に入りです。おもちゃやぬいぐるみ、絵本も凝って選んでいまして、子どもが夢中になれるものをたくさんそろえています。根底にあるのは、病院らしくない場所にしたいという思いです。おうちにいるような感覚で親御さんもお子さんも過ごせて、気兼ねなくいろいろなことをお話ししてくださるような雰囲気づくりを大切にしてきました。リラックスした空間だからこそ、ちょっとした心配事も自然と口にしてくださるのだと感じています。

低身長から思春期まで、内分泌を専門として向き合う

内分泌に関する相談では、どのような診療を行っていますか?

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック3

内分泌のご相談で一番多いのは低身長のお子さんです。まず過去の身長記録をグラフに書き起こし、どの時期に伸びが鈍くなったかを確認した上で、血液検査やエックス線で骨年齢を調べ診断をつけていきます。成長ホルモンの分泌が不足している場合は毎日の自己注射を始めますが、非常に細い針で痛みに配慮されており、無理なく続けられる方が大半です。できれば思春期に入る前にご相談いただけると良いです。思春期を迎えると骨年齢が進み伸びが早く止まることがあります。治療を始めるとお子さんの成長に変化が期待できることも多いです。

思春期のお悩みにはどのように対応されていますか?

思春期が平均よりも早く始まってしまう思春期早発症や、逆に遅く始まる遅発症のご相談も多いですね。平均より2年以上早い場合は医学的な対応を検討する範囲に入りますが、1年ほど早いだけでとても心配して来られる親御さんもいらっしゃいます。その場合は体がどういう順番で変化していくのかをゆっくり説明するようにしています。こうした場面では親御さんとお子さんの気持ちにずれがあることも少なくありません。親御さんは心配しているけれど、本人はそれほど気にしていないという場合もあります。それぞれお話を聞いて、双方の思いを橋渡しすることもあります。いわば仲裁役のような立場ですね。

患者さんやご家族と向き合う上で、大切にしていることはありますか?

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック4

患者さんやご家族の言葉にしっかり耳を傾けて、すべてを受け止められるような体制づくりを心がけています。こんなことまで言っていいのかなと遠慮される方もいますが、些細なことでも話していただいたほうが問題点を見つけやすいんです。外見はとても元気そうでも、普段と違うことがあれば、なんでもいいのでお話しいただきたいですね。気になる症状であれば、検査をして調べることもできますし、問題があれば、大学病院に紹介するなど素早く適切な医療につなげることができます。診療では、お子さんへの説明は年齢に合わせて言葉を工夫しますし、注射の後に泣いてしまったお子さんにはシールのご褒美も用意しています。

親の気持ちがわかるからこそ、子育てを支えたい

ご自身の子育て経験が、診療に影響を与えることはありますか?

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック5

間違いなく影響はあると思います。親になってみてわかったことは本当に多くて、子どもへの心配や期待といった気持ちは、身にしみて理解できます。初めての赤ちゃんの場合、お父さんもお母さんもとても緊張していらっしゃいますが、自分も初めての子どものときはそうでしたから、誰でも通る道ですよと丁寧にお答えするようにしています。最近特に感じるのは、インターネットやSNSで調べすぎて情報に振り回されている親御さんが多いということです。調べるほどに深刻な内容にたどり着いてしまいがちですよね。だからこそ受診していただいて、「これはこうですよ」「大丈夫ですよ」とお伝えすることで、安心して帰っていただきたいと思っています。正しい情報を届ける場としての役割を大切にしていきたいですね。

今後、力を入れていきたい分野はありますか?

内分泌の診療はもちろん続けていきますが、今後はアレルギーの分野にもさらに力を入れたいと考えています。アレルギーの患者さんはもともと多いのですが、もう少し踏み込んで診ていきたいですね。例えば花粉症であれば、舌の下に薬を置いて体質の改善をめざす舌下免疫療法に取り組んでいきたいですし、食物アレルギーについてはどう克服し、どう予防していくかを患者さんに丁寧に指導していきたいと思っています。そのほか、在宅で酸素療法を受けているお子さんのケアにも少しずつ携わっています。内分泌もアレルギーも日々新しい知見が出てくる分野ですので、学び続けながら診療の幅を広げていきたいですね。

最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いいたします。

橋本伸子院長 橋本こどもクリニック6

文京区や豊島区のこの辺りは、子育てをするのに本当に恵まれた環境だと思っています。大学病院をはじめ医療機関が充実していますし、落ち着いた住環境と日々の暮らしの利便性が両立しているエリアです。私自身、医師として40年にわたりさまざまなお子さんを診てきましたので、その経験を地域の皆さんの子育てのお手伝いに少しでも生かしていけたらと思っています。お子さんのことで気になることがあれば、大きなご病気かどうかに関わらず気軽にご相談いただけるとうれしいです。どんな小さな心配事も遠慮なくお話しいただける場所でありたいですし、これからも皆さんと一緒にお子さんの成長を見守っていきたいと考えています。