子どもの健康を総合的に見守り
成長を後押し、明るい将来を育む
池尻大橋せらクリニック
(目黒区/池尻大橋駅)
最終更新日:2024/12/11


- 保険診療
幅広い診療科を展開し、総合的な医療を提供している「池尻大橋せらクリニック」。同院では大人はもちろん、成長期の子どもたちの悩みにも寄り添ってきた。同院に寄せられる相談は、身長の伸び悩みやスポーツによるけがなどさまざまだ。これまで整形外科医としてたくさんの子どもたちと関わってきた世良泰院長は「その子の体の状態や今後の成長の見通しについて知ることから始め、必要であれば治療も含めたアプローチを考えてほしい」と話す。世良院長が専門とするスポーツ医学の観点を取り入れ、子ども一人ひとりに合わせたサポートを提供することで、けがの予防にもつながるという。自身も子育ての真っ最中だという世良院長に、子どもの予防医療にかける思いや同院で行っている治療について聞いた。
(取材日2024年11月18日)
目次
スポーツごとに起こりやすいけがのリスクを評価。成長促進の外来では低身長症や身長の伸び悩みの治療に注力
- Q子どもの予防医学に力を入れている理由を教えてください。
-
A
▲整形外科医の視点から子どもの成長を見守る
内科には小児科がありますが整形外科では子どもから大人まで幅広い世代を診察するということと、私が長年スポーツに携わってきたことから、これまで子どもを診る機会が多くあったというのが一番の理由です。子ども時代は、同じ年齢であっても身長や筋肉量が大きく異なることがあります。それは、成長や成熟度が異なるからであり、自分が今どのような状態にあるのかを知るためには、骨年齢をはじめとした医学的な観点が必要になります。それぞれのお子さんの体の状態や成熟度を知り、食事指導やストレッチをはじめとした適切な診療を行っていくことで、健やかな成長を促しスポーツによるけがなどを予防することをめざします。
- Q子どものメディカルチェックではどのようなことを行いますか?
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A
▲体力測定の結果も参考に、その他の検査を実施することも
身長や体重、骨年齢、成熟度などを調べます。学校で行う体力測定の結果や簡単な運動を通じて筋力や柔軟性についても把握した上で、現状や今後の成長について総合的に判断します。子どもの成長というのは、スポーツの現場においてもとても重要です。スポーツに必要な成長や成熟を考えるのはもちろん、サッカーはジョーンズ骨折、野球であればいわゆる野球肘と、スポーツごとに起きやすいけがの種類が異なります。ラグビーやアメフトであれば頸椎の骨の距離をもとに、頸椎損傷のリスクの高さを調べる必要があります。そのため、お子さんが取り組んでいるスポーツによって検査の種類を変え、スポーツ医学的なアプローチを行っています。
- Q子どもの近視の予防にも取り組まれているそうですね。
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A
▲1~2分ほどで実施できる弱視スクリーニング検査にも対応
希望があれば弱視のスクリーニング検査に対応しています。その検査画像をオンラインにて連携先の眼科の医師に共有して、評価をいただきます。そのスクリーニング検査の結果によって、近視予防に取り組むこともあります。近視が進むと眼鏡やコンタクトレンズが必要になり、例えるならつえがないと歩けない状態になるのと同じだと思っています。スポーツをする子にとっては、眼鏡やコンタクトレンズの装着によって目にけがをするリスクも高まります。特に東京都は子どもの近視の割合が高いので、検査や治療の重要性を積極的に発信していきたいです。
- Q成長促進の外来もあると聞きました。
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A
▲血液検査やレントゲンなどから、治療の方針を決めていく
主に、低身長のお子さんや身長が伸び悩んでいるお子さんが対象になります。まず、その子が晩熟型なのか早熟型なのか、二次成長の具合、骨年齢、両親の身長などを分析し、今後どれくらい伸びしろがあるのかを評価します。医学的な診断に加えて、スポーツに必要な成長成熟に関する評価も行った上で、有用なストレッチの提案や日々の食事のアドバイスなどを通して成長を促します。また、希望いただいた場合に、採血によって成長ホルモンの分泌の状態を調べます。分泌されていない場合には薬や注射によって治療を行っていきます。ただ、保険適用となる低身長症のお子さんは少なく、成長途中で「もう少し背を伸ばしたい」という場合がほとんどです。
- Q子どもの健康について、日頃から気をつけることはありますか?
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A
▲成長過程の中で気になることがあれば、医院への相談を
食事と運動、そしてメンタルケア、これに尽きます。ですが、これらをすべて完璧に整えるのはなかなか難しいですし、お子さんによってそれぞれのバランスも異なります。そのため、まずはお子さんの状態を知った上で次のアクションを検討することが大切です。また、気をつけなくてはならないのが、二次成長がほぼ完了していると成長促進が難しい場合が多いということです。病院によっては男の子だと17歳以上、女の子だと15歳以上だとそもそも成長促進の診察を受けつけていない所もあります。保護者の皆さんには、仕事や家事で忙しい中でもお子さんに目を向けてもらい、適切なタイミングで相談していただきたいと思います。