頭痛やしびれは放置せずに
脳と頭痛の専門クリニックへ受診を
前田脳神経外科クリニック
(堺市西区/鳳駅)
最終更新日:2024/07/12
- 保険診療
頭痛を経験しない人はいないだろう。しかし、その種類や原因はさまざまだ。薬の服用で痛みの改善が期待できるものもあれば、命を脅かす疾患の前触れの場合もある。脳疾患と頭痛に特化した「前田脳神経外科クリニック」の前田一史院長は、「少しでも不安な症状があれば、決して放置せずに専門の機関を受診してください」と力を込める。なぜなら、頭痛で疑われる疾患は、くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳出血、副鼻腔炎など多岐にわたり、命を落とす重篤なものも少なくないからだ。とはいえ、これまで市販の薬で何とかなっていたからと、症状があってもなかなか受診まで至っていない人も多いのではないだろうか。そこで、この分野の専門家である前田院長に、受診の目安、検査・治療、予防などについて詳しく解説してもらった。
(取材日2024年6月25日)
目次
頭痛、めまい、しびれ、物忘れなど、気になる症状があれば放置せずに脳と頭に特化した専門クリニックへ
- Qどんな症状の時に脳神経外科を受診すべきですか?
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A
片頭痛も含めた頭痛、めまい、あとは頭を打った、手足のしびれ、体・指が勝手に動く、物忘れなどの症状がある際は、受診されることをお勧めします。頭痛には危険な頭痛とそうでない頭痛があり、脳出血やくも膜下出血などの脳卒中によるもの、脳動脈解離、脳腫瘍を原因として起こる頭痛が危険な頭痛として知られています。バットで殴られたような頭痛、ろれつが回らない、真っすぐ歩けない、けいれんを伴うといった症状もある場合は、命を脅かすような疾患の前触れとも考えられるので、早急に受診してください。また、当院では生活習慣病の管理も対応しておりますので、高血圧や糖尿病の方はご相談ください。
- Q受診時の流れや実施する検査などについて教えてください。
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A
ケガや頭痛を訴えられる場合、CTやMRI検査をすることが多いですが、その前に患者さんへいくつか質問をさせていただきます。重要なのは痛みの場所。例えば、後頭部のみが痛い場合は脳動脈解離を疑いますし、ほかにも目の奥が痛いのか、痛みが持続するのか、頭全体が痛いのか、左右どちらかがズキンズキンと痛むか否かなどを確認した時点で、おおよその予測はつきますので、適した検査を行いその結果と予測とを答え合わせし、診断するという流れになりますね。中には強烈な痛みを伴う群発頭痛という病気もあり、これは脳血管の拡張により血流が良くなりすぎることで起こる頭痛ですが、根本的な原因はまだ解明されていません。
- Q頭痛を専門とするクリニックで診てもらうメリットは何でしょう。
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A
頭痛にはさまざまな特徴や種類があります。大きく分けると、命に関わることのないよくある頭痛の一次性頭痛と、他の病気によって引き起こされる危険な頭痛の二次性頭痛になりますが、それぞれ対応が異なります。その違いを見極め、迅速な対応ができるのが専門クリニックで診てもらうメリットの一つ。臨床数も多く、見極めるための機器も導入していますので、そこは専門のクリニックならではだと言えるでしょう。最近は、長時間のデスクワークなどによる精神的なストレスや筋肉の緊張が主な原因となる緊張型頭痛の方も増加。慢性化すると痛みのコントロールがうまくできなることもあるので、早めに専門家に診断してもらうことをお勧めします。
- Qめまい・しびれなどの症状も診ていただけるのですね。
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A
めまいは、脳の病気が起因していることがあります。例えば、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、脊髄小脳変性症など。ふわふわとした浮遊感、ぐらぐらとした動揺感、天井などがぐるぐる回るような症状がある場合は要注意。すぐに受診してください。また、しびれも同様です。脳や脊髄の病気で引き起こる場合があります。脳卒中、脳腫瘍、一過性脳虚血発作、変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアなど、実に多岐にわたります。また、糖尿病性神経障害、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏、さらにはストレスや自律神経障害、首・肩の凝りが原因の場合も。とにかく考えられる疾患は幅広いため、他科の対応が適している場合はすぐにご紹介します。
- Q物忘れや認知症も診療していただけるのですか?
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A
はい。この場合はご家族へのヒアリングが重要になってきます。ご自身が気づいていないことがほとんどですからね。もちろん物忘れを気にされてご自身で来院される方もいらっしゃいます。予防という観点においても、定期的に受診されるのは良いこと。認知症にもタイプがあり、脳の萎縮による認知症と、水頭症など他の病気によるものか否かは、画像で診断できます。水頭症による認知症の場合は、手術で改善が見込めることもあります。その判断力も当院の強み。脳の萎縮による認知症の場合は、進行を緩やかにするための薬を処方。加齢だけでなく、脳梗塞、脳腫瘍、水頭症などが起因となる認知症もあることを、多くの方に知っていただきたいですね。