鮫島 佳子 院長の独自取材記事
歯科さめじま
(横浜市戸塚区/東戸塚駅)
最終更新日:2024/03/05
JR湘南新宿ライン・JR横須賀線の東戸塚駅から徒歩約8分「歯科さめじま」は、口の中だけでなく、口の中から全身をトータルに診る「ホリスティックデンタルケア」をモットーとした歯科医院だ。地元出身の鮫島佳子院長を中心としたチーム医療制の導入や、予防、メンテナンス、ホワイトニングに特化した歯科衛生士とのアポイントメント制など、多職種の専門性を生かした診療を提供している。同院では特に高齢者のオーラルフレイル対策や、健康な成長につなげるための小児歯科に注力。最近では、歯科医師や歯科衛生士の教育機関として受け皿になっている。さらに活動の幅を広げて、地域に貢献するために尽力している鮫島院長に、じっくりと話を聞いた。
(取材日2022年10月13日 )
多職種の専門性を生かせるチーム医療制を導入
癒やされる雰囲気の院内ですね。こだわったことはありますか?
開業は1993年ですが2010年に改装し、ちょっとおしゃれで癒やされる空間が広がるクリニックになるよう心がけました。患者さんの年齢層は幅広く近隣の方が中心ですが、中には地方から足を運んでくださる方もいるんですよ。こだわったのは、技工室を中央に配置したこと。当院には4人の歯科技工士が常駐し、ほぼすべての技工物を作っているので、患者さんのご希望を聞きながら、歯科技工士に相談してその場で調整ができるんです。患者さんのニーズに合わせて対応できるわけですから、なくてはならないものだと実感しています。
各職種、それぞれの役割分担がしっかりとなされているということですね。
歯科技工士や歯科衛生士はもちろん、歯科助手、受付のほか、コーディネーターやコンシェルジュなど、さまざまな役割を持ったスタッフがいます。細かく役割分担をしているのは、専門性を高め、プロフェッショナルとして仕事にまい進してほしいから。例えば歯科衛生士は、検査結果に基づいてプログラムを組み、必要なケアを高い精度で提供できるメンバーがそろっています。また、受付もクリニックの顔として、来院時の始まりと終わりに対応する大事な職種。加えて、待合室での患者さんの状態を確認して伝え、スムーズな治療へつなげる橋渡し役も担いますが、専任だからこそ安心して任せられます。こうしたおのおのの技術を最大限に生かせる環境を整えることが、結果的に患者さんに適した治療を提供することになると考えています。
こちらのクリニックは歯科医師や歯科衛生士の教育機関として学生の指導をされていると伺いました。
当院は約15年間にわたり、明日の日本の歯科医療を担う人材を育成すべく歯科医師の研修医や歯科衛生士をめざす学生さんの受け入れを行っています。他科と違って定期的な通院を要する歯科は、「この先生だったら悩みをわかってくれそう」と感じていただけるような、患者さんに寄り添える人間力の高い人材を育てていかないといけません。あとは、近年社会問題となっている、年齢とともに心と体の働きが弱まっていくフレイル(虚弱)に対しての課題解決も歯科医師には求められます。そういった意識と技術的な訓練に加え、患者さんへの心遣いやスタッフとの協調性もこれからの歯科医師・歯科衛生士の卵には身につけてほしいと思っています。
口腔機能の老化を阻止。オーラルフレイル対策に注力
クリニックのモットーを教えてください。
開業時より、口から体を診る「ホリスティックデンタルケア」に注力しています。呼吸系の入り口であり、食の最初の器官である口腔が機能低下すると、全身の衰えが急速に進むリスクにつながります。それを阻止するようなケアと治療の両方を提供するという意味の「ホリスティック(全体的な)」でもあるんです。さらに、一般治療はもちろん、トータルビューティーを意識し、機能美の面でも理想に近づけるよう、歯科医療と美容のアプローチを行います。例えば、片側の歯だけで食べる「噛み癖」は、顔のゆがみに始まり、最終的には体のゆがみとなる可能性も。偏った噛み方を直すためにトレーニングを行いますが、慣れない動きに頬や舌を噛んでしまうこともあるので、当院では、スタッフ兼任のセラピストが美容機器を用いたケアも行います。診療を通じて自分に自信を持てるようにし、口腔を含めた老化を遅らせられるようなアドバイスを心がけています。
クリニックの特徴は何でしょうか。
