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悩んでいたら、早めに専門医の診断を
肛門の病気

ニコタマ大腸・肛門クリニック

(世田谷区/用賀駅)

最終更新日:2021/10/12

ニコタマ大腸・肛門クリニック 悩んでいたら、早めに専門医の診断を 肛門の病気 ニコタマ大腸・肛門クリニック 悩んでいたら、早めに専門医の診断を 肛門の病気

人にも相談しづらい「お尻の病気」。肛門の病気でまず思い浮かべるのはやはり「痔」だろう。老若男女問わず、多くの人々がこの病気に悩まされているが、肛門を診てくれる専門医院は少なく、たとえあっても心理的な問題なのか、どうしても敷居が高い。そんななか多くの人が足を運んでいるのが、昨年開院したばかりの「ニコタマ大腸・肛門クリニック」だ。行きにくい場所、気が進まない診療・治療だからこそ、洗練された明るい院内にし、スタッフの対応に配慮しているという。日々悩める患者の治療を手がける大腸肛門病学会専門医・黒田敏彦院長に、肛門の病気や痔について、病気の種類や治療法、予防法などを伺った。

(取材日2012年4月10日)

人に言えない肛門の病気。悩んでいたら早めに専門医に診てもらいましょう

Q肛門の病気にはどのようなものがあるのでしょう?
A
ニコタマ大腸・肛門クリニック それぞれの痔の特徴をわかりやすく説明してくれる黒田院長

▲それぞれの痔の特徴をわかりやすく説明してくれる黒田院長

肛門の病気をひとくくりに「痔」といってこられる方が多いのですが、痔にもいくつかの種類があります。もちろん痔のほかにも病気はあって、意外と多いのが肛門の周りの皮膚炎。お尻の穴の周りに湿疹ができ、かゆみや痛みを起こします。これは当人にとっては深刻な問題で数年来悩んでおられる方も少なくありません。何科を受診すればいいかわからない方も多いようですが、肛門科や皮膚科に行けばお薬を出してくれ症状もすぐに改善します。心当たりのある方は早めに受診されるとよいでしょう。

Q痔にもいくつか種類があるということですが。
A
ニコタマ大腸・肛門クリニック 診療では、パンフレットを使って痔にならないための生活指導も

▲診療では、パンフレットを使って痔にならないための生活指導も

痔は、3大疾患といって大きく「痔核(じかく)」、「裂肛(れっこう)」、「痔ろう」の3つに分けられます。痔核は俗にいうイボ痔で、静脈の血流がうっ血し瘤状になった内痔核と、肛門の外側にできた血マメによる血栓性外痔核の2種類があります。裂肛は切れ痔で、これは一般的に痛みと出血を伴いますが、痛くない場合もあります。3つ目の痔ろうは肛門の周りに膿みがたまる病気。大腸の粘膜と肛門の皮膚の境目にある「肛門小窩(こうもんしょうか)」と呼ばれるくぼみから細菌が入って化膿し、その膿みがどんどん肛門の外側に入り込んでトンネルを作って行き、悪化すると肛門付近の皮膚に別の穴を開けて表に出てきてしまいます。

Qそもそも、どうして痔になるんでしょう?
A
ニコタマ大腸・肛門クリニック 痔の診断は専門医院で。「痔」と言われたのが実は別の病気ということも

▲痔の診断は専門医院で。「痔」と言われたのが実は別の病気ということも

例えば、内痔核は簡単に言うと血管のこぶ(静脈瘤)。親子間の遺伝も見受けられるので、血管の壁が伸びやすいといった体質的な素因が多分にあるようです。あとはやはり排便時のいきみ過ぎ。肛門の外側に血マメができる血栓性外痔核の場合は、単純に機械的な刺激で血管が切れて起こります。排便後にみるみる腫れてきたと言って来院される方が多く、排便時のいきみ過ぎが原因になる他、下痢もきっかけに。ばーっと勢いよく便が出るのも肛門には大きなストレスなんです。他にも、過度な飲酒や夜更かし、精神的ストレスのかかる仕事なども血マメの原因になります。おそらく、ストレスや緊張で、肛門に過度に力が入るためでしょう。切れ痔についても同様で、便秘した時の排便時の無理な広がりや下痢が原因。切れ痔は授乳中のお母さんにもよく見られますが、これは授乳で水分を取られ便が硬くなるからなんです。

