手術のタイミングを逃さないために
硝子体手術は町のクリニックで
日暮里眼科クリニック 新小岩院
(葛飾区/新小岩駅)
最終更新日:2026/06/05
- 保険診療
硝子体手術は病院への入院が必須と思っている人も多いかもしれないが、実は町のクリニックでも受けられる手術だ。しかし、眼科手術の中でも難易度が高いのは事実。そのため「日暮里眼科クリニック 新小岩院」のように、院内で実施しているところは決して多くはない。理事長を務める冨永隆志先生は、硝子体手術を専門とする眼科医師を「眼の救急医」と呼ぶ。網膜剥離で緊急手術が必要になることもあるからだ。同院では大学病院で後進の育成にあたる熟練の医師と密に連携し、不測の事態にも備える。どのようにして高度な硝子体手術を日帰りで行っているのか、冨永先生に詳しく話を聞いた。
(取材日2026年5月14日)
目次
硝子体手術は先進機器を駆使して専門とする医師が行えば、町のクリニックで日帰り手術も可能
- Q硝子体手術とは何を行う手術なのでしょうか。
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A
▲新小岩駅から徒歩すぐのビルにあるクリニック
硝子体とは水晶体と網膜の間にある、ゼリー状の無色透明な組織です。眼球の丸い形を保ち、外からの衝撃から眼を守り、角膜や水晶体を通った光を網膜まで届ける役割を果たしています。硝子体が加齢や疾患で変質して網膜を引っ張ったり、出血でにごったりすることで、さまざまな病気が引き起こされます。硝子体の病変部分を除去するとともに網膜の治療を行うのが硝子体手術です。白眼に3~4ヵ所の小さな穴を開けて、照明、灌流液、硝子体カッターを挿入して行う非常に精緻な術式です。従来は病院への入院が必要でしたが、必要な設備が整ったクリニックで専門とする経験豊富な医師が執刀すれば、日帰りでの手術も可能となります。
- Q硝子体手術の対象となる疾患を教えてください。
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A
▲さまざまな検査機器で眼の状態を調べる
例えば、網膜の中央部にある視力をつかさどる部位である黄斑部の病気は、自然治癒することは極めてまれで、時期を見て硝子体手術が必要になります。黄斑部に膜が張る黄斑上膜や、穴が開く黄斑円孔などがありますが、比較的ゆっくりと進行するので、多くの場合は予定手術となるでしょう。一方、緊急での硝子体手術を求められるのが網膜剥離です。網膜剥離は網膜が剥がれることでものを見る細胞が次々と死んでいく疾患です。網膜剥離が黄斑部に及ぶと著しく視力が低下してしまうので、その前に処置できるかどうかが鍵になります。そのほか、硝子体出血、糖尿病網膜症なども硝子体手術の適応となります。
- Qどのような症状があったら受診すべきですか?
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A
▲自分で眼の状態をモニターで確認しながら診察が受けられる
飛蚊症が急激に増えた、みるみる視野が欠けてきた、といった時は網膜剥離が進行している可能性があります。一刻も早く眼科を受診するようにしてください。そのほか、視界の中に閃光が見える光視症が出る例もありますが、無症状という場合もあります。網膜剥離にもさまざまなタイプがありますが、最も多いのが硝子体が加齢によって収縮して網膜を引っ張ることで起きる裂孔原性網膜剥離です。一方、黄斑上膜や黄斑円孔は視力低下やものがゆがんで見える変視症などが見られます。いずれも加齢による硝子体の変化が主な原因ですが、強度近視や外傷によって引き起こされることもあります。
- Q硝子体手術は眼科手術の中でも難易度が高いそうですね。
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A
▲講義をするように、図や模型を用いながら丁寧に説明
硝子体手術は日本眼科学会の公式サイトでも「ガムをティッシュペーパーから剥がすようなイメージの、とても繊細で難しい手術」との記述があります。局所麻酔一つとっても、視神経を傷つけないように眼球の奥に麻酔を浸潤させるテクニックが必要です。そのため、白内障手術と比較して硝子体手術ができるクリニックは限られていて、多くの場合は専門施設を紹介される流れになるでしょう。しかし、当院では大学病院で硝子体手術の指導にあたる医師が執刀する日を設け、院内で実施しています。病院用に開発された手術用顕微鏡、硝子体手術と白内障手術を同時にできる先進機器なども備え、安心して日帰り手術を受けていただけるよう環境を整えました。
- Q手術後に注意すべき点をお聞かせください。
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A
▲術後も気になる症状があれば直ちに受診を
手術当日はできるだけ安静にすることが望ましいです。ガスを注入した場合は、できるだけうつむいた姿勢で過ごしてください。術後1〜2週間は眼に汗や水が入らないように注意が必要で、顔は洗わずに拭く程度にしましょう。1週間が経過する頃には、洗顔、洗髪、汗をかく運動もできるようになります。手術後に網膜剥離、角膜上皮障害、緑内障、黄斑浮腫などの術後合併症を引き起こす可能性もゼロではありません。中でも注意したいのが感染症眼内炎です。細菌性の炎症は失明につながる恐れもあるので、処方された点眼薬を自己判断で中止するのは控えましょう。そのほか気になる症状があれば、直ちに眼科を受診してください。

