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黒田 敏彦 院長の独自取材記事

ニコタマ大腸・肛門クリニック

(世田谷区/二子玉川駅)

最終更新日:2020/04/01

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二子玉川駅にほど近いビルの2階にある「ニコタマ大腸・肛門クリニック」。院内には鮮やかなライトグリーンと温かな木目を基調とした空間が広がる。「残念ながら肛門科は、好んで行きたいと思う場所ではないでしょうから、できるだけ気軽に足を運んでいただけるよう心がけました」と話すのは、優しい語り口が印象的な黒田敏彦院長。日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を併せ持ち、東京大学医学部附属病院などで多くの治療経験を積んだ大腸と肛門治療のスペシャリストだ。その知識と技術を頼りに、他府県はもちろん海外から足を運ぶ患者もいるという。そんな黒田院長に日々の診療で感じる思いや専門の治療について話を聞いた。
(取材日2015年9月1日)

肛門疾患の日帰り手術と大腸内視鏡検査が二本柱

先生の机と患者さん用の椅子の間にベッドがあるんですね。特徴的で驚きました。

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このベッドは診察に使うだけでなく、説明用の机としても使っています。一口に痔と言ってもいろいろあって、お話を聞くだけでは診断がつきません。ですから、診察室に入ったらまずおしりを見せていただくんです。診察が終わったらベッドをはさんで座り、今度は机として使ってご説明します。痔の患者さんは、切らなくてはいけないひどい痔だと思い詰めて来られる事も多いのですが、その多くは切る必要はありません。まずおしりを確認して、「これは薬でいいんですよ」とお伝えすると、とても安心して帰られます。皆さんなかなか足が踏み出せないと思いますが、まずは一度診せていただくのが大事ですね。

力を入れている治療法について教えてください。

痔の日帰り手術と大腸内視鏡検査が二本柱です。例えば痔核(イボ痔)の場合、ゴム結紮(けっさつ)療法、ALTA療法、切除手術の中から一番負担が少なく、症状に合ったものをお勧めします。ゴム結紮療法は、痔核を小さなゴムでしばる方法で、痛みが少なく、麻酔なしに受診したその場で行えます。ALTA療法では、痔核に薬液を注射してつぶしますが、術後の痛みもほぼありません。そして最後が痔核を切り取る切除手術です。切除が1ヵ所なら日帰りですが、2ヵ所以上なら当院で手術をした後に、提携病院にタクシーで移動し2泊入院となります。どの治療法が良いかを患者さんによく説明し、一緒に解決方法を考えるのが鉄則です。肛門に穴があく痔ろうの場合、根治には手術が必要ですが、症状がなければ経過観察も可能です。他では入院して手術と言われる場合でも、当院では1ヵ所だけの痔ろう手術なら日帰りです。ただし術後5〜7日のお休みは必要です。

日々の診療でモットーとされていることはありますか?

患者さんの希望に添うということに尽きます。私の持論は、「痔は切りたくなった時が切り時」。根治には手術が必要な場合でも、ご本人が受けたくなければ、できる限り薬で治療します。それと、私自身が痛いことが嫌いなので、なるべく痛くない方法を選びます。例えば肛門に血マメができる血栓性外痔核では、自然に血マメが吸収されて治るので、当院ではよほど痛みが強くない限り切除は勧めませんし、ご本人の要望がなければ切りません。実は、痔の治療方針は肛門科によって結構違うんですよ。他院で何も聞かれずにいきなり切られたと患者さんから聞く事もあります。肛門科はかかってみないとどんな痛い事をされるかわからないと言うのも事実で、そのために肛門科から足が遠のいてしまうのだと思います。

イボ痔の治療についてもう少し聞かせて下さい。

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先ほどお話した痔核のゴム結紮療法はどこの肛門科でもできるわけではありません。10年以上つづく脱肛や、大きい病院で入院手術が必要と言われたイボ痔の方が、当院に来ると受診したその日にその場で麻酔もせずにゴムでしばって治ってしまい本当に感謝される事もよくあります。ただ、残念ながらすべての痔核がこれで治療できるわけではなく、肛門の外まで痔核の膨らみが大きく伸びている場合には切除をお勧めします。また、当院ではALTA療法をお勧めするのは比較的限られていて、肛門の中に大きい内痔核が3ヵ所以上あり、ゴム結紮療法ではしばりきれないような場合にお勧めしています。

