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糖尿病など生活習慣病や甲状腺疾患に影響する
睡眠時無呼吸症候群

PWC丸の内金沢内科クリニック

(千代田区/東京駅)

最終更新日:2024/09/13

PWC丸の内金沢内科クリニック 糖尿病など生活習慣病や甲状腺疾患に影響する 睡眠時無呼吸症候群 PWC丸の内金沢内科クリニック 糖尿病など生活習慣病や甲状腺疾患に影響する 睡眠時無呼吸症候群
  • 保険診療

睡眠中に呼吸が弱まったり止まったりする睡眠時無呼吸症候群。睡眠の質が著しく低下することで全身に悪影響を与える病気だ。「PWC丸の内金沢内科クリニック」を運営する「医療法人みなとみらい」の田中俊一理事長は、睡眠時無呼吸症候群と糖尿病など生活習慣病、甲状腺疾患との関連性に早くから注目し、専門クリニックを開設して病気の進展抑制や合併症予防に努めてきた。2024年7月、東京の中心、丸の内にオープンした同院では、同法人に所属する各分野のスペシャリストが結集して、日本を支えるビジネスパーソンの健康を支えるための診療を行っているという。そこで、糖尿病の専門家でもある小川剛鑑(おがわ・たけあき)院長に、睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関わりや、肥満症や甲状腺疾患などの専門的な診療について聞いた。

(取材日2024年8月19日)

心疾患や脳卒中による突然死を防ぐために。睡眠の質の改善を図り生活習慣病の進展抑制や合併症予防を

Q睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係について教えてください。
A
PWC丸の内金沢内科クリニック 糖尿病の治療を専門としている小川院長

▲糖尿病の治療を専門としている小川院長

睡眠時無呼吸症候群で睡眠中の呼吸が弱まったり止まったりすると、血液中の酸素濃度が低下して全身に酸素が行き渡らなくなります。この状態を放置すると脳がストレスにさらされ、血糖を上昇させるホルモンが過剰に出るようになり、糖尿病につながると考えられています。また血中酸素が低下すると交感神経が優位となり、心臓の働きが促進されて血圧や脈拍が上がり、心臓や血管に負担がかかり動脈硬化を促進します。当院を運営する法人では、理事長が糖尿病の治療がうまく進まない人の中に、重度の睡眠時無呼吸症候群を併発しているケースが多いことからその関係性の研究を行い、糖尿病治療においても睡眠の質の改善をめざすことを重視しています。

Q睡眠時無呼吸症候群と糖尿病を併発するとどうなるのでしょうか。
A
PWC丸の内金沢内科クリニック 治療に生かすため、患者のライフスタイルについてもヒアリング

▲治療に生かすため、患者のライフスタイルについてもヒアリング

糖尿病だけでなく高血圧症や脂質異常症を抱える人には、過食や食生活の偏り、運動不足、ストレスなど、肥満の人にも多い特徴が共通で挙げられます。生活習慣病と肥満は、進行していく場合には同じように進行することが多く、いわば鶏と卵のような関係ともいえると思います。また睡眠時無呼吸症候群も、糖尿病などの生活習慣病も、心臓や血管に負担がかかり、動脈硬化が促進される点も共通しています。動脈硬化は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった脳卒中や、狭心症や心筋梗塞などの心疾患につながります。つまり、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病など生活習慣病は心疾患や脳卒中のリスクを高めるので、併発すると突然死の危険性が高まるのです。

Q睡眠時無呼吸症候群の検査や治療について教えてください。
A
PWC丸の内金沢内科クリニック 検査も実施できるよう体制を整えている

▲検査も実施できるよう体制を整えている

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、小さな機械を自宅で手首に巻き、一晩睡眠の状態を測定するパルスオキシメトリー検査と呼ばれる簡易検査を行い、検査結果から睡眠時無呼吸症候群の初期診断を行います。睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、専門の検査施設でPSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)と呼ばれる精密検査を行い、就寝中の脳波、呼吸、心電図、いびき、血液中の酸素飽和濃度などを一晩連続して記録し、詳しい診断を行います。中等症以上と診断された場合は、睡眠時に鼻にマスクを当てるCPAP(シーパップ)療法を行います。PSG検査はみなとみらいクリニックに紹介しております。当院でも実施できるよう検査施設を準備予定です。

Qこちらでは肥満や肥満症の相談にも対応されているのですか。
A
PWC丸の内金沢内科クリニック 患者に無理のない食事や運動などのアドバイスも実施する

▲患者に無理のない食事や運動などのアドバイスも実施する

そうです。体脂肪量の指標であるBMIが25以上になるのが肥満で、生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まりますので、食事や運動などのアドバイスを行います。肥満症は、肥満であることに加え、肥満に関わる健康障害があるか、そうした健康障害が予測される内臓脂肪が過剰に蓄積した場合で、減量治療を必要とするものです。最近は高度肥満症も薬物治療や外科治療により改善が望めるようになりました。当院では、胃を小さくする手術である腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の適応と判断された患者さんに対しては、適切な体重管理を行った後に手術を受けられる病院へ紹介し、手術後も減量、リバウンド予防のためのフォローを継続して行います。

Q甲状腺疾患の専門的な診療にも対応しているそうですね。
A
PWC丸の内金沢内科クリニック さまざまな分野の専門家が連携して患者を支える

▲さまざまな分野の専門家が連携して患者を支える

内分泌・甲状腺疾患を専門とする小野田教高先生が在籍していますので、橋本病やバセドウ病、甲状腺腫瘍などについて専門的な検査や診断、治療を行うことができます。橋本病では全身の新陳代謝が低下するため、体重増加、血液中のコレステロール増加などが起こり、脂質異常症にもなりやすいですし、肥満や上気道粘膜のむくみなどが起こりやすいことから睡眠時無呼吸症候群を合併しやすいとされています。中高年の女性で、生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群を指摘された場合は、甲状腺機能の検査を受けることをお勧めします。またバセドウ病は動悸や息切れ、汗をかきやすいなど症状が更年期障害と紛らわしいため、注意が必要です。

ドクターからのメッセージ

小川 剛鑑院長

睡眠時無呼吸症候群も、糖尿病といった生活習慣病も、自覚症状が少ないまま進行することや、心疾患や脳卒中など重篤な病気につながることが共通しています。また、糖尿病の合併症が進行すると失明や腎不全、足の壊疽につながることもあります。いずれも早い段階で診断を受け、適切な治療を続けることが必要です。当院では、患者さん一人ひとりの状況や生活環境にも配慮しながら、睡眠障害や生活習慣病をトータルに見極め、その方に合わせたオーダーメイドな診療を行っています。健康診断や人間ドックで異常を指摘された方や、体重の増加やいびきなど気になることがある方、忙しく今までなかなか治療が続かなかった方もぜひご相談ください。

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