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鹿内真美子 院長の独自取材記事

溜池眼科医院

(港区/溜池山王駅)

最終更新日:2021/10/12

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「目の病気は突然やってくるもの。急な症状にもスピーディーな対応ができなければ、かかりつけ医としての役割を果たすことができません」。そう語るのは「溜池眼科医院」の鹿内真美子院長だ。これまで大学病院など大きな病院の現場を見てきた鹿内院長はその経験から、地域のかかりつけ医としての使命感を強く感じており、近隣の学校医と保育園医も担当している。地域の目の健康を見守り続けるため、緑内障の研究や学会出席など、最新の情報収集にも手を抜かない。また、「患者さんの不安は人それぞれ。それを取り除くことが重要」という考えから、負担の少ない治療や、専門用語を多用しない分かりやすい説明を心がけているという。眼科医になった理由を「目という臓器の美しさに惹かれ、喜びのあふれる現場だと感じたから」だと話す鹿内院長。今日も、オフィスがひしめく溜池山王で、目が見える喜びを提供していることだろう。

(取材日2016年9月15日)

眼科への情熱と多彩な経験で、働く世代の力に

先生のご経歴を教えてください。

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東京女子医科大学を卒業した後、東京女子医科大学病院の眼科学教室に入局しました。その後、タイプの異なる病院をいくつか回ったので、勉強になりましたね。東京女子医科大学病院は、新宿で都会の中心地という立地ですから、幅広い層の患者さんを診ることになります。埼玉の済生会栗橋病院は、周囲に田んぼや畑も多く、必然的にその地域にお住まいの方が多くなります。国立国際医療研究センター病院では、結核やHIVの患者さんといった別の病気を持った方も診察してきました。今、この周辺はオフィス街で、眼精疲労やドライアイなど、仕事による負担やストレスで来院される方が中心ですね。色んな地域の病院を回らせていただいたおかげで、赤ちゃんからお年寄りまでたくさんの方とふれあい、経験を積むことができました。

眼科医をめざされたきっかけは何だったのでしょう。

実は学生時代は産婦人科医になりたいと思っていました。病院の中で唯一、新しい命を取り上げる現場ですから喜びを得られる仕事だと思ったのです。しかし、初めて目の画像を見た時、視神経や血管がとてもきれいだったことに感銘を受けました。また、白内障の手術の後、目がよく見えるようになって病院から帰って行かれる患者さんを見た時、眼科も産婦人科と同じく、喜びを生み出せる現場だと感じたのです。

この場所で開業されたのはなぜでしょうか。

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当院は先代の院長先生から2006年に私が引き継いだものです。先代がご高齢で退職されることになり、当時たびたびお手伝いに来ていた私が跡を継ぐことになりました。先ほどもお話したように、当院の患者さんの中心はこの周辺にお勤めの方々です。そういった方たちは本当に忙しく、自分の健康に気を遣う暇もないほどです。今まさに社会を支えてくれている方たちですし、私も同じく働く世代なので、少しでも力になれたらいいなと思っています。

緑内障など静かに忍び寄る病の早期発見に注力

力を入れている治療分野はありますか。

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今は緑内障の早期発見、治療に積極的に取り組んでいます。緑内障は日本人の失明原因として最も多く、本人も気付かない間に進行してしまうことが多々ある病気です。現代の医学では完治できないので、早期に発見して進行を抑えることが重要になります。基本的に点眼での治療になりますが、症状が重くなると手術になってしまうこともあります。そうなると感染症のリスクが高まり、プールや温泉に行けないなど生活上、制限が出てきてしまうのです。緑内障は30〜40代の方にも多く、お子さんとそういった場所にもお出かけしたい年代でしょうからやはり早く気付くことが大切になってきます。当院では、緑内障や黄斑変性の早期発見に役立つOCTを導入しています。これは眼底三次元画像解析の機械で、網膜や視神経の断面図を見ることができ、目の奥の状態を確認できるのです。痛みもなく撮ってその場で結果を確認できるので患者さんにもあまり負担をかけずに済みます。二次元の画像では分からない部分も見えるので、治療方針決める上でも有利です。