Qそれぞれの痔の治療法について教えてください。
A
ニコタマ大腸・肛門クリニック いくつもの除菌・滅菌システムを完備。衛生面への配慮が行き届く

▲いくつもの除菌・滅菌システムを完備。衛生面への配慮が行き届く

内痔核の多くは薬だけで症状を取ることができます。手術が必要になるケースはごく一部で、指で押し込んでもまた出てくるなど、脱出がひどくなった方が主です。病院によっては切らずに様子を見られることもあるようで、我慢できずに手術を希望して当院に来る方もいます。当院では、内痔核には、切除手術、ゴム結紮(けっさつ)術を行い、ご希望があればジオン注射療法も対応します。血栓性外痔核は、そのほとんどが薬でよくなります。腫れてから数日間お尻がチクチク、ズキズキ痛みますが次第に引いて血マメが吸収され小さくなります。痛みにあわせ鎮痛剤を処方することも。痛みがとても強いときは血マメを取り除くこともありますが、たいていの場合、切除後の傷の方が痛いので、わざわざ切ることはお勧めしていません。切れ痔の場合、手術を要することは稀で、きちんとお薬を使えばほとんどのものは良くなりますが、いったんこじれると、ひどいものでは小指も通らなくなるような狭窄になることも。そうなると狭窄を切り開く手術や、肛門を指や器具で押し広げる治療が必要になります。一方、痔ろうは、繰り返し膿んだり、ごく稀に癌化することもあるので、痔ろうのトンネルを切除、もしくは切開する根治手術を受けることをお勧めしています。

Qクリニックの日帰り手術について教えてください。
A
ニコタマ大腸・肛門クリニック 手術に使う器具や材料は可能な限りディスポーザプル製品を採用

▲手術に使う器具や材料は可能な限りディスポーザプル製品を採用

手術は可能な限り「日帰り」にしていますが、その意味は「自宅に帰っても我慢できるくらいの痛み」ということで、決して無痛の手術ではありません。無痛で行えるのは内痔核をゴムでしばる手術(ゴム結紮術)のみで、それ以外は注射療法も含めて何らかの痛みがあります。切除を行う場合に「日帰り」にするのには条件があって、痔核や痔ろうが2ヵ所までの場合のみ。3ヵ所以上の切除では痛みが強く出る可能性もあるので、当院で手術をした後、提携している奥沢病院までタクシーで行って2〜3泊の入院となります。

ドクターからのメッセージ

黒田敏彦院長

なぜ痔にかかるのか。体質的な要因で内痔核になる方もいますが、やはり外来で診察していてとても多いのが、お尻をないがしろにした生活が原因になっている場合。大事なのは生活習慣。朝、時間に余裕がなくてばたばたして、遅刻しそうだからと便意があっても無視しちゃう、我慢しちゃう、なんてことありませんか? 会社に着いたときにはもう便意は消え、翌日もその翌日も出てくれなくて、数日後にカチカチに硬くなってしまった便を泣きながら出すことになるんです。さらによくないのは、便意もないのに、出かけるまでに用を足そうと、長時間粘り続けること。これはお尻をいじめてるのと同じです。便意があるのに我慢するのもダメだし、便意がないのに無理に出そうとするのもダメ。排便はタイミングを逃すと出なくなります。だから自然なリズムにきちんと合わせられるように、時間にも心にも余裕を持った生活をしましょう。朝は早起きし、ちょっと体を動かしたり、水分や朝食を摂ったりするのも効果的です。それで便意がきたら、すぐさまトイレへ。そんな朝の過ごし方ひとつで、お尻の調子は変わってくると思います。繊維質を意識した食事を心がけるのも忘れないでくださいね。

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