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櫻井 謙 院長の独自取材記事

そらいろこどもクリニックありあけ

(江東区/有明テニスの森駅)

最終更新日:2026/07/15

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ main

有明テニスの森駅から徒歩8分の「そらいろこどもクリニックありあけ」。大型駐車場完備のショッピングモールにあり、自家用車で子どもと訪れるのにも便利だ。院長の櫻井謙先生は東京慈恵会医科大学附属病院で約25年、小児の先天性疾患への高度医療や救急医療に携わってきた。難病を抱えている子どもも含め、誰もが気軽に受診できるクリニックをつくれたらと有明で開業した。急速に人口が増加し伸びゆく町で、子ども一人ひとりの健康だけではなく、家族の幸せも守りたいと考えている。絵本の世界から飛び出してきたような夢のある空間で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2026年6月29日)

テーマパークのように明るい空間

まず、医師を志したきっかけやご経歴をお聞かせください。

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ1

父が医師だったため、逆に違う仕事に就きたいと考えていました。しかし、かわいがってくれた祖父を高校時代に亡くし、身近な人に何もできず、「何かしてあげたい」と思い、医師をめざすようになりました。小児科を選んだのは、学生時代の実習で子どもの笑顔を目にして、将来のある子どもたちの笑顔を守りたい、と大きなやりがいを感じたからです。慈恵医大の病院では、先天代謝異常症・低身長症・甲状腺疾患等を専門として、多臓器合併症を認める患児もおり、さまざまな診療科とのハブ役として治療をマネジメントすることも多かったです。途中、ロサンゼルス小児病院とUCLAに3年間留学して、先天代謝異常症の遺伝子治療研究に従事しました。

開業の経緯や、現在の患者層を教えていただけますか。

開業を後押ししたのは、新型コロナウイルス感染症の流行期に大学に依頼のあった2つの新たな業務でした。1つは小笠原村から、それまで担当していた他大学の小児科が撤退したため、村から診療の打診を受けたことです。私は父島と母島の両方を担当しましたが、母島には1人の若い医師しかおらず、村人に溶け込みながら地域に尽くす姿に大きな感銘を受けました。もう一つは、江東区の保健所で発達相談と経過観察にお声かけいただき、携わることになったのですが、江東区の保健師さんたちはとても熱心で、何人かの患者さんを大学と保健所で見守る体制ができ、「こういう方たちと地域医療に取り組めたら」と思い、有明で開業した次第です。現在のところ、発熱、長引く咳や鼻水、湿疹などの症状の方が多いほか、ホームページをご覧になって、思春期早発症、低身症、糖原病、発達相談、神経疾患などの相談も増えています。

クリニック名の由来や、院内づくりのこだわりも知りたいです。

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ2

「そらいろ」に込めたのは、よく晴れた空をキャンバスに、自分の好きな色で自由に筆を走らせるように、子どもたちに伸び伸び育ってほしいという想いです。“空から生まれた”妖精「そらくもくん」もオリジナルキャラクターとしてつくりました。診察室の壁などいろいろな場所にいるので、ぜひ探してみてください。子どもが怖がらないように、また行きたいと思ってもらえるように、テーマパークのような雰囲気を意識しています。横型の双子用ベビーカーや子ども用車いすでも移動しやすいように、入り口から広々とした造りにするなど配慮しています。参考にしたのは留学中に見学した、ロサンゼルス小児病院やUCLAの小児病棟です。

親子が安心して楽しく通えるように独自の工夫を凝らす

さまざまなクリニック独自の取り組みがあると聞きました。

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ3

安心して受診できるように、平日に健康診断と予防接種専用の「クリーンタイム」を1時間設けました。感染症状がないお子さんのための「クリーンルーム」も設置しています。また、クリーンタイムのうち、月1回第4金曜日に「セラピードッグ」が来ています。「わんちゃんに会えるから頑張る」というポジティブな動機づけになればと思っています。クリーンタイムでは、ママやパパのために待合室でデカフェコーヒーやお茶を提供し、情報交換しやすい雰囲気をつくっています。スタッフたちが保護者の方やお子さんと談笑しているのは、当院ではよくある風景です。保育士、心理士、幼児教室講師、陶芸家など個性豊かなスタッフたちがそろっていて、全員が人に寄り添える優しさを持っていて、いつも助けられています。

