小泉 岐博 院長、馬場 真木子 先生の独自取材記事
北千住大腸肛門クリニック
(足立区/北千住駅)
最終更新日:2026/06/04
お尻の痛みや出血、便通の悩みは、人に相談しづらく、受診をためらう人も少なくない。特に女性にとって肛門科の受診はハードルが高く、一人で悩むケースもある。北千住駅から徒歩約4分の「北千住大腸肛門クリニック」。小泉岐博(みちひろ)院長は、大学病院で大腸がんを中心とした消化器診療や内視鏡検査の研鑽を積み、本院にあたる「西新井大腸肛門科」では肛門疾患の治療経験を重ねてきた。同院では、肛門疾患診療・内視鏡診療・地域におけるがん診療を柱に、食道から胃・腸・肛門までを一連の流れで診療している。2026年4月からは、女性専門の肛門外科クリニックで女性の悩みに向き合ってきた馬場真木子先生も加わり、女性がより相談しやすい体制も整えた。小泉院長と馬場先生に、同院の特徴と患者に寄り添う診療への思いを聞いた。
(取材日2026年4月20日)
消化器から肛門までを一手に受け持つクリニック
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

【小泉院長】当院の特徴は、食道から肛門までを一貫して診ることができる点です。例えば、「便に血が混ざった」「お尻から出血した」という場合、その原因が大腸にあるのか肛門にあるのか、患者さん自身が判断するのは難しいですよね。当院では問診で肛門疾患が疑われる場合は、その場で肛門の状態を診察し、肛門からの出血であることが明らかな場合は、必要以上の検査を行うのではなく、まず治療を開始します。一方で、大腸の病気が疑われる場合には内視鏡検査でしっかり確認します。消化器と肛門の両方を診られるからこそ、患者さんにとって必要な診療を見極めやすいと考えています。
どのような方が通っているのですか?
【小泉院長】お尻に何らかの悩みがあって来院される方が全体の6~7割です。北千住には複数の路線が乗り入れていますから、遠方からの患者さんもいらっしゃいます。その他には内視鏡検査など消化器全般のお悩みや、がん手術後のフォローアップで通院される方も多いです。また2026年4月から馬場先生の診療が始まり、「女性医師に相談したい」という患者さんにも来ていただきやすくなったと感じています。
【馬場先生】肛門科は、女性にとってハードルが少し高い診療科だと思います。女性医師が診療に加わることで、「女性の先生ならば話しやすいかも」と気軽に相談してもらえたらうれしいです。
お尻の症状に悩む女性は多いのでしょうか?

【馬場先生】とても多いです。私はこれまで女性専門の肛門外科クリニックにて診療を行ってきたのですが、10代から90代までさまざまな年代の患者さんが来院されました。女性は生理やダイエット、妊娠や出産に伴い便秘となり、その結果として肛門にトラブルを来すことが多いのです。さらに女性は外出先や仕事場で排便することをためらったり、育児に追われて便意があっても我慢してしまう方も多く、これも便秘を悪化させる要因になります。また、友人や家族とも便の話をすることがないため自分の出している便が当たり前の形であると思っていることも多いのですが、実は理想の便ではなかったりすることも多いのです。これまで勇気を持って女性専門肛門外科の外来を受診された患者さんの中には「お尻のトラブルで悩んでいるのは私だけではないんですね」とホッと安心される患者さんを多く見てきました。
幅広い症状に対応できる設備と体制
肛門の疾患に関しては、日帰りの手術にも対応されているのですね。

