藤本 収 院長の独自取材記事
祐天寺藤本デンタルクリニック
(目黒区/祐天寺駅)
最終更新日:2025/07/16

2024年4月に、祐天寺駅東口から徒歩3分の商店街に開業した「祐天寺藤本デンタルクリニック」。同院の藤本収(ふじもと・しゅう)院長は、歯科医師と患者が人と人として向き合うことを大切にし、時間をかけた丁寧な診療スタイルを確立。開業以来、地域のかかりつけ医として患者のニーズに敏感に対応し、日曜も診療を行うほか、本格的な矯正も藤本院長自らが担当できるよう診療体制を整えた。穏やかで優しい対応で世代を問わず慕われている藤本院長のもとへは、勤務医時代からの患者が訪れることも少なくない。今回は、患者の増加に伴い診療ユニットの増設も決まったという同院について、診療で心がけていること、地域のかかりつけ医としてめざしていることなど、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年6月24日)
人と人として向き合い、時間をかけた丁寧な診療を行う
開業から1年たちましたが、患者さんの印象などいかがですか。

おかげさまで開業以来、幅広い世代の患者さんにお越しいただいています。祐天寺というエリアは、ビジネス街でも完全な住宅街というわけでもないので、さまざまな年代の方が交差するにぎわいのある町なんですね。ですから、個々の生活スタイルに合わせて受診しやすいよう、当院は18時半まで診療しています。また、日曜日も14時まで開けているので、働き世代の方にも喜んでいただいている印象です。以前から、開業するならご家族で受診してもらえるような地域に根差したクリニックにしたいと考えていたので、祐天寺は僕にとって理想的な場所でした。今では患者さんからの紹介でいらっしゃる方も多く、光栄に思っています。「何年かぶりに歯医者さんに来ました」という方も多いですね。クリニックに通う必要性を理解してくださったり、ご家族やご友人を連れていらっしゃったりしていただけたらたいへんうれしいですね。
診療時間を60分と長く取っているのはなぜですか。
大学卒業後長く勤めていたクリニックが、時間をかけて丁寧に接するという診療方針で、非常に感銘を受けたので、当院でもそのスタイルを踏襲しています。1回の診療で60分取っているのは、患者さんに対して業務的に関わるのではなく、人と人として向き合い、患者さんの立場に立った診療をしていきたいと思ったからです。治療が進むと早く終わる場合もありますが、僕がめざすのは、短い時間でパッと診て回転率を上げていく診療ではなく、多少雑談を交えながら、しっかりコミュニケーションを取って進めていく診療です。自分が患者だったらされたくないようなことはせず、誠実に診療することで、歯科医師と患者さんがともに同じゴールに向かっていくという在り方が僕の理想です。
対話を大切にしているのですね。

はい。歯科と聞いたときに皆さんが思い浮かべる従来のイメージは、患者さんが仰向けに寝ていて、先生が上から「痛いところはここですね」と言ってくる、そんな光景かもしれません。そして治療が終わると、「じゃあ今日はこれでおしまいです。次回の予約を入れておいてください」と言われて、起き上がるとすでに先生の姿はない。それでは聞きたいことも聞けず、歯医者さんに自ら行こうという気にはなれませんよね。当院では撮影した画像を患者さんと一緒に見ながら説明をするなど、患者さんが疑問を解消しながら納得して治療に臨めるよう工夫しています。
患者のニーズに応え、矯正も院長自ら担当
診療する上で心がけていることはありますか。