日々の診療で何か気を付けていることはありますか。

患者さんは不安をかかえて病院にいらっしゃいます。不安が取り除けないと、病気が治っていたとしても治ったような気がしません。例えば、視力は十分あるのに、疲労が蓄積してしまって実際は見えていないというケースがあります。そういった場合、数値の上では問題がないから大丈夫だと済ませてしまっては、本人が抱える問題は改善されていないのです。また、患者さん皆様それぞれ不安に思っていることが違います。同じ病気でも痛みが怖い人もいれば、見えないことを不安に思う人もいるのです。それを正確に聞き取って分かりやすく情報を提供し、不安を解消できるように気を配っています。いろいろと説明しても専門用語が多くてよく分からないのでは意味がありません。具体的にイメージしやすいよう、理解していただきやすい言葉を選んで使うようにしています。

予約診療はあまり推進していないようですね。

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当院の患者さんはお忙しい方が多く、目の病気は突然やってくるものなので、予約診療も一部行ってはいますが、基本的にはお好きなお時間に来ていただけるようにしています。急病の方にも迅速に対応できるような体制にしています。また、レーザー手術が日帰りでできる設備も整えています。翌日から海外出張で目の調子が悪いから来てみたら網膜剥離でその場でレーザー治療をして海外出張に出かけていただいた、というようなケースがこの地域では意外と多かったりします。そういった急を要するケースに対応してこそ、地域のかかりつけ医としての役割を果たせると思っています。治療によって患者さんのお仕事に影響が出ないよう、できる限り融通が利くように心がけております。

迅速な対応と不安を取り除く診療でめざす地域のかかりつけ医

クリニックの体制を教えてください。

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医師は基本的に私一人ですが、学会などで留守にする時は国立国際医療研究センター病院や東京女子医大病院の医師に手伝いに来てもらっています。スタッフは看護師、検査スタッフ、受付含めて全部で7人。スタッフにも患者さんに分かりやすく検査結果を伝えるように指導しています。また、受付スタッフであっても病名や治療方法、それによってどんな効果があるのか、薬の内容や使い方をきちんと把握してもらうようにしています。患者さんには薬をもらったけど何の薬か分からないといった、疑問を持ったまま帰ってほしくないと思っているからです。ですから、私も一緒になって勉強し、学会で得た情報をスタッフに還元できるように昼休みなどを利用して勉強会を行っています。当院にはご自分で情報を収集してからいらっしゃる患者さんも多いので、私自身も患者さんに有益と思われる情報を常に最新のものに更新しておかなければなりません。そういう意味でもとてもやりがいを感じております。

休日は何をされていますか。

中学生の娘がいるので、一緒に遊んでいますね。もうあまり手がかからない歳ですから、たまには自分の趣味のテニスを楽しむこともあります。でもやっぱり一番楽しいのは、大学の先輩後輩、医局の同期に会うことですね。先日も青森に勤務している同期のところへ遊びに行ったんですよ。お互い定期的に医学的な情報や治療内容などの情報を交換しています。仲間が多いのは財産だと思っています。また、セッションを聞くことで勉強にもなるので学会には積極的に参加するようにしています。でも私は自分で患者さんを診療しないと気が済まないたちなので、別のことをしていても病院のことがつい気になってしまうのです。休みをとって誰かに代わりに診療してもらうより、毎日仕事をしている方がいいですね。

最後に、これからの目標を教えてください。

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これまで通り、待ち時間の短縮と負担の少ない治療、分かりやすい説明を念頭に置き多くの患者さんと信頼関係を築いていくことです。大きな病院からこの小さなクリニックに来てみて、やはり地域のかかりつけ医の意義というのは何かということを考えています。すぐ診てくれて、いつでも相談に乗ってくれて、その方の背景まで把握している、それがかかりつけ医だと思うのです。そんな存在をめざしているので、何か不安に思うことがあったら気軽に相談に来てほしいですね。ここはオフィス街ですが、ご家族でいらしてくださる方もいらっしゃいます。この近辺で働いている旦那さんが奥さんやお子さんを紹介してくれたりするんですよ。そういったことをとても嬉しく思っているので、みなさんの期待を裏切らないようにこれからもまい進していきたいですね。

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