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杉本 あずさ 院長の独自取材記事

恵比寿駅前メンタルクリニック

(渋谷区/恵比寿駅)

最終更新日:2025/03/19

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック main

恵比寿駅周辺の一角に「恵比寿駅前メンタルクリニック」はある。やわらかな自然光が差し込む空間で待っていてくれるのが院長の杉本あずさ先生だ。人間の心への飽くなき探究心から、医学部を卒業した後に心理学も専攻したという特徴的な経歴の持ち主でもある。大学病院での長年にわたる経験を、プライベートでも慣れ親しんできたこのエリアで役立てたいと開業に至った。患者用ソファーなど診察室の細部にもこだわり、癒やしの空間をつくり上げた。また、仕事や育児で忙しいという人には、連携するオンライン診療サービスを案内している。真摯なまなざしを向け、包み込むような声で話す杉本院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2024年9月19日/情報更新日2025年3月6日)

アットホームな雰囲気で、心の健康をサポート

ホッと心が和む雰囲気の院内ですね。

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック1

恵比寿駅から近く患者さんも気軽にお越しいただけるため、安心につながるのではないかと思い、この場所を選びました。小さなクリニックですが、できるだけ患者さんの診療時間が重ならないようにしてプライバシーにも配慮しています。患者層は近隣で働く20代から30代がメインで、適応障害、抑うつ状態などを訴える方が多いですね。「心療内科」で検索したり、インターネットのクチコミを見たりして、少し離れたところから足を運んでくれる方もいます。

主に、オンライン診療を活用して治療を行っているとお聞きしました。

オンライン診療は当院の治療の要になっています。診察だけではなく、予約から薬の発送まですべてがオンラインで完結し、診断書も最短で即日発行することが可能です。具体的にはウェブ会議ツールを使用しての診療となり、土曜も19時まで対応しています。日中働いている忙しい方や、通院が難しい方でも隙間時間に利用できるよう体制を整えました。オンラインでも寛解までを丁寧にサポートし、定期的なチェックで改善状況を可視化、再発予防にも力を入れています。

オンライン診療と対面診療、どう使い分けたらいいのでしょうか。

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック2

例えば、まずは対面で診療を受けてみて、「通院がつらい」となったらオンライン診療に切り替えるという選択肢もあると思います。逆にオンライン診療から始めて、慣れてきたら対面にしてみるのもよいでしょう。または、オンライン診療だけ、対面診療だけとするなど、状況に合わせて選択することが大切です。当院では、オンライン診療が必要な場合は、オンライン診療サービスをご紹介します。ご自身が利用しやすいタイミングでどこからでも医療にアクセスしてほしいという思いを込めて、このようなクリニック名にしました。

小さな悩みでも気軽に受診できるメンタルクリニック

次に、医師を志したきっかけやご経歴を教えてください。

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック3

医師をめざしたのは、わかりやすく人の役に立つ仕事がしたかったのと、人間に興味があったからです。千葉大学の実習で精神科に行ったときの経験から、「いったい人の心の中では何が起きているのだろう」と大きな衝撃を受けたのが転機となり、この道に進みました。医師国家試験に合格しましたが、「臨床心理士のほうが心の問題に集中できるのでは?」とお茶の水女子大学発達臨床心理学講座学部に編入。しかし、そこで先生たちに「医師として役に立ちなさい」と諭されて。卒業後は昭和大学病院で初期研修を受け、そのまま同大学病院の脳神経内科で臨床と教育に携わってきました。現在、子育て中でもあり、働き方を変えて、現在の自分が貢献できる方法を探そうという思いから、開業に至った次第です。

これまでのキャリアの中で大切にしてきたことは何ですか?

「正しい治療」をすることを心がけてきました。それは、営利や忙しさに流されずに、臨床に準拠した治療をきちんとするということです。そのためには、まず、患者さん一人ひとりと向き合い、どのような状況なのかを正確に把握しなければいけません。でも、最初から自己開示ができる患者さんは多くありません。きちんと寄り添って、どう話してもらうかをきめ細かく工夫しています。とはいえ、難しい質問はしません。食事や睡眠などの答えやすい項目が大半ですし、言いたくないことは話さなくて大丈夫なので心配しないでください。メンタルクリニックの受診をためらう人を一人でもなくすことができればと思っています。

必要があってもメンタルクリニックの受診を避けてしまうのはなぜでしょう。

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック4

メンタルクリニックはちょっとした悩みでも気軽に来ていい場所なのですが、それが知られていないからでしょうか。重い心の病を抱えている人ばかりが集まっていると思われがちですが、それは間違いです。受診するだけで家族に迷惑がかかるなど、何かに傷がつくのではないかと恐れている人もいます。しかし、実際のところ精神科の受診歴があるからといって不利益が生じることはありません。自ら伝えなければ受診歴が漏れることもありません。「おなかが痛いのに内科では問題なしと言われた」「何科に行ったらいいのかわからない」というときにも遠慮なく来てください。「自分は心を病んでいない」と思い込んでいても、心や脳へのストレスが原因で体が悲鳴を上げている例も多々あるので、受診を躊躇しないでほしいですね。

涙が笑顔になる日までそっと寄り添うかかりつけ医

今後の展望についてお聞かせください。

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック5

2025年春に恵比寿へ移転しました。今後は医師の数も増やして、三診体制または四診体制にする予定です。移転後は駅から近いにぎやかな場所になりますが、「気軽に足を運べて、すぐに良くなるクリニック」という目標は変わりません。できるだけ短期間で良くなって、私のことは忘れて元気に過ごせるような治療を追求していきたいです。「心の薬は飲み始めたら一生続く」という誤解もありますが、そんなことはありません。しかるべき時にきちんとやめられるように、今後とも尽力していきたいです。理想としているのは「困った時だけ思い出してもらえるホームドクター」。投薬治療だけではなく、子ども家庭支援センターなどの行政窓口につなげていくのも私たちの仕事です。いろいろな人の人生を好転させるきっかけを、一つでも多くつくっていきたいですね。

お忙しい毎日かと思いますが、休日はどうお過ごしですか?

休日は2人の子どもたちと過ごすようにしています。自宅の近くには有栖川宮記念公園など、遊ばせる場所もいろいろとありますからね。ただ、2人の行きたい場所が違うので、なかなか大変です。やんちゃな下の子が優しい上の子にけんかをしかけるのも日常茶飯事。子育てに追われる中で、この世は理性で片づけられる問題ばかりではないのだと痛感しています。臨機応変に対処する力もかなり鍛えられたので、診療にも役立っているかもしれませんね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

杉本あずさ院長 恵比寿駅前メンタルクリニック6

眠れない、朝起きられない、仕事がつらい、食欲がない、食欲が止まらないなどの不調はありませんか? はっきりと自覚はなくても、「どことなく調子が悪い」という方もいらしてください。職場の人間関係、家族の問題、恋愛など思い当たる理由があっても、「仕方ない」と諦めて我慢してしまうのは危険です。うつ病を発症している例もありますし、誰かに話すだけで楽になることもあるかもしれません。話している途中で泣いてしまっても構いませんし、実際、そういう患者さんも多いです。慰めてしまうと、「泣いたのは悪いこと」と勘違いしてしまう場合もあるので、できるだけ淡々と聞くようにしています。時には気が済むまで泣くのも大切なことです。涙が笑顔に変わる日まで、心のかかりつけ医として寄り添わせていただければと思っています。

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