肉眼の約20倍の視野下で行う
マイクロスコープによる歯科治療
医療法人社団 北癒会 尾山台歯科クリニック
(世田谷区/尾山台駅)
最終更新日:2025/05/22


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1990年代後半から日本で導入され始めた歯科用マイクロスコープ。現在は、精密な歯科治療を行う上で欠かせないツールとして普及しつつあり、虫歯治療、歯周病治療、インプラント治療、根管治療など、幅広い分野で活用されている。中でも根管治療においては、肉眼では見ることのできない歯の根を細部まで確認できることで、より適切に虫歯の原因菌を除去することができ、再発防止につなげられるという。「マイクロスコープを使わない根管治療は、真っ暗闇の中、ライトもつけずに車を走らせているようなものです」と話すのは、「尾山台歯科クリニック」の川元徹院長。開院以来、マイクロスコープを用いた治療に注力する川元院長に、一般的にはまだなじみの薄い、マイクロスコープを使った歯科治療のメリットについて詳しく聞いた。
(取材日2011年10月4日/更新日2025年5月9日)
目次
精密な診断や治療が可能になるマイクロスコープ。根管治療をはじめとするさまざまな分野で有用
- Qマイクロスコープはどのような歯科治療に適していますか?
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A
▲精度の高いマイクロスコープを導入
やはり、神経が通っている歯の根の治療、つまり根管治療に適しているといえるでしょう。歯の根の中を肉眼で見ることは難しく、これまでは歯科医師の技術や経験に頼る部分が非常に大きかったんです。見えないがために、歯の根の奥にある汚れや虫歯の原因菌を完全に取り除くことは不可能でした。そのため、虫歯が再発して再治療となることも少なくなかったんです。しかし、マイクロスコープの登場により状況は一変。マイクロスコープを使えば、暗くて見えにくい部分にも光をしっかり到達させて、肉眼の約20倍の倍率で患部を鮮明に見ることができるのです。見えなかったものがはっきり大きく見えるようになり、治療の精度は格段に向上しました。
- Q根管治療以外にも使われるのですか?
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A
▲先進の機器をそろえ、患者のニーズに応える
さまざまな治療において有用です。まず従来よりも精密で、隙間や段差、ひっかかりのさらに少ない密着性の高い詰め物やかぶせ物を作ることができます。詰めたりかぶせたりする前には、虫歯をすべて削り取らなければなりませんが、マイクロスコープを用いることで、悪くなっている箇所のみをピンポイントで削れるため、歯へのダメージを少なくとどめることができます。また、インプラント治療や抜歯、歯周外科処置などでも高い精度で行えるため、侵襲を少なくすることが期待できるでしょう。さらに、歯石除去においても取り残しのない処置がめざせます。このように、マイクロスコープは歯科治療の精度を高める上で必要不可欠なものとなっています。
- Qマイクロスコープを使用することのメリットを教えてください。
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A
▲クオリティー重視の治療を提供
やはり治療の正確性を高めることができる点ですね。例えば、先に挙げた根管治療や詰め物・かぶせ物の作製では、削り残しや汚れの取り残しがなくなれば、歯と補綴物をしっかりと密着させることができ、隙間からばい菌が入るのを防ぐことにつなげられます。それにより、「二次カリエス」と呼ばれる虫歯の再発を極力少なくすることができます。ただ、これまで見えなかった細かな汚れや初期の虫歯、かぶせ物と歯の境目のほんのわずかな段差などが見えることで、一回の治療時間が多少長くなってしまうことは否めません。しかし、10年、20年と長く維持できるものにするためには、時間をかけて丁寧に治療することが大切だと思っています。
- Q他に、どのような場面でマイクロスコープを活用できますか?
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A
▲鮮明な拡大画像を見ながら、口腔内の状況や治療の経過を説明
診療の様子を写真や動画で記録できるドキュメンテーション機能を説明の際に役立てています。治療の様子はリアルタイムでモニターにも映し出されるほか、治療後はその場で口腔内の状況が確認できるので、術前と術後の様子を比較することも可能です。写真や動画で治療の記録を残せることは、患者さんにご自身のお口の中をしっかり知っていただくためにもとても有用です。
- Q具体的には、どのような説明をする際に役立つのでしょうか。
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A
▲患者に寄り添い、ハード面ソフト面どちらにも気を配る川元院長
例えば、原因不明の歯の痛みで来院された患者さんに対して、一見なんの異常も見られない場合、マイクロスコープがなければ、「おそらく歯が割れているかもしれません」としか言えないこともあるでしょう。けれどマイクロスコープで見てみると、治療済みの奥歯に亀裂が入っていて、痛みはその亀裂によるものだということがわかったりします。実際に鮮明な映像をお見せしながら原因をお伝えできれば、患者さんの理解も得られて治療もスムーズに進みます。
自由診療費用の目安
自由診療とはマイクロスコープによるインプラント治療/42万9000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。