細部にわたるこまやかな配慮で
大腸内視鏡検査への不安を軽減
横浜センター北ほしクリニック 内視鏡内科・肛門外科
(横浜市都筑区/センター北駅)
最終更新日:2024/07/12


- 保険診療
大腸がんは臓器別に見ると、男性、女性ともに2番目に多い。大腸内視鏡検査が早期発見、早期治療につながると知りつつも、その検査の前処置に拒否反応を示す人は少なくない。「当院では、標準的な処置が難しい場合は、代替法によって検査を行うことも可能です」と話すのは、「横浜センター北ほしクリニック 内視鏡内科・肛門外科」の星加奈子院長。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医であり、これまでの大腸内視鏡検査の実績数も豊富。女性の感性を生かしたこまやかな心配りが、女性患者に安心感を与える。同院では、検査のハードルを下げる工夫が随所に施されている。受診控えを解消し、大腸がんで亡くなる人を1人でも減らしたいと語る星院長。大腸内視鏡検査を行う上でのこだわりなどを詳細にレポートした。
(取材日2024年6月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査を受診するタイミングを教えてください。
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A
40歳を過ぎたら、一度は受診していただきたい検査の一つです。検診などで便潜血反応陽性と診断されたときは、必ず受診してください。大腸のポリープ状のものが大きくなったのが、大腸がん。大腸内視鏡検査によって前がん病変様のポリープを発見し、がん化手前でそれを切除できれば大腸がんの予防につながります。この検査は、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎という腸の炎症性疾患の発見に有用です。また消化管壁の外側に突出した、袋状の形をした「憩室」の発見にも役立ちます。憩室は炎症が生じることによって大腸憩室炎を発症したり、大量出血につながったりすることもあるので注意が必要です。
- Q検査前の下剤服用にはつらいイメージがあります。
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A
検査前には腸内を空の状態にする必要があるため、患者さんには前処置へのご理解をお願いしています。前日の夕食は通常どおりで結構です。就寝前に軽い下剤を服用いただき、当日朝から自宅あるいはクリニック内で洗浄液を飲用。基本的に2リットルの洗浄液をお水と交互に飲用する方法なので、大量の水分摂取を苦手とする方には苦痛に感じるかもしれません。当院では、患者さんにご負担の少ない安全な検査を心がけています。どうしても洗浄液を飲用できないという場合は、他の方法などを併用することも可能です。当院では患者さんに無理を強いることはありませんので、ご安心いただければ幸いです。
- Q貴院の検査の特徴を教えてください。
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A
当院では、先進の内視鏡検査装置を導入しております。高解像度な内視鏡と特殊光を用いることで、微細な病変にも気がつきやすくなっています。また受診のハードルを下げるために、さまざまな工夫を行っています。当院では大腸内視鏡検査で通常使用するファイバーと比べて、いくらか細く、しなやかなものを採用。さらに炭酸ガス送気装置によって、患者さんの腸管内に炭酸ガスを供給しているので、検査に伴う不快感・膨満感等の軽減を図っています。また患者さんの性別、年齢、体格、既往歴などに応じて鎮痛剤、鎮静剤を投与量を調整しながら使用します。私が女性であるため、女性の患者さんが多いのも当院の傾向の一つです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と事前説明
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問診で確認することは、主に検査受診を検討した経緯、排便状態、洗浄液飲用に関する抵抗感など。同院では患者が検査前処置に抵抗を示した際は、ほかの形を提示しているという。無理を強要することなく、検査に対するハードルを下げるよう丁寧に説明がされる。
- 2下剤服用など検査前の準備
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既往歴、年齢、飲用量、飲用方法、味の趣向などを確認した上で、3種類の洗浄液の中から一つを選択。患者は、検査数日前から消化のよい食事を意識し、十分に咀嚼しながら飲食するよう心がける。服用は、自宅、院内の双方で可能。リラックスした状態で準備できる環境が望ましいという。検査当日の朝8時頃から、洗浄液の飲用を開始。服用時間は、2時間ほど。
- 3大腸内視鏡検査
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血圧測定から始まり、排便状況をヒアリングされる。着替え終了後、院内トイレで排便をチェックする。検査可能と判断された後、検査室へ移動し再度血圧を測定。脈拍、酸素飽和度の測定も行われる。最初の血圧測定から検査終了までの所要時間は、15分から30分程度だという。
- 4リカバリールームで休憩
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検査終了後、ストレッチャーでリカバリールームへ移動。鎮静剤が覚めるまで、横たわった状態のまま1時間ほど待機。1時間を待たずに目覚めた場合は、枕元のナースコールを用いて看護師に声掛けを行う。同院では、鎮静剤使用後に生じる危険な事象への配慮から看護師が、着替えスペースまで必ず付き添うという。
- 5検査結果の説明
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撮影した写真を見て、検査結果を説明される。説明前に診断根拠となる画像と所見を記載した文書が患者に渡される。ポリープが見つかり、検査中に切除した場合はその旨も説明される。検査結果に異常がなければ、次の検査時期を伝える。疑わしい所見が見つかった場合は数ヵ月後、同院での再検査、あるいは高度医療機関での精密検査を勧められる。