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塚本 容子 院長の独自取材記事

星空こども・アレルギークリニック

(宝塚市/仁川駅)

最終更新日:2024/05/02

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック main

仁川駅の東口から徒歩30秒のところにある「星空こども・アレルギークリニック」は、2023年9月に開院した小児科・アレルギー科のクリニック。ブルーが印象的な受付には星形の照明カバー、清潔感がある白壁には季節に合わせたかわいらしいステッカーが貼られ、院内は子どもたちを楽しませる工夫にあふれている。発熱患者専用の入口と発熱・感染症専用室を設け、感染症対策にも配慮。大学病院から地域密着型の小規模病院まで幅広い医療施設で研鑽を積んできた塚本容子院長は、日本小児科学会小児科専門医だけでなく日本アレルギー学会アレルギー専門医として、子どもだけでなく大人のアレルギー疾患にも対応している。専門性を生かしながら、子どもの発育を手厚くサポートする塚本院長に、同院の特徴やアレルギー疾患について話を聞いた。

(取材日2024年3月21日)

多彩な経験と専門性の高さを生かした診療で地域に貢献

先生のご経歴について教えてください。

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック1

大学卒業後は、総合病院や救急指定病院の新生児内科に勤務していました。その頃から、アレルギー科を専門にしようと考え、アレルギー科の専門施設で学んだり、アレルギー専門の外来を担当させてもらうこともありました。夫の転勤で東京にいた頃は、国立成育医療研究センターのアレルギー科で勉強させてもらう機会があり、それまでよりもさらに深く、専門的にアレルギー疾患を診られるようになったと思います。その後は、横浜市内にある小規模病院の医長として約8年間、小児科・アレルギー科の診療をしていました。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

総合病院や救急病院、子どもの専門病院、地域医療に特化した地域密着型の病院など、さまざまな医療施設で研鑽を積んできたことから、当院では新生児の診療にも対応しています。専門のアレルギーに関しては、一般的なクリニックよりも一歩踏み込んだ検査や治療を行っていて、血液検査以外にもパッチテストやプリックテストという皮膚テスト、比較的症状が軽い場合は食物経口負荷試験も行い、より専門的なアドバイスもできます。アナフィラキシー反応に対応するアドレナリン自己注射の処方やスギ・ダニの減感作療法などにも対応しています。また、当院には2人の管理栄養士が在籍しており、アレルギーの診断だけでなく栄養相談という形で、どういう物をどういう調理法で食べさせたら良いのか、食べても大丈夫なお菓子や代替えになる食品などをお伝えすることで、親御さんのお役に立てればと考えています。

栄養相談は親御さんにとって心強いですね。

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック2

管理栄養士に相談ができるクリニックは少ないのではないでしょうか。私自身が親になり、子どもに食べさせることは、子育ての根底になる大事なことだと感じていることから、当院では、食物アレルギーのお子さんに対して「卵を〇g食べれたらこの食品は食べても大丈夫です」「ドーナツもこの種類なら食べられますよ」など、おいしく楽しい除去食生活を目標に、わかりやすく具体的なアドバイスを心がけています。食物アレルギーと診断され「ちょっとつづ食べてもいいですよ」と言われても、どうしていいかわからないですよね。結局食べさせずに放置してしまうようなことがないように、調理法やレシピなどもお伝えしています。貧血、体重が増えない、肥満、偏食など、食に関する悩みも気軽に相談してただきたいですね。

発達・成長をトータルで管理する小児科にやりがい

先生が医師を志したきっかけや、中でも小児科の医師に進まれた理由を教えてください。

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック3

医師を志したのは、家族が病気で亡くなったことがきっかけでした。私自身が喘息で小さい頃から小児科にかかることが多かったため、医者というと小児科というイメージがありましたね。大学生の時は、タイのスラム街に住む子どもたちをサポートするボランティアをしたり、小児科病棟の子どもたちに勉強を教えるなどの活動をする中で、やはり小児科を専門にしたいと思いました。一時期、総合内科も経験しましたが、子どもの発達、成長のすべてを含めた健康の管理を行う小児科にやりがいを感じています。

アレルギーを専門に選ばれたのはなぜですか?

