検査を受けると何がわかる?
脳ドックで重篤な疾患を早期発見
前田脳神経外科クリニック
(堺市西区/鳳駅)
最終更新日:2024/07/12
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脳ドックを受けたことがある人はどのくらいいるだろうか。「脳ドックとは、頭部のMRIや頸動脈超音波検査などによる画像診断と、脳機能に関する検査を行い、脳の健康状態を確認する検査です」と、温厚なまなざしで話すのは、「前田脳神経外科クリニック」で院長を務める前田一史先生だ。くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、脳卒中など、病名は知っていても、それを早期発見するには脳ドックが必要不可欠であることはまだ多くの人に知られていない。また予防という側面でも重要だ。脳の動脈硬化、無症状の脳梗塞、脳腫瘍などを早期発見し、将来の脳卒中や認知症予防をめざす。そこで、どんな検査をして、どんな病気がわかるのか。同院の脳ドックの内容や流れについて、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の前田院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年6月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q脳ドックでは、どのような検査を行うのですか?
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A
当院の脳ドックでは、MRI、頸動脈エコー、採血を実施。脳を覆う血管の状態を調べることができ、血管の奇形、狭窄や瘤の有無を把握するのに適しているMRI、心臓から頭部へと血液を送り出す頸動脈という太い血管を調べられるエコー、そして空腹時の血糖値・HbA1c、中性脂肪、コレステロールなどの値を採血で調べます。糖尿病や脂質異常症などの有無、脳卒中のリスクもわかりますので、今後の生活でどのようなことに気をつけるべきかの指針にもなります。基本的にはこの3つの検査となりますが、年齢、既往歴、生活習慣、家族歴などから病気のリスクを考慮した上で適した内容をご提案しておりますので、まずはご相談ください。
- Q脳ドックを受けるメリットについて教えてください。
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A
一番のメリットは、脳卒中や認知症などの早期発見をめざせること。特に脳卒中は、生活習慣病を起因とする動脈硬化との関わりが深い病気です。糖尿病・脂質異常症・高血圧症などの生活習慣病は自覚症状が乏しく、気づかないまま進行することも少なくありません。当院の強みは熟練した医師による精密な検査が可能なこと、そしてすべての検査結果が即日わかることです。病気が見つかった場合は速やかに治療開始、あるいはより専門的な治療に対応できる病院へご紹介いたします。異常が見つからなかった場合にも病気予防のための生活指導などを行っていますので、病気を未然に防ぐための策を講じられることもメリットと言えるでしょう。
- Qどのような方にお勧めしたい検査ですか?
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A
飲酒や喫煙習慣などの影響が現れ始めやすい40歳以上の方、脳卒中の家族歴がある方、それから糖尿病・高血圧症・脂質異常症の診断を受けた方、飲酒・喫煙の習慣がある方。特に40歳以上の方は2~3年に1度のペースで脳ドックを受けられることをお勧めしています。脳血管疾患も自覚症状に乏しいため、最悪の事態を未然に防ぐためにも脳ドックを受けていただきたいですね。逆に検査できない方は、妊娠中や妊娠の可能性がある方、心臓ペースメーカーなど体内に医療機器を埋め込んでいる方、人工内耳のある方など。該当するかわからない場合は医師にご確認ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1予約・問診票の記入
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24時間受付可能のウェブ予約、ウェブ問診も可能。事前に問診まで済ませておくと、当日スムーズに受診できる。診察は1ヵ月先まで予約可能だ。問診では既往歴、アレルギーの有無、気になる症状、喫煙・飲酒などの生活習慣、妊娠の有無、体内にボルトなどの金属が入っているか否か、服用中の薬などの項目に記入。診療する際の大事な情報源となるため、些細なこともすべて伝えてほしいとのこと。
- 2問診・検査内容の説明を受ける
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問診票に記入した内容をもとに、診察を受ける。ここでも気になる症状などがあれば、いつから症状が出始めたのか、どのような痛み、もしくは違和感があるのか伝えること。すでに痛みが生じている場合は、医師から詳しい情報を得るためのヒアリングがある。検査が必要、もしくは脳ドックを受けることができると判断されたら、検査内容の詳しい説明を受ける。前日は寝不足、酒の飲みすぎなどは避け、体調を整えておく。
- 3MRI検査などの実施
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当日はノーメイク、普段コンタクトレンズをしている場合は眼鏡で来院を。日焼け止めやマニキュアは控え、検査前にピアスやネックレス類のアクセサリー、時計も外しておくこと。紛失等を防ぐため、できるだけ貴金属類は外して来院するのが望ましい。ノーメイクでの来院が難しい場合は、クレンジング剤を持参し、到着後洗顔することも可能だ。MRI、頸動脈エコー、採血を行う場合は、1時間程度ですべて終えられるとのこと。
- 4検査結果の説明
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約30分後に検査結果が出るため、待合室で待機。順番に呼ばれる。検査結果は画像などを患者にも一緒に見てもらいながら、一つ一つわかりやすい丁寧な説明を心がけているそう。少しでも引っかかることがあれば、遠慮なく質問し、その場で解決することが大切だ。万が一、病気が見つかった場合は即治療に入る場合も。より専門的な治療が必要な時は、適した機関を紹介。病診連携が整っているので、迅速な対応が可能とのこと。
- 5治療・予防など必要に応じた定期受診
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検査結果によって次の検査までのスパンは異なるが、何も異常が見つからなかった場合は2~3年に1度のペースで検査を受けることが望ましい。脳動脈瘤がある場合は半年に1度のペースで受診を。頸動脈狭窄がある場合も半年~1年に1度のペースでの受診を勧めているそう。高血圧、糖尿病などの生活習慣病は管理をしっかり継続していくことが重要。生活習慣の改善などアドバイスを受ける。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万円~