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食物アレルギーの検査と治療
専門家を受診するメリットとは

星空こども・アレルギークリニック

(宝塚市/仁川駅)

最終更新日:2024/04/12

星空こども・アレルギークリニック 食物アレルギーの検査と治療 専門家を受診するメリットとは 星空こども・アレルギークリニック 食物アレルギーの検査と治療 専門家を受診するメリットとは
  • 保険診療

原因となる食べ物を摂取したり触れたりすることでアレルギー反応を起こし、じんましんや喘息、重篤な場合はショック症状でアナフィラキシーを起こすこともある食物アレルギー。症状が皮膚や呼吸器、消化器や循環器など全身に現れることも食物アレルギーの特徴だ。どの食物が原因なのかを検査し、正しい治療を行う必要があるが、間違った知識や固定概念を持っている人も少なくない。「新しい薬や治療法の選択肢が増えるなど、アレルギー科は進化している分野です」と話すのは、日本アレルギー学会アレルギー専門医で「星空こども・アレルギークリニック」の塚本容子院長。アレルギーのスペシャリストである塚本院長に、食物アレルギーに関する疑問や治療について詳しく聞いた。

(取材日2024年3月21日)

食物アレルギーの検査と治療、アレルギー専門医による診療のメリットとは

Qどのような症状が出た時、食物アレルギーを疑えばいいのですか?
A
星空こども・アレルギークリニック アレルギー科の専門の施設で学び、外来を担当してきた塚本院長

▲アレルギー科の専門の施設で学び、外来を担当してきた塚本院長

代表的な症状はじんましんです。近年わかってきたことなのであまり知られていませんが、乳幼児の場合、特定の食品を食べた後に嘔吐の症状を繰り返すようであれば、消化管アレルギーを疑います。消化管アレルギーは、検査をしても数値に現れないのが特徴です。卵の黄身や牛乳が原因であることが多く、症状は嘔吐だけでじんましんが出ないケースもあり、誤って胃腸炎と診断されていることもあるため注意が必要です。じんましんや嘔吐の他にも、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難、下痢、咳や腹痛などの症状の他、アナフィラキシーに至る可能性もあるので、何らかの症状が出た場合は、早めにアレルギー専門の医師のもとを受診することをお勧めします。

Q食物アレルギーは治らない病気なのですか?
A
星空こども・アレルギークリニック クリニックで作成した資料などを用いながら丁寧に説明を行う

▲クリニックで作成した資料などを用いながら丁寧に説明を行う

乳幼児で発症する食物アレルギーは原因が卵、牛乳、小麦、大豆が多く、年齢を重ねるごとに症状が軽くなっていくことが多いです。一方で小学生以上、特に大人になってから発症した食物アレルギーは治りにくいといわれています。3歳以上から発症する食物アレルギーは、アレルゲンがナッツなどの嗜好品やそばであることが多く、特にナッツは治りにくい食物アレルギーの一つです。食物アレルギーが疑われる場合は早めにアレルギー科を受診し、アレルゲンを特定する検査を受けることが重要です。

Q食物アレルギーの検査・治療について教えてください。
A
星空こども・アレルギークリニック 血液検査やプリックテストなどより専門的に検査を行うことが可能

▲血液検査やプリックテストなどより専門的に検査を行うことが可能

主な検査は血液検査です。血液検査では陰性でも症状が出る場合は、皮膚に小さな傷をつけ、そこに対象となる食物の液か食物自体をつけ、30分程で結果が出るプリックテストを行います。パッチテストは2日ほど原因物質を貼って反応を見ます。この他、当院では食物経口負荷試験も可能です。これまで食物アレルギーではアレルゲンである食べ物を完全除去していました。しかし今は、食物経口負荷試験を行い、食べても問題ない量を把握して摂取する方向にシフトしています。主症状のじんましんの治療薬については抗ヒスタミン薬、症状が強い場合はステロイド薬を使用することもあります。アナフィラキシー時はアドレナリンを注射します。

Qこちらでは管理栄養士による栄養相談も行っているのですね。
A
星空こども・アレルギークリニック 管理栄養士が在籍し、おいしく楽しい除去生活ができるよう支える

▲管理栄養士が在籍し、おいしく楽しい除去生活ができるよう支える

管理栄養士が在籍するクリニックが少ない中、当院では火曜と水曜の午後、栄養相談を実施しています。食物アレルギーの場合、お母さんは「あれもこれも食べられないのではないか」と考えて心配ですし、「少しなら食べてもいいですよ」とだけ言われても、具体的な量がわからず放置してしまうことにもなりかねません。当院ではアレルギーの診断だけでなく、どういう調理法で、どういう物を食べさせたら良いのか、メニューやレシピ、代替えとなる栄養素、このお菓子なら大丈夫など、おいしく楽しい除去生活をめざしてアドバイスをしています。資料やパンフレットもお渡ししていますから、家で見返しながら取り組むことができます。

Qアレルギー専門のクリニックで診てもらうメリットは何でしょう?
A
星空こども・アレルギークリニック 湿疹や食事の悩みは様子見せずに早めに相談してほしいと話す院長

▲湿疹や食事の悩みは様子見せずに早めに相談してほしいと話す院長

血液検査以外の検査にも対応し、より精度の高い診断につなげられる点が一番のメリットだと思います。アレルゲンの除去に関しても、当院では管理栄養士から、食べさせ方や除去の仕方を具体的に伝えていますから取り組みやすいと思います。また、食物アレルギーだけでなく、離乳食がなかなか食べられない、体重が増えない、貧血、肥満、偏食などの相談にも対応しています。食物経口負荷試験は専門の医療施設でなくても受けられますが、検査実施するにあたっては届け出が必要ですし、アナフィラキシーを起こすリスクもあるため、行っているクリニックは少ないと思います。当院の場合、リスクが高い人は専門病院に紹介する体制を整えています。

ドクターからのメッセージ

塚本 容子院長

赤ちゃんの湿疹や食事に関するお悩みがあった場合、様子見をせず早めに相談していただくことが食物アレルギーの予防につながります。湿疹を放置しておくと、経皮感作といって皮膚から触発されて食物アレルギーになることがわかってきました。乳幼児期のアトピー性皮膚炎から、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など、次々とアレルギー疾患が現れるアレルギーマーチを起こすこともありますから、スタートの治療がとても重要です。湿疹があればまずその治療を行い、健康な状態の肌をキープすることが食物アレルギーを予防する上でも大切なので、早めの受診を心がけてください。

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