【小泉院長】肛門疾患の中には、薬で症状を抑えるだけでなく、手術によって改善をめざしたほうが良いケースもあります。当院では、痔核、裂肛、痔ろうなどに対して、症状や病態に応じて大部分のケースでは日帰り手術を行っています。ただし、病気の状態によっては入院手術が必要な場合もあり、本院である西新井大腸肛門科と連携して対応します。薬や生活習慣の改善で症状を抑えることから手術が必要なケースまで、患者さんの状態に応じた治療を提案できる体制を整えています。
クリニック内の設備についてもお聞かせください。
【小泉院長】内視鏡検査では、胃カメラ・大腸カメラともに操作性の高い先進の機種をそろえました。胃カメラは嘔吐反射の少ない経鼻のスコープを準備しており、鎮静剤によって苦痛の軽減をめざしています。大腸内視鏡検査では、事前に下剤を飲んでいただく必要がありますが、ご自宅で飲むことが難しい方は、院内の専用スペースで服用することも可能です。検査後はリカバリールームでゆっくりお休みいただけます。
【馬場先生】女性専用の待合スペースやトイレの設置など、受診に抵抗のある方も通いやすいよう配慮しています。大腸がんは、女性のがんによる死亡原因の第1位となっています。お尻から出血があったり、便潜血検査で陽性になった場合、便通異常などの症状があった際は、放置せずにいらしてください。いぼ痔や切れ痔などの肛門疾患以外に大腸に重大な病気が潜んでいることもあります。
大腸がんの手術後フォローアップも行っていると伺いました。

【小泉院長】大腸がんに関しては、手術後に再発してしまっても、早い段階であれば治癒が見込める可能性があります。再発リスクのある方は手術後のフォローが大切です。大腸がんの方であればだいたい3ヵ月ごとに採血検査、6ヵ月ごとにCT検査などの画像診断でチェックしています。その他、内視鏡検査も2~3年に1度くらい行うようにしていますね。現在、がん患者さんについては術後のフォローアップを中心にしています。大きな病院での治療が一段落した後も、「再発は大丈夫だろうか」「この症状は相談すべきなのか」と不安を抱える方は少なくありません。そうした方が地域の中で継続して相談できる場所でありたいと考えています。
患者の気持ちに寄り添った診療を提供したい
急患や入院が必要な方への対応についてもお聞かせください。

【小泉院長】急な出血や痛みなどで具合が悪くなった方は、予約なしで随時診療いたしますし、また急な入院が必要となれば、入院設備がある本院の西新井大腸肛門科との連携もスムーズです。西新井大腸肛門科には僕自身も週1回勤務していますので、患者さんのご都合が合えば手術も担当します。手術後は、患者さんの利便性に応じて、フォローを当院で行うことも可能です。僕の出身大学である日本医科大学にも非常勤で診療していますから、腸管閉塞や腹膜炎などの外科手術が必要な場合などは、すぐに日本医科大学付属病院を紹介できる点もメリットかと思います。
院長が患者さんと関わる際に大切にしていることは何でしょうか?
【小泉院長】良いコミュニケーションが、適切な診断や治療につながると考えています。特に肛門の症状は話しづらい内容も多いので、初めてお会いしたときの表情や話し方、緊張の度合いなどを見ながら、その方に合った距離感で接するように心がけています。丁寧に説明を受けたい方もいれば、あまり身構えずにフランクに話したい方もいらっしゃいます。患者さんが安心して話せる雰囲気をつくることを大切にしています。また、自分の専門範囲については、できるだけ当院で治療を完結できるようにしたいと考えています。日帰り手術などに力を入れているのも、その一環なんですよ。
馬場先生はいかがですか?

【馬場先生】私も院長と同じくコミュニケーションを大切にしています。日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医の資格を持つ女性の医師はそう多くはありません。異常を感じながらも「恥ずかしい」などの理由からこれまで肛門科を受診できず、「女性の先生ならば」と思いきって受診された患者さんに対して、丁寧に寄り添った診療ができるよう心がけています。診察後は女性患者が手にしても恥ずかしくないようなクリニックオリジナルの冊子を用いて病状説明をいたします。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
【小泉院長】お尻の悩みはすぐに命に関わることではなくても、毎日の生活の質に大きく関わることですよね。お尻の痛みや出血、便通の不調を長く抱えていると、それだけで日常生活の負担になってしまいます。治療によって改善をめざせる症状も多いので、「このくらいで受診していいのかな」と迷わず、一度ご相談いただければと思います。
【馬場先生】女性がお尻のトラブルで悩むことは、決して特別なことでも恥ずかしいことでもありませんので不調を感じた際には専門の医師を早めに受診いたしましょう。