育児コンシェルジュがいたり、メッセージでのやりとりをしたりしていると伺いました。

小児医療スペシャリストの看護師を育児コンシェルジュとして配置して、子育ての悩みなどを相談できるようにしています。予防接種のスケジュールを組んで管理するのはもちろん、湿疹やおむつかぶれなどのお肌の悩み、授乳や離乳食に関する困り事の相談にも対応しています。その他、デジタル診察券アプリを使って、受診日翌日に私から「具合はどうですか」「熱は下がりましたか」などメッセージを送っています。お母さま方からの返信も受けつけており、必要があれば再受診できるようにしています。

そのような数々の工夫をされるようになったことに、理由はあるのでしょうか?

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ4

核家族化が進み、相談相手がいないまま手探りで子育てをしている人も少なくない時代です。AIに何でも聞けて相談もできるようになりましたが、情報過多や誤った情報からかえって不安になる方もいます。だからこそ、どんな小さなことでも気軽に相談できる場所をつくりたいと考え、いろいろと工夫をしました。子育ては大変なこともありますが、自分自身を振り返ってみてもあっという間でした。親御さんには親密に過ごせる限られた時間を、できるだけストレスを抱えずじっくりと楽しんでいただきたいです。クリニックは大人にとって心地良い空間であることも大切ですが、子どもに「病院は怖い場所じゃないよ」と伝えることも重要です。病院嫌いにさせず、大人も子どもも気軽に受診できて、子どもの頃から健康を意識することで、より健康な大人になれる土台作りができたらと思っています。

誰もが気軽に足を運べるクリニックをめざして

今後の展望についてお聞かせください。

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ5

小児科学では成長に重要なのは「食事、運動、睡眠」といわれていますが、当院では「食事、運動、睡眠、笑顔」と定義しています。習い事や受験勉強に忙しくしているお子さんも多いですが、何よりも大事なのは、よく食べて、よく寝て、体を動かし、心が満たされていることです。親を喜ばせたいと必死に勉強やスポーツに打ち込んで、結果を出さなくてはと追い込まれている子もいます。でも、大切なのは「一番になれなくても、食べて寝て遊んで、笑顔でいてくれたら、それだけでパパもママも幸せ」と子どもに伝えることだと思っています。そのために、有明エリアで「食事、運動、睡眠、笑顔」をテーマにしたイベントなどができないか構想中で、すでに近隣の運動に強い幼稚園や食育に力を入れている保育園と“子育てフォーラム”を企画しています。

お忙しい毎日でしょうが、休日はどうお過ごしですか?

愛犬のお散歩が休日のルーティンの一つです。愛犬は、10歳の男の子、名前はガッちゃんで、あるアニメの緑色の髪の毛で背中に羽根が生えていて空を飛べるキャラクターから取りました。とても穏やかで人が大好きな性格なので、月に1度来てくれるのもガッちゃんなんです。「ガッちゃんをなでたい」と受診ではないのに、立ち寄ってくれる子もいます。あとは、時々テニスをしています。大学時代もサッカー部でしたし、ボールを追いかけることが好きなのは、前世が犬だったのかなと思ったりもします。これからも健康を意識して、「頼れる町のお医者さん」として誰もが気軽に足を運びやすい場所をつくれたらと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

櫻井謙院長 そらいろこどもクリニックありあけ6

土日も診療していますので、少しでも気になることがあればいつでもいらしてください。生まれたばかりの赤ちゃんがいるご家庭は、まずは生後2ヵ月までのお子さんを対象にした個別相談「そらいろあかちゃん相談室」をご利用ください。発育について「医療機関に行くほどではないが心配」といった場合も、乳幼児の発達相談から学童期・思春期の成長の評価まで長期的な視点で丁寧にサポートしています。スポーツが盛んな地域なので、ジュニアアスリートのための外来も設けています。パフォーマンスを発揮するだけではなく、生涯にわたってスポーツを好きでいられるベースをつくれたらと考えています。子どもの頃から健康リテラシーを高めてもらい、親子ともに頑張りすぎず家族みんなが幸せであるように、全力でサポートしていきたいです。