ポリープや悪性腫瘍を早期発見・早期治療
大腸内視鏡検査
ニコタマ大腸・肛門クリニック
(世田谷区/二子玉川駅)
最終更新日:2018/08/16


近年、増加の一途にある大腸がん。原因にはさまざまな要素が絡み合っているが、その最たるものが食事の欧米化だとされ、今後も罹患者は増え続けると予想されている。しかし、その一方で大腸がんの罹患率が非常に高かったアメリカでは大腸がんの死亡率が減少の傾向にあるという。「大腸がん検診の普及に伴い、早期発見、早期治療がなされている結果でしょう」と話すのは、「ニコタマ大腸・肛門クリニック」の院長であり、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医である黒田敏彦先生。これまで大腸内視鏡で多くの検査実績を積んできた黒田先生に、大腸内視鏡検査について解説してもらいながら、検診の様子をリポートする。(取材日2012年4月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査でわかるのはどのような病気ですか?
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A
ひとつは良性・悪性の腫瘍性の病気です。一般的なものだと大腸ポリープ、大腸がんがあげられます。あとは炎症性の疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病など。ポリープが見つかった場合は、よほど大きなものでない限り検査中に切除することが可能です。
- Q内視鏡検査やポリープの切除で感染症がうつるのではないかと心配なのですが?
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A
非常に重要なポイントです。当院では全ての内視鏡検査において、高レベルの消毒薬を用い、内視鏡洗浄機をフルサイクルでかけて最大限の滅菌消毒を行い、内視鏡による感染症を予防しています。また、ポリープ切除に用いる器具は可能な限りディスポーサブルのものを用いて、患者さん一人一人に新品を使っています。詳しくはホームページで解説しておりますので、是非ご覧ください。
- Q検査に痛みを感じることはありますか? 麻酔はかけるのでしょうか?
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A
当院では約半数の方が麻酔なしで検査を受けています。麻酔なしでも、なるべく痛みを感じさせないよう配慮しています。ただ、痛みの感覚は人によって違いますから、不安を感じる方には鎮静剤の投与をお勧めしています。鎮静剤の使用に心理的な抵抗感のある方も多いのですが、当院の鎮静は完全に眠るわけではなく、少しお酒を飲んだくらいの感じでお話しもでき検査の様子も見ていただけます。鎮静剤を投与すると、腹部の圧迫感はありますが痛みはほとんど感じません。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・触診検査を済ませ、下剤を服用
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前日は夜8時までに食事を済ませ、検査に臨む。最初に問診と内視鏡で見ることのできない肛門付近の触診検査を済ませ、その後、腸内を洗浄するため下剤を服用。2リットルの量を1時間半ほどの時間をかけて飲んでいく。下剤は「スポーツドリンクを水で薄めたような味」だそうだ。
- 2ラウンジでくつろぎながら、ゆっくり腸内をお掃除
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1階のラウンジで下剤を飲みつつ、テレビを見たり、雑誌を読んだりして時間を過ごす。下剤服用中も、ラウンジに用意されているお茶や紅茶や飴の飲食も可能だそう。下剤を飲み進むうちに便意を催すが、下痢のときのような腹痛はなく、便が出ていくそう。だいたい7〜8回の排便で腸内は空になるそう。
- 3鎮静剤注射後、いよいよ内視鏡検査スタート
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鎮静剤注射後まもなく内視鏡を挿入。カメラは10分ほどで管の先端が大腸の先端、小腸の境目の部分に到達。あとはカメラを引き抜きながら、じっくりと大腸内の各部を診察していく。壁面のモニターに映し出されたが画像をみながら「ここが盲腸……ここがS状結腸です」と黒田先生がそのつど解説してくれる。
- 4リカバリールームで休憩
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検査が終わった後は、リカバリールームへ。1時間ほどゆっくりと体を休める。鎮静剤を使用していない場合は、検査後すぐに帰ることもできるという。
- 5結果報告
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最後は、診察室での結果報告。検査時の画像をもう一度写真で振り返りながら、黒田先生が各部位の名称やその様子を説明してくれる。ポリープの切除がない場合は、検査後の飲食も問題なく、生活上の注意も特にないそうだ。