金村 則良 院長の独自取材記事
かねむら内科ハートクリニック
(弥富市/弥富駅)
最終更新日:2024/07/08
弥富駅から徒歩10分ほどの距離にある「かねむら内科ハートクリニック」。日本循環器学会循環器専門医として長年地域の基幹病院に勤めていた金村則良院長が、より地域住民に近い存在として健康のサポートをしたいと2024年5月に開業し、循環器内科、内科、小児科、生活習慣病と幅広い診療を提供する。多くの重症心疾患患者と真摯に向き合ってきた金村院長は、病気になる人を減らしたいと予防医療にも注力している。白と木目を基調とした明るく落ち着いた雰囲気の院内は、バリアフリー仕様のため、車いすやベビーカーでの移動にも便利だ。隣接するドラッグストアと共同の広い駐車場もあり、車での通院もしやすい。子どもから高齢者まで誰もが気軽に相談できる「地域のかかりつけ医」をめざす金村院長に、クリニックの特徴や今後の展望を聞いた。
(取材日2024年6月10日)
循環器内科の専門家として長年基幹病院で尽力
医師をめざしたきっかけやこれまでのご経歴を教えてください。
医師をめざしたいと思ったのは、高校生の頃です。進学先の高校では、医師をめざす友人が多く、周囲の影響もあって興味を持つようになりました。また、医師の仕事は人の役に立てる仕事なので、漠然とした憧れもありましたね。大学は名古屋大学の医学部に進学しました。これまでに、名古屋大学医学部附属病院や日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院、海南病院などの総合病院で循環器内科の医師として勤務し、主に、心臓疾患を中心とした医療に携わってきました。開業前は、海南病院で8年ほど勤めています。数多くの患者さんの治療を経験する中で、より地域の方々に身近な存在として医療に携わっていきたいとの思いが高まり、開業に至りました。
循環器内科を専門に選ばれたきっかけはありますか?
もともと急性期医療に憧れがあったので、専門を選ぶ際には循環器内科と心臓外科で迷っていました。医師になる前後の時期から、心臓に関する何かをやりたいなとは思っていたんです。心臓疾患は瞬間的な人の生き死にに関わる分野のため、治療ができればとてもやりがいのある仕事だと思いました。最終的に循環器内科を選んだのですが、きっかけには研修医だった時にカテーテルの技術が進歩していた背景があります。当時カテーテルで対応可能な治療の範囲が広がっていたため、心臓カテーテルを行う循環器内科の今後の可能性に魅力を感じたんです。胸を開けて血管をつなぐための手術をしなくても、カテーテルを使用して血管の中から治療できるかもしれない。そうなれば患者さんにとっても理想的だなと思ったこともあり、最終的に循環器内科を選びました。
循環器内科の魅力は何ですか?
循環器内科の魅力は、治療によっては劇的な症状の改善も望めることです。つらい思いをされていた患者さんへ治療を施すことにやりがいを感じます。中には長いお付き合いになる患者さんもいますが、患者さんのお話を聞く機会が増えることで関係性を紡いでいく楽しさもあります。患者さんと長くお付き合いしていく中でのやりがいも感じていたので、今後の医師としてのキャリアを考えた時に、地域医療に携わってみるのもいいかなという思いが湧き上がってきたんです。年齢を重ねて経験を積む中で若い医師に指導する機会も増え、指導した医師たちが成長する姿を見ているうちに、大きな病院での診療を次の世代にバトンタッチして、自分は新しいステージに移ろうかなと開業を考えるようになりましたね。
弥富の町で患者への思いを込めて開業
弥富市で開業された理由や経緯を教えてください。
この地にご縁があって、以前海南病院で仕事をさせていただいていました。働いていく中でこの地域の人達とのつながりをもてたことにより、この地にはとても愛着があります。これからもこの地域の人達を診ていきたいという想いからこの地で開業をしました。
クリニックを建てる際に、こだわったことはありますか?
診療室を2部屋隣接させて、どちらの部屋にも簡単に行き来できるようにしました。混んでいる時間帯には、診療している間に隣の部屋で患者さんに待ってもらっています。そうすれば、入れ替えの時間が短縮できますし、患者さんが焦らずゆっくり退出できるからです。また、スタッフが動きやすい動線も考えました。そして、患者さんには少しでもリラックスして過ごしていただけるよう、落ち着いたイメージの白と木目の雰囲気にしたいと、建築デザイナーにお願いしたんです。待合室の天井を高くしてもらうなど、施設全体を心地良い空間にしてもらっています。また、地域の方のために管理栄養士さんに栄養相談をしてもらえる場をつくれたらとも考え、広めの相談室も設置しました。
導入した機材にはどのようなものがありますか?
超音波検査は循環器内科の診療においてとても重要な検査なので、診療室とは別に完全個室を整えて精密な検査が受けられるようにしています。また、院内で多くの種類の血液検査ができる血液検査機器も導入しました。症状が落ち着いている方の検査は検査会社に出しますが、急いで結果を確認したい場合には院内で検査を完結できます。点滴をする際には、ベッドだけでなく点滴用のリクライニングチェアを用意し、起き上がるのがつらい高齢者の方も利用しやすいよう配慮しました。他には、心電計や運動負荷検査用のエアロバイクも設置しています。また、より高度な診断や手術を要する場合などは、以前勤めていた海南病院を含め、適切な病院や専門の医師と迅速に連携できるような体制にしています。
地域住民の健康を支えるクリニックに
どのような診療を行っていますか?
循環器内科を専門とする医師として心臓疾患の治療はもちろん、内科、小児の治療を行っています。心臓のある程度精密な検査も可能です。また、心臓病や脳の病気で救急搬送される人を減らしていきたいという理想があるので、そもそも病気にならないよう予防医療にも注力しています。そのため、当院では生活習慣病の改善や睡眠時無呼吸症候群などの血管障害リスクを低減するための治療や取り組みを行っています。若いうちから生活習慣には気をつけてもらいたいですね。待合室に病気の予防に関するパンフレットを用意しておくなどして、来院された方が自分の体を見直すきっかけも提供していけたらなと思います。
患者さんへの対応で心がけていることはありますか?
患者さんの目を見て、丁寧に話を聞くことですね。カルテを取ることに必死にならないように心がけています。患者さんを診る時間をしっかり取るからこそ、気づけることも多いんです。同じことをしていても、こちらの対応一つで相手が感じる印象も変わります。そして、話を聞きながらできるだけ患者さんの要望にも寄り添えたらなとも思っています。患者さんによっては投薬に頼らない予防を望む方もいますので、可能な範囲で希望をくみ取ってあげたいです。限られた診療時間にはなりますが、患者さんに「行って良かったな、会って良かったな」と思ってもらえたらうれしいです。来院したことで、少しでも安心して帰ってもらえるといいですね。
今後の展望を教えてください。
子どもから高齢者まで3世代を診られるようなファミリークリニックになれたらと思います。そして、何より「地域の方の健康を支えられるようなクリニックにしたい」という思いがありますので、何かあれば気軽に相談してもらえるとうれしいです。また、当院は24時間ウェブ予約ができます。完全予約制ではありませんが、予約をしていただくことで患者さんの待ち時間を軽減できますし、来院の時間が分散されれば一人ひとりの診察にじっくり時間をかけられますので、ぜひご利用ください。