各種生活習慣病にも着目
運動・食事管理で持続可能な糖尿病治療を
はまゆり糖・生活習慣病クリニック 溝の口
(川崎市高津区/溝の口駅)
最終更新日:2024/07/31


- 保険診療
厚生労働省の2019年の国民健康・栄養調査では、日本人の約3割が糖尿病またはその予備群と考えられ、まさに国民病となっている。そうした糖尿病をはじめ、各種の生活習慣病や内分泌疾患を専門に診療するのが「はまゆり糖・生活習慣病クリニック 溝の口」だ。原興一郎院長は日本糖尿病学会糖尿病専門医および日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。大学病院では糖尿病を中心とした生活習慣病、甲状腺や下垂体、副腎などの内分泌疾患を数多く診療してきた。現在は20代から90代まで幅広い患者が訪れる同院で、患者の全身の健康を見据えた包括的な診療のもと、一人ひとりのライフスタイルを考慮した「続けられる治療」を大切にしている。同院の診療方針や、糖尿病とその他の生活習慣病の治療、内分泌疾患との関連性などを聞いた。
(取材日2023年6月12日/再取材日2024年5月7日)
目次
糖尿病を中心に各種の生活習慣病や内分泌疾患に対応。全身の健康を前提に「続けられる治療」をめざす
- Q先生の専門分野やクリニックの特徴を教えてください。
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A
▲糖尿病専門医、内分泌代謝科専門医の資格を持つ原院長
専門は糖尿病と内分泌疾患で、東京慈恵会医科大学やその関連病院で研鑽を積み、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医を取得しました。内分泌代謝・糖尿病内科領域を後進に指導する立場でもあります。大学病院で携わってきたのは、糖尿病を中心とした生活習慣病、甲状腺や下垂体、副腎などの内分泌疾患です。現在も、虎の門病院分院で非常勤医師として外来診療に携わっています。また、当院には糖尿病の療養指導について専門的に学んだ看護師が在籍しており、医師・看護師ともに専門知識を生かして、糖尿病に悩む患者さんの気持ちに寄り添った診療を提供しています。
- Q糖尿病はどのように治療するのでしょうか?
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A
▲個人のライフスタイルに合わせた治療法の提案
一般的に糖尿病の診断基準に使われるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値だけでなく、低血糖や高血糖を減らし、良質な血糖コントロールを達成できるよう努めています。糖尿病は1型や2型が有名ですが、膵臓や肝臓の病気、薬剤の影響など、原因はさまざまです。症状を見極めて全身の状態をきちんと把握し、その方に合った治療法を選択しています。重症の場合を除き、治療は食事指導や運動指導による生活習慣の見直しから始め、それでも難しい場合には薬物療法も取り入れます。いずれの場合も大切なのは長く続けられること。患者さんのモチベーションを保てるよう、ライフスタイルに合わせた目標と治療計画を立てています。
- Q糖尿病に加えて内分泌疾患も診療されるのはなぜですか?
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A
▲女性の臨床検査技師による超音波検査を実施
内分泌臓器が作るホルモンは体の機能維持に必要で、バランスが崩れると体に不調が生じます。糖尿病も膵臓が分泌する「インスリン」の不具合で起こるなど、内分泌と深く関係するのです。その他、内分泌疾患には甲状腺疾患・下垂体疾患・副腎疾患が多く、甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる甲状腺機能亢進症ではバセドウ病、少なくなる甲状腺機能低下症では橋本病がよく知られています。下垂体疾患や副腎疾患は、糖尿病の原因にもなり得ます。いずれも症状は多岐にわたることから、当院では受診された方に内分泌疾患が疑われる場合、問診に加えて血液検査や女性の臨床検査技師による超音波検査なども行い、病気の特定につなげています。
- Q糖尿病以外にさまざまな生活習慣病も診療されるのですね。
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A
▲安心して悩みを相談できる環境づくり
糖尿病をはじめ、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症などは患者さんの生活習慣や遺伝的な要因が関係し、これらが併存することもよくあります。そのためまとめて診療する必要があるのです。例えば、足の指の痛みなどで知られる痛風は尿酸が結晶化して関節に炎症が起きた状態で、高尿酸血症の代表的な症状の一つ。糖尿病の治療では合併症の有無、心筋梗塞や脳梗塞といった病気の有無、患者さんの喫煙や食事などの生活習慣も考慮しながら治療内容を検討します。また、生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群にも関連性があり、互いに悪影響を及ぼすともいわれています。家族にいびきを指摘された方、寝苦しいなどの心配な症状がある方は一度ご来院ください。
- Qどのようなときに受診したらよいのでしょうか?
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A
▲長く持続できる糖尿病治療を提案している
糖尿病や内分泌疾患は初期段階では気づきにくので、健康診断の結果にチェックがついたり、今お話ししたことで心当たりが一つでもあったりすれば、気軽にご相談ください。なお、生活習慣病についてインターネットで調べると「炭水化物制限」や、野菜を最初に食べる「ベジファースト」などが目につきますが、それらがすべての方に適しているとは限りません。必ず専門の医師に診てもらい、ご自身の症状に合った方法を行ってください。その際は「長く続けられる治療」であることも大切。当院は必要に応じて管理栄養士によるオンライン栄養相談を行い、コンビニでの食品の選び方など、患者さんの年齢やライフスタイルも考慮した治療を提案しています。