糖尿病などの生活習慣病に
多角的な視点からのアプローチ
池尻大橋せらクリニック
(目黒区/池尻大橋駅)
最終更新日:2024/11/13
- 保険診療
健康診断や血液検査によって、糖尿病もしくは糖尿病予備軍と診断される人が増えている。生活習慣病の代表とも言える糖尿病だが、適切な治療を行うことで予防・改善をめざせる病気でもある。「池尻大橋せらクリニック」の世良泰院長は、スポーツ整形外科と内科診療どちらも行うドクターとして、糖尿病の治療と患者のトータルケアに力を入れている。中でも膝や腰など体に痛みを抱える患者に対しては、整形外科として痛みの緩和を図りながら、無理のない運動療法を提案しているのが特徴だ。また、糖尿病の合併症についても院内で眼底検査に対応するなど、検査から治療まで同院で完結できるシステムを築いている。糖尿病を放置した場合のリスクや、同院での詳しい治療の流れについて世良院長に教えてもらった。
(取材日2024年10月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q糖尿病とはどのような病気ですか?
-
A
体の中に取り込まれたもののうち、血液中にある糖を「血糖」といい、その血糖値が高くなってしまうのが糖尿病です。糖尿病は、基本的に1型糖尿病と2型糖尿病の2つに分類されます。血液中にある糖の量が増えすぎて吸収されなかったり、吸収する能力が低下したりしてしまうのが2型糖尿病です。30代から50代を中心に、食べ過ぎや肥満の方に多い病気で、こちらがいわゆる生活習慣病と呼ばれる糖尿病です。一方で1型糖尿病は、糖を各組織に運搬するためのインスリンが何かしらの理由で機能できないというもので、こちらは生まれ持った体質による病気です。その他、2型糖尿病になる前の予備軍の段階の境界型糖尿病もあります。
- Q糖尿病を放置すると、どのようなリスクがありますか?
-
A
他の生活習慣病でも言えることですが、さまざまな合併症のリスクが出てきます。糖尿病特有のものですと、神経症状や糖尿病網膜症、腎障害などが挙げられます。神経症状に関しては、感覚が低下するため痛みを感じず足の組織などが壊死してしまうことも少なくありません。糖尿病網膜症は失明の原因となりますし、腎障害は将来的に透析が必要になることもあります。さらに、糖尿病があると心筋梗塞や脳梗塞も起こりやすくなります。糖尿病は治療によって病気の改善や症状のコントロールをめざすことができます。健康診断や血液検査で糖尿病の疑いを指摘されたら、結果を放置せずに、できるだけ早く内科の医師に相談しましょう。
- Qこちらで糖尿病を治療するメリットを教えてください。
-
A
当院は整形外科と内科の機能を兼ね備えたクリニックです。かかりつけ医として糖尿病をはじめとした生活習慣病のコントロールを行いながら、整形外科の視点から患者さん一人ひとりに応じた運動療法を提案しています。膝や腰に痛みを抱えている方に対しては、痛みの治療を行いながら無理のない運動計画を一緒に考えていくことができます。また、目の合併症があると運動をしてはいけない場合があるため、糖尿病になると定期的に眼科に通わなくてはなりませんが、当院であればわざわざ眼科へ行かずとも院内で眼底検査が可能です。薬の処方だけでなく、食事の改善や運動療法、眼底検査と患者さんを総合的にサポートしていけると自負しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1生活習慣や食生活について問診
-
糖尿病の疑いで受診した場合、本当に糖尿病かどうか調べることから始まる。糖尿病と診断された後は、日々の食生活や生活習慣、日頃の運動量について医師が問診を行う。1日の食事の回数や量、20代の頃の体型や近年の体重の変化、これまで経験してきたスポーツ、仕事の内容、既往歴や家族歴など問診の内容は幅広い。詳しく話すことで、食生活の改善点などが見つけやすくなる。ウェブでの問診入力が終わったら、各種検査に進む。
- 2尿検査や眼底検査など各種検査を実施
-
採血や尿検査を行い、血糖値やインスリンの量を確認。次に眼底検査などを通じて合併症の評価を行う。糖尿病の合併症は神経、目、腎臓の順番に現れる傾向がある。初めに合併症が現れるのは神経だが、神経は感覚が低下し痛みが感じづらくなるため、症状に気づくのが難しい。そのため、糖尿病と診断されたらまずは眼底検査で糖尿病網膜症がないかを調べる。目の症状をきっかけに、神経の合併症がわかることも少なくない。
- 3運動療法で糖尿病の改善をめざす
-
まずは身体組成を評価し、体重や体脂肪、筋肉量を確認した上で、それぞれのバランスを取りながら目標となる数値をめざせるよう運動計画を立てる。この際過去の運動歴を踏まえ、どのように運動を進めたいか質問を受ける。働き方なども考慮しながら、無理のない範囲でスタートすることが大切。整形外科の症状がある場合には、院内の運動施設でリハビリに取り組みながらフィットネスバイクなどの有酸素運動を行うことも可能。
- 4必要に応じて服薬や食生活について指導
-
ヘモグロビンの数値など、それぞれの患者の状態に合わせて適切な薬を処方。食生活に関しては急に変えると続かないことが多いため、目標体重を設定し、運動療法と同様にできることから改善をめざす。例えば、間食で食べていた洋菓子を和菓子に変える、うどんよりもそばを選ぶ、お酒を飲む前に枝豆を食べておくなど、働き方や生活スタイルに合わせて小さな変化から始めるのが長く継続するコツだという。
- 5継続的な通院で健康を守る
-
整形外科や内科など幅広い診療内容が特徴の同院。内科での糖尿病の治療に加えて整形外科での運動療法の提案、膝や腰の痛みへの対応、眼底検査とトータルケアで患者をサポートしていく。世良院長の他に週に1回、糖尿病が専門の医師による診察があり、病気のコントロールが難しい患者も専門的な治療を受けられる。患者とのコミュニケ―ションを大切に、一人ひとりに合わせた無理のない治療計画の提案を聞くことができる。