医師になって5年目の頃、勤務していた総合病院で重度のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの患者さんを多く診ていました。20年ぐらい前になりますが、当時は子どもの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎にしっかりとした診療のガイドラインがなく、指標もありませんでした。そのため、近隣のクリニックで厳しい食物除去を指導されて栄養障害を起こしたり、皮膚の治療が十分でなくアトピー性皮膚炎が悪化したり入院したりすることもありました。そのような状況の中、アレルギー疾患を専門とする大阪府済生会中津病院で、勉強を兼ねて外来を見学させていただいたことがアレルギーを専門に選んだきっかけです。専門病院ではスキンケアや薬の塗り方、食物除去の方法などをとても丁寧に指導します。使っている薬は同じでも、塗り方一つでその後の経過は異なりますから、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の治療をして、親御さんに喜んでいただけたらうれしいですね。

こちらでは発達障害の相談も受けているそうですね。

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック4

横浜の病院で小児科とアレルギー科のかかりつけ医として診療していた頃、近隣に児童精神科がなかったせいか、発達障害の相談を受けることが多くありました。それをきっかけに、関西に戻ってから大阪精神医療センターの児童思春期精神科の診療に勉強のため参加させていただき、今は非常勤で外来勤務しています。3~4歳で幼稚園や保育園に連れて行ってみたら、自分の子どもがすごく落ち着きがなかったと心配になる親御さんもいらっしゃいます。児童精神科に連れていくべきなのか様子を見てもいいのかと悩まれることもあると思います。当院では心理士を必要としない簡単なスクリーニング検査を行っていますので、まずは相談していただきたいですね。

星のように輝く、子どもたち一人ひとりの個性を大切に

星空というクリニック名の由来を教えてください。

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック5

私は小さい頃から星に興味があって、中学生ぐらいまでは天文部に所属して結構詳しく極めていました。星がとても好きだったので天体望遠鏡も持っていて、高校1年生ぐらいまでは天文学者になりたいと思っていました。星はそれぞれが恒星であったり、惑星や彗星であったり、一つ一つの性質がまったく違いますし、同じ大きさに見えても近くで見るとサイズが異なります。子どもたちに対しても、一人ひとりに合った医療で個別に対応していきたいという想いを込めて星空をクリニック名にしました。子どもたちにはいろいろな個性があります。みんな違うから、画一的な対応ではなく、一人ひとりからよく話を聞いて診療に取り組んでいます。

こちらには、患者さんが安心して通える工夫が多い印象です。

管理栄養士の食物アレルギーに対するアドバイスや、アトピー性皮膚炎の薬の塗り方などは、おうちで見返せるようパンフレットや手作りの資料をお渡しします。食物アレルギーだけでなく、例えば胃腸炎の時や便秘の時にどういうものを食べさせたらいいのかといったホームケアの方法、自宅で手軽に作れる経口補水液の作り方など、ちょっとした体調不良時の対応、離乳食のレシピなどを盛り込んでいます。子どもたちが楽しむという点では、検査や治療のご褒美にカプセルトイやシールを用意しているほか、待合室にはおもちゃを置くことを嫌がる親御さんもいるので、折り紙を置いています。スタッフが折ったカエルさんやキャラクターの折り紙をプレゼントすると、小さい子たちが喜んでくれますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

塚本容子院長 星空こども・アレルギークリニック6

病気ではないけれど、食がなかなか進まないという子の中には発達障害が隠れていることがあります。その子の発達を含め、成長をトータルで診ていきたいと考えて診療に取り組んでいますので、何か心配なことがあれば、抱え込まずに、医療機関に相談してください。アレルギーに関しては、赤ちゃんの皮膚の湿疹を放置しておくと、経皮感作といって、そこから食物アレルギーになることがわかってきています。赤ちゃんの肌をつるつるすべすべの肌にキープすることが、食物アレルギーの予防という意味でも大切なことなので、早めに受診してください。病気だから受診するというだけでなく、栄養を含め発育・発達で心配なことがあれば気軽に相談に来てください。専門的な正しい情報をお伝えし、親御さんが安心して楽しく育児を続けていけるようサポートをしていきたいと思います。

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