歯科医師なら当然知っていることでも、患者さんにとってはわからないことが数多くあると思います。ですから、説明する際にはなるべく専門用語を使わず、できるだけわかりやすい言葉で話すことを心がけています。また、患者さんのお話にしっかりと耳を傾けることで、どんなお悩みがあって、お口の状態をどうしていきたいのかを引き出していけるよう努めています。多くの方が何かしらトラブルを抱えて受診されますが、不調があっても言葉でうまく言い表せないことがあると思うんですね。「他に気になっていることがあれば教えてください」などとこちらからお声がけすることで、患者さんが感じている小さな違和感やニーズを取りこぼさないように気をつけています。僕に直接言いづらいことは歯科衛生士に伝えてもらっても構いません。スタッフ全員で患者さんとともにゴールをめざしますのでご安心ください。
噛み合わせの治療にも対応しているそうですね。
当院では、患者さんが何かお困りの症状があっていらしたとき、痛みのある部分だけでなく全顎的に診ることを大切にしています。例えば、歯に痛みがあると虫歯や歯周病を疑いがちですが、よく調べると噛み合わせに起因するケースもあるんですね。そのように根本原因にアプローチしていく中で、噛み合わせ治療や矯正をご提案させていただくこともあります。ただし、矯正は費用面での負担が大きく、こちらから無理にお勧めすることはありません。また、噛み合わせが良くないからといって必ずしも矯正が必要というわけでもありません。患者さんのお口の状態や生活背景などを考慮しつつ、お一人お一人に合わせたアプローチ法を探していきます。
矯正も藤本先生が担当しているのですか。

はい。マウスピース型装置を用いた矯正には以前から対応していたものの、専門性の高い診断を要する症例については、外部の矯正歯科をご紹介していました。ただ、患者さんには通い慣れた当院で矯正してもらいたいということで、現在は矯正を専門とする先生の協力を得て診断をし、計画を策定した上で、僕が矯正を担当するという体制を整えています。矯正というと若い人がするものという印象がありますが、年齢を問わずに受けることができます。当院では、ワイヤー矯正にもマウスピース型装置を用いた矯正のどちらにも対応しています。
地域を巻き込み、予防意識の向上をめざす
予防にも力を入れていると聞きました。

そうなんです。当院に来られる患者さんの多くは治療をしたことがないという方ではなく、何年か前に他のクリニックで治療された方ばかりなんですね。その時はしっかり治療しているはずなんですが、同じところの不具合を訴えていらっしゃることがたいへん多いんです。おそらく、歯科というのは進んで通いたくなるような場所ではないので、治療が済むと開放された気分になり、以後足が遠のいてしまうものだからだと思います。それで同じ状況を繰り返してしまうんですね。そうした負のサイクルから抜け出すためにはやはり予防が重要で、定期的に受診していただくことが大切です。そのためにも日頃から患者さんとよくコミュニケーションを取り、予防の重要性を伝えなければなりませんし、患者さんが「そこまで親身に話をしてくれるなら、通っても良いかな」と思ってくれるようなクリニックでないとならないと思っています。
クリニックの今後の展望についてお聞かせください。
祐天寺という地域柄、長年お住まいの方もいらっしゃれば若い方の出入りも多く、予防意識が高い方とそうでない方の二極化が見られます。しっかりと管理するため定期的に通ってくださる方がいらっしゃる一方で、特に若い方はお口の中までなかなか意識が向かず、悪くなってから駆け込んでいらっしゃるケースがほとんどなんですね。今後は当院で勉強会やセミナーを月に1度開催するなどして、すでに積極的に予防に取り組んでいらっしゃる方にも、受診に二の足を踏んでいる方にも、両者にとって意義のあるイベントを企画していく予定です。少し大げさですが、患者さんの予防意識の向上と意識改革につなげられたらうれしいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

患者さんがもし自分だったら、自分の大切な人だったらどうするかという想いで患者さんと向き合い、適切な治療を提供することが当院の診療方針です。歯の治療は正解が一つしかないわけではありません。お一人お一人のご希望を伺いながらその方に合った治療につなげられてこそ、患者さんにとって満足度の高い治療になると思っています。歯や歯茎のことでお悩みの方はもちろん、メンテナンスで通うクリニックをお探しの方、一度治療した箇所が気になっているという方も遠慮なくご相談ください。この地域で暮らす方々に、「困ったときはここに行けば良い」と思ってもらえるような、信頼あるクリニックをめざし、今後も力を尽くしてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/88万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/16万5000円~、インプラント治療/38万5000円~、セラミックインレー/4万4000円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。