多くの経験と高い専門性を身につけ、満を持して開業へ

大腸内視鏡検査も経験と専門性が必要とされますね。

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そうなんです。幸い私はこれまで多くの施設で経験を積む事ができました。当院では検査の前にまず患者さんにお聞きして、どの程度の鎮静剤の使用を希望されるかを確認しています。検査をどのように受けたいかは人さまざまで、自分の眼でじかに腸の様子を見たいという方もいれば、寝ている間に受けたいという方もおられますからね。鎮静剤を使わない場合はもちろん、軽めの鎮静をした場合でも検査中に意識があることがほとんどなので、画面を見ながら、さながらツアーガイドのように大腸の説明をしながら検査を進めます。当院では、腸を伸ばさずに内視鏡を挿入する「軸保持短縮法」を使い、挿入時の痛みや不快感を最小限にしているのでこのような検査が可能なんです。

大腸・肛門科を専門にしようと思われたのはなぜ?

東京大学医学部附属病院第一外科に入局して最初に研修先となった、東京厚生年金病院の外科部長の先生が大腸と肛門の治療に力を入れている方で、その先生のもとで、研修医になってすぐに日本大腸肛門病学会にも入会し、この分野のエキスパートをめざすようになりました。もちろん、大学病院に戻ってからも大腸の専門グループに入り研修を積みました。最後に大腸肛門の実地診療の仕上げをしてくれたのが、開業前まで勤務した所沢肛門病院です。大腸と肛門の病気しか診ない専門病院で、まさに大腸内視鏡と肛門診療にどっぷり浸かり、自信となった2年間でした。

恵まれた環境が大腸・肛門科専門医としての意欲を高めていったのですね。

でも実は、私と大腸との本当の出会いは、高校生の時にあったんですよ! ある日書店で、人間の便の色や硬さを表にして、こんな便ならこんな病気かも、と解説している本を偶然見つけたんです(笑)。便でここまで診断できるんだって感動しました。それで、おしりから血が出たら相談できる医者になろうと思ったわけです。

医師を志すようになったきっかけは?

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父が地元・神戸で皮膚科の開業医をしていて、その影響が大きかったです。当時はまだ皮膚科の数が少なく、父の診療所はいつも患者さんでいっぱいでした。そんな様子を見て、「父の仕事はたくさんの人から頼りにされ、役に立っているのだな」と心から感じ、自分もいつかはそうなりたいと思っていました。

目標は、大腸肛門の診療で頼られる存在になること

こちらのクリニックには、数多くの患者さんが訪れているとか

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私は日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医でもあるのですが、「専門医の先生に診てほしくて来た」という患者さんもいらっしゃるので、安心感につながっていると感じます。実際、開業から5年で15,000人を超える新規患者さんが来院され、2013年以降は毎年1,000件を超える大腸内視鏡検査を行っています。それだけ頼っていただけていることを、とてもうれしく思っています。

診療する上で心がけていることは?

まずできるだけわかりやすい言葉でお話しし、「自分や自分の家族だったら、こうしてほしい」という医療を実現すること。二つ目は衛生管理ですね。以前8年間研究に従事したハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院に習い、当院でも可能な限り使い捨て器具を使用し、滅菌消毒を徹底しています。三つ目は、患者さんにとって最短で次の治療に進めることです。例えば痔核もゴム結紮で治せるものならその場で処置しますし、診察で大腸がんの疑いが強ければ、なるべく翌日までに検査をして診断をつけます。それぞれの患者さんに最速、最低限の負担で治る方法を考えるのが私の生き甲斐です。

最後に、今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

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痔だと思っていたら直腸がんだったということも少なくありません。トイレで「あっ!」と思うような出血や痛みがあったら、ぜひ一度受診してください。当院がめざすのは、大腸肛門の分野で多くの方々に頼られる存在になること。「おしりや腸で困ったら、ニコタマ大腸・肛門クリニックへ行こう」と思っていただけるよう、日々真摯に患者さんと向き合い、医療に貢献していきたいです。

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