小泉 岐博 院長の独自取材記事
北千住大腸肛門クリニック
(足立区/北千住駅)
最終更新日:2024/01/22
北千住駅から徒歩約4分の立地に所在する「北千住大腸肛門クリニック」。院長を務める小泉岐博(こいずみ・みちひろ)先生は、長らく大学病院で大腸がんを中心とした消化器の診療、内視鏡検査などの研鑽を積み、また同クリニックの本院にあたる「西新井大腸肛門科」では、肛門疾患の治療を受け持ってきた。消化器官から肛門までをまとめて診療できる北千住大腸肛門クリニックでは、肛門疾患診療、内視鏡診療、地域におけるがん診療の3つを柱として掲げる。女性専用の待合スペースや男女別に分かれた内視鏡検査の準備室を設置するなど、患者が通いやすいよう配慮も行き届いている。肛門疾患の日帰り手術やがん患者の手術後のフォローアップにも力を入れる小泉院長に、同クリニックの特徴について話を聞いた。
(取材日2023年10月10日)
消化器から肛門までを一手に受け持つクリニック
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
食道から肛門までを一貫して診ることができるクリニックです。胃や腸と肛門はつながっている臓器ですから、本来はバラバラに分けて診るものではないはずです。例えば、当院には肛門からの出血や血便を訴えて来院される患者さんが多いのですが、その原因が大腸なのか肛門なのかは、ご本人にはわからないですよね。内科で内視鏡検査を受けて腸に問題がないとわかれば、肛門が原因だろうと結論づけられますが、肛門も同時に診られる医療機関でないと、それ以降の診療は専門の機関で、というケースも少なくありません。当院では、そこから先の治療までを一連の流れで行うことができます。また、初診時に問診で肛門疾患が疑われる場合は、その場で肛門の状態を診察します。そこで診断がつき、肛門からの出血であることが明らかな場合は、内視鏡検査に先んじて治療に入ります。不必要な検査を避け、患者さんの時間や金銭的な負担も軽減することも心がけています。
肛門の疾患に関しては、日帰りの手術にも対応されているのですね。
肛門の三大疾患である痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうのうち、痔核に関しては注射を用いる硬化療法で日帰り治療を行うクリニックも多いと思います。ただ、症状によっては切除したほうがいいものもあり、当院ではそうした切除手術も日帰り手術が可能です。また、裂肛や痔ろうも大抵は日帰り手術で対応できます。また、当院では患部に直接麻酔を打つ局所麻酔よりも痛みに配慮した状態で手術を行うことができるよう仙骨部硬膜外麻酔を使用します。入院が必要な手術を行う場合は、本院にあたる「西新井大腸肛門科」との連携治療をしています。幅広い肛門疾患の手術に対応できるよう、これらの環境を用意しています。
病院勤務時代の大腸がんの診療経験を生かし、患者の手術後フォローアップも行っていると伺いました。
大腸がんに関しては、不幸にして手術後に再発してしまっても、早い段階であれば治癒が見込める可能性があります。再発リスクのある方は手術後のフォローが大切です。大腸がんの方であればだいたい3ヵ月ごとに採血検査、6ヵ月ごとにCT検査などの画像診断でチェックしています。その他、内視鏡検査も2~3年に1度くらい行うようにしていますね。そうして大腸がん治療の手術後、5年間再発がみられなければ、僕は患者さんに「卒業です」とお伝えします。現在、がん患者さんについては術後のフォローアップを中心にしていますが、治療中の方の疼痛管理や、大きな診療施設では話せなかった悩みの相談で来院される患者さんにも対応し、地域の中でがん患者の方をサポートもしていきたいですね。
患者の通いやすさに配慮した院内設備
こちらのクリニックの患者層について教えてください。