当院では、すべての患者さんを対象に唾液検査を行っています。唾液を分析して、虫歯や歯周病リスクなどのデータを数値化し、将来起き得るお口の中の変化を予測していきます。さらに、プラークを採取し位相差顕微鏡で見ていただきます。この顕微鏡を使うと、1500倍の拡大率で、口の中の細菌を生きた状態でリアルに見ることができるのです。口の中には誰でも何億という細菌がいますが、リスクが大きいと考えられる場合は活発に細菌が動き回っています。人によってはかなり衝撃的な画像だと思いますが、治療の前後でデータや画像を見ることで状態を実感できるのもメリットです。患者さんのモチベーションを上げ、良い状態をキープするためのメンテナンスを重視してもらいたいと思い、始めました。
特に力を入れている診療を教えていただけますか。
オーラルフレイル対策、つまり口腔機能の老化を食い止めることです。日本は長寿国ですが、平均寿命と健康寿命の差は10年あるともいわれていることをご存じですか。そのギャップを埋めるため、発音障害や食べこぼし、誤嚥性肺炎などの予防に努めています。口腔機能の検査には、舌圧検査、湿潤度検査、咬合力検査などがありますが、オーラルフレイルが疑われる方は保険内でできます。今は問題がないと思っていても、老化による衰えはいずれ出てきますし予備軍の可能性もありますので、65歳を過ぎたら検査を受けていただきたいですね。予防法や対処法はさまざまですが、一番簡単なのは舌を回すことです。歯茎と頬の間に舌の先を突っ込み、ほうれい線を伸ばす感じでしょうか(笑)。舌を鍛えることが体幹の強化を促すともいわれているんですよ。
地域住民が、健康で長生きできるようサポートしたい
診療する上で心がけていることは何ですか?
患者さんが何を望んでいるのか、時間的・経済的な要望を含めて、きちんと聞き出すことですね。その上で、10年後、20年後まで見据えた治療法をご提案をするようにしています。これはスタッフも同じ意識で、セラピストは施術中に患者さんの本音を上手に引き出してくれています。コンシェルジュという職種を設けているのも、患者さんと診療室内のスタッフとの潤滑油的な役割を務めてもらいたいと思うから。治療以外の面で信頼を得るのも、大事なことだと感じています。中には、おしゃべりにいらしたのかなという方もいますが(笑)、そうやって心を開いて話してくださることが信頼関係につながるので、大事な時間だと感じています。よくやってくれるスタッフばかりで、本当にありがたい。私の宝物です。
この地域に今後どう関わっていきたいですか?
今後は小さなお子さんの診療と、保護者の方にご理解いただくことにも、さらに力を入れたいです。仕上げ磨きをするにしても基礎知識がないと、きちんと磨けませんし、お子さんの歯や顎が正しく成長しているかどうかもわかりませんよね。お口の中だけではなく、先ほどお話しした噛み癖もそうですし、姿勢や食生活も大きく影響します。頬づえをつく癖があって、その形どおりに歯が引っ込んでしまったと考えられる子も何人も見てきました。永久歯が生えそろってから矯正すればいいと思うかもしれませんが、生え替わるときにきちんと矯正したほうが、理想の歯並びをめざしやすいと思いますし、何よりお子さんへの負担も経済的負担も少なくて済みます。
読者へのメッセージをお願いします。
当院には4世代にわたって通われる患者さんもいますので、ご家族の皆さんが健康なお口で長生きするお手伝いができるように取り組んでいきたいと思っています。託児サービスやキッズルームも用意しているので、小さなお子さんをお持ちの方も安心していらしてください。また現在口の中に問題を感じていなくても、40代以降の方は年1回は歯科検診を受けていただきたいです。私たちは単に歯の治療をするだけでなく、もう一歩進んで、自信を持てる自分になるための手段としての治療やケアをする歯科医院をめざしています。そのためにも、より多くの方に利用していただけるよう、常に受診のハードルを低くしているつもりなので、気軽にいらしていただけるとうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本45万円~55万円、唾液検査(虫歯菌)/2500円~、ホワイトニング/オフィスホワイトニング:7本以下の場合1本3300円、8本以上1本2200円、ホームホワイトニング:3万3000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。