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4人に1人が肝臓病予備軍
「沈黙の臓器」を守るために早期受診を

池尻大橋せらクリニック

(目黒区/池尻大橋駅)

最終更新日:2025/08/25

池尻大橋せらクリニック 4人に1人が肝臓病予備軍 「沈黙の臓器」を守るために早期受診を 池尻大橋せらクリニック 4人に1人が肝臓病予備軍 「沈黙の臓器」を守るために早期受診を
  • 保険診療

自覚症状を感じさせず、忙しい働き世代に忍び寄る脂肪肝。2023年からは代謝異常を伴う脂肪性肝疾患が「MASLD」と定義されるようになり、肝臓の症状や病気が世界的に注目されている。この現状を問題視し、主に働き世代の脂肪肝の改善に取り組んでいるのが「池尻大橋せらクリニック」の世良泰院長だ。脂肪肝は放置し続けると炎症を起こし、細胞が線維化して硬くなり、肝硬変や肝がんを引き起こすこともある。「そうなる前にまず検査を」と呼びかける世良院長に、肝臓の病気について、また生活習慣病との関連性についても教えてもらった。

(取材日2025年8月6日)

働き世代にも多い、代謝異常を伴う脂肪性肝疾患。脂肪肝の改善が、肝硬変や肝がんのリスクの軽減につながる

Q先生が「肝臓」に注目しているのはなぜでしょうか?
A
池尻大橋せらクリニック 生活習慣病と関わりの深い「肝臓病」に注目

▲生活習慣病と関わりの深い「肝臓病」に注目

近年では、肝臓の症状や病気が世界的に注目されています。2023年からは代謝異常を伴う脂肪性肝疾患を「MASLD」、その中で肝炎を伴うものが「MASH」と定義されるようになりました。国内では成人の2~3割、50歳以上では約4割が、糖尿病・肥満・脂質異常症などの生活習慣病の延長線上にある肝臓の病気「MASLD」に該当するといわれています。これだけ有病率が高いにもかかわらず、自覚症状を感じにくいのが脂肪肝の怖いところ。飲酒量の多い方や肥満体質の方だけでなく、少しでも心当たりがあれば早めに治療につなげることが大切です。このような現状を踏まえ、当院では肝臓内科外来を設けることにしました。

Q脂肪肝を放っておくとどうなるのでしょうか?
A
池尻大橋せらクリニック 脂肪肝の状態で、治療をスタートすることが重要

▲脂肪肝の状態で、治療をスタートすることが重要

脂肪肝とは、一つ一つの肝細胞に脂肪がたまっている状態で、この段階ならば食事や運動習慣の見直しで元の状態に戻すことも十分期待できます。ですが、この状態が続くと肝臓が炎症を起こし、さらには細胞が線維化して硬くなり、肝硬変や肝がんを引き起こすことも。薬・食べ物・アルコールなどを分解する肝臓本来の働きも損なわれ、肝硬変や肝がんまで進行すると元に戻すことは極めて難しくなります。また、糖尿病などの生活習慣病と肝臓疾患の関連性は高く、脂肪肝が悪化している場合には、動脈硬化や眼底出血などのリスクも高まっていると考えられます。「たかが脂肪肝」と放っておくと、失明や命に関わる事態になりかねないのです。

Qどのようなタイミングで肝臓内科を受診すればいいのでしょうか?
A
池尻大橋せらクリニック 肝臓のエコー検査を実施して、状態を把握することも

▲肝臓のエコー検査を実施して、状態を把握することも

健康診断の結果を見る際は、AST、ALT、γ-GTPの値に注目してください。基準値を超えている場合には指摘があるかと思いますが、ASTとALTは30U/l(ユニット・パー・リットル)以下、γ-GTPは男性は50U/l以下、女性は30U/l以下に抑えたいところです。健診結果にチェックがつかないまでもその数値を上回るならば、肝臓のエコー検査を受けることをお勧めします。そのほか、糖尿病や高血圧症の指摘を受けたり、疲労感が年々増していたり、便秘気味の方、閉経後の女性の方も要注意です。身体の状態を知り治療を始めるのは、早いに越したことはありません。少しでも当てはまるならば一度検査にいらしてください。

Q肝硬変の予防には何が有用でしょうか?
A
池尻大橋せらクリニック 肝臓に負担をかけないよう、治療を進めていく

▲肝臓に負担をかけないよう、治療を進めていく

肝硬変とは、ウイルス感染や脂肪の蓄積によって肝炎が生じた後、それが進行して肝臓が硬くなる病気です。つまり、肝硬変の発症リスクを抑えるためには、脂肪肝の段階で食い止めてしまうことが重要です。一般的に、体重を5~7パーセント減らせれば、脂肪肝の改善が見込めるといわれています。まずは脂肪肝やその兆候を早期に見つけ、専門家による継続的な管理を受けて、禁煙や食事・運動習慣の見直しで改善を図っていきましょう。また、肝臓疾患は必ずしもアルコール摂取量が関わるわけではありませんが、薬や糖分の分解のためにも、飲酒は極力控えて肝臓に余力を残しておくことも大切です。

Qこちらの肝臓内科ではどのような診療を行っていますか?
A
池尻大橋せらクリニック 身体の状態を把握したアプローチを提案していく

▲身体の状態を把握したアプローチを提案していく

まずは患者さんの体の状態をきちんと把握し、体脂肪率や筋肉量も評価した上で目標を設定します。もし糖尿病が疑われる場合には、糖尿病網膜症の罹患がないか眼底検査を行ったり、高血圧で胸痛を感じる方には運動負荷試験を行ったりと、肝臓疾患と関連性の高い生活習慣病に関しても注意を払っています。脂肪肝も生活習慣病も、初期の自覚症状はほぼありませんから、「なぜ治療が必要なのか」をご理解いただくことも大切です。当院の治療の基本は、食事管理と運動指導。食事についてはパンフレットを作成してお渡しし、運動指導をご希望の方には独自のプログラムで対応しています。

ドクターからのメッセージ

世良 泰院長

若い頃に体を鍛えて筋肉量の多かった方も、30代や40代になってくると、何もしなければ徐々に筋肉量が落ちてきます。また女性ホルモンの一つであるエストロゲンは糖や脂肪の代謝に関係しており、働き世代は脂肪肝になりやすい年代だといえるのです。ですが自覚症状がないため気づきにくく、健康診断で指摘を受けても放置してしまう方がとても多いんですね。脂肪肝から肝炎を生じ、肝硬変や肝がんを引き起こしてからでは手遅れになりかねません。ご自身の健康、またご家族の将来のためにも、「沈黙の臓器」である肝臓に意識と時間を割いてほしいと思います。

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