お尻に何らかの悩みがあって来院される方が全体の6~7割くらいです。肛門の疾患に関しては、インターネットで当クリニックを調べて遠方から来られる方が多いですね。北千住にはつくばエクスプレスも通っていますし、筑波のほうからいらっしゃる患者さんもおられます。好アクセスの立地で、通勤途中に来院していただきやすい場所のため、お仕事をされている若い年齢層の方々にも喜んでいただけるのではないでしょうか。また、近隣にお住まいの方を中心に、内視鏡検査など消化器全般のお悩みでいらっしゃる方が2割ほど、他にはがん手術後のフォローアップで通院される方も2割くらいおられます。僕が以前にがんの手術を担当した患者さんが、現在はフォローのため当クリニックに通われるというケースも多いです。
こちらのクリニックは分院とのことですが、その役割についてお聞かせください。
近隣に暮らしておられる方々はもちろんですが、北千住駅は5つの路線が乗り入れる交通の要所ですから、通勤や通学で電車を利用される方や遠方にお住まいの方、これまで本院のある西新井まで来ることができなかった方々に向けて、広く診療を展開していきたいですね。通勤の合間に利用される方に応えるためにも、日帰り手術などできるだけ短期間で診療を完結することがキーになると考えています。大きな病院ですと、定期的なフォローアップで通院する際にも待ち時間が長くなることが多いのですが、その点、当クリニックは小回りが利きますので、比較的簡便に利用できるのではないかと思います。
クリニック内の設備についてもお聞かせください。
内視鏡検査では、胃カメラ・大腸カメラともに操作性の高い先進の機種をそろえています。胃カメラは喉を越える時に「おえっ」となりにくい経鼻のスコープを準備しています。また鎮静剤によってできるだけ苦痛の軽減をめざしています。大腸カメラでの検査については、事前に下剤を飲んでいただく必要がありますが、ご自宅で飲むことが難しい方のために、医療スタッフが近くにいる院内で服用できるよう、専用スペースを設けています。検査後もリカバリールームを用意してありますので、安心してお休みいただけます。また、女性専用の待合スペース設置や、内視鏡検査の準備室を男女別にするなど、来院に抵抗のある方にも通いやすいよう配慮しています。
患者に寄り添った診療を提供したい
患者さんと関わる際に大切にしていることは何でしょうか?
良いコミュニケーションが的確な診断や治療につながると思っているため、患者さんのファーストインプレッションを大切にしています。患者さんと話す中で、丁寧な口調で接してほしい方なのか、あるいは身構えなくて済むようフランクに接してほしい方なのか、といったことも考えて、患者さんに合わせた関わり方をするようにしていますね。なかなか話しにくい内容を話していただくこともあるかと思いますし、その方の波長に合わせて接することを心がけています。また、相談を受けた以上は、自分の専門範囲については極力、当クリニックだけで治療を完結できるようにしてあげたいと考えています。日帰り手術などに力を入れているのも、その一環なんですよ。
急患や入院が必要な方への対応についてもお聞かせください。
急な出血や痛みなどで具合が悪くなった方は、予約なしで随時診療いたしますし、また急な入院が必要となれば、入院設備がある本院の西新井大腸肛門科との連携もスムーズに行うことができます。西新井には僕自身も週1回勤務していて、入院が必要な方の手術を受け持っていますので、僕が本院に勤務する日との患者さんのご都合が合えば、手術も担当します。手術後は、患者さんの利便性に応じて、フォローを当クリニックで行うことも可能ですよ。他にも、僕の出身大学である日本医科大学が千駄木にあり、そちらでも非常勤で診療しています。消化器疾患の中でも腸管閉塞や腹膜炎などの外科手術が必要な場合などは、すぐに日本医科大学付属病院を紹介できる点もメリットかと思います。
読者へメッセージをお願いします。
お尻のお悩みは命に直結することではなくても、毎日の生活に関わることですよね。長期間抱え込んでいると、それだけで日々の生活の質をかなり落としてしまいます。治療でそれを解消できるならば、その先の人生にとってもかなりのプラスになるはずですので、ぜひ一度診察を受けていただければと思います。また、患者さん自身が大した症状ではないと思っていても、実はがんの可能性もあるかもしれません。お尻に関するお悩みがしばらくの間続いているようでしたら、まずはお気軽に来院してみてください。