前にかがむと痛いなどの原因を追究
腰痛やぎっくり腰を適切に診断
日野まつ整形外科
(日野市/日野駅)
最終更新日:2024/06/24
- 保険診療
重いものを持ったり、前かがみになったりと、何かしらの動作がきっかけで生じる腰の痛み。中には激しい痛みを感じたり、それが長く続くこともある。「ぎっくり腰だ」と自己判断されることも多いが、原因はぎっくり腰だけだとは限らない。「日野まつ整形外科」の松林紘平院長によると、痛みの原因が変形性腰痛症や椎間板ヘルニアだったり、骨折や腫瘍といった重い症状が隠れていることもあるという。院長が整形外科への受診を勧めるのは、特に脊椎を専門とする医師はこれらの疾患について熟知し、問診・視診・触診やエックス線画像も踏まえて総合的な診断を行えるからだ。今回は松林院長に、ぎっくり腰を自覚したらどうすれば良いか話を聞いた。
(取材日2023年5月20日/更新日2024年6月18日)
目次
「ぎっくり腰だ」と思ったら早めに整形外科を受診。医師による適切な診断で、痛みの原因を知ることが重要
- Qぎっくり腰とはどのような状態を指すのでしょうか?
-
A
一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれているものは、急性腰痛症に分類されます。患者さんが腰の痛みで来院される場合「前にかがむと痛い」「急に痛みが出て治まらない」など、その訴えはさまざまです。原因も変形性腰痛症や椎間板ヘルニアだけではなく、骨折や腫瘍の可能性もあります。これらの病名がつかない場合に「急性腰痛症」と診断されることがあり、その一つが「ぎっくり腰」ということですね。何かしらの動作がきっかけで生じ、身の置き所がないほどの激しい痛みを感じる方もいらっしゃいます。
- Qぎっくり腰になったらどうすれば良いのでしょうか?
-
A
まずは整形外科を受診してください。ご自身で「ぎっくり腰だ」と思っても、実は他の病気だったということもあるからです。また痛みが長く続いてしまうと、その痛みは取りにくくなってしまい、慢性的な腰痛につながりかねません。もし痛みが治まったように思えても、根本の原因が解決していなければ再発してしまうこともあり得ます。他の箇所への影響も無視できません。腰が痛いと自然と腰をかばうような動きになり、肩や足に負担をかけてしまうケースは多いんですよ。日常生活に支障が出ないように、他に影響する前に一つずつ、早い段階で治療することが大切なのです。
- Q受診することの大切さをもう少し詳しく教えてください。
-
A
病気をきちんと治療するためには、医師による適切な診断と治療が必要です。もし症状が急性腰痛症のみであった場合、時間がたてば自然に治まることもあります。ですが他の原因があるのかどうかはご自身ではわかりません。市販薬やマッサージで一時的な痛みの緩和は見込めますが、症状を適切に判断するためには、やはりエックス線画像などの客観的な指標が不可欠です。薬の飲み合わせの問題もありますね。特にご高齢の方ですと他科の薬を飲んでいる方も多く、自己判断での市販薬の購入は適切とは言いきれません。医師はその辺りも考慮しながら、症状に合った薬を適切に処方します。
- Qやはり脊椎の専門の先生に診てもらうのが良いのでしょうか?
-
A
そうですね。整形外科で脊椎を専門とする医師は、これまでに挙げたような病気をすべて熟知しています。「腰が痛い」といった漠然とした捉え方ではなく、動作と痛みの関連性や他の箇所への影響も診ながら、問診・視診・触診結果を踏まえて総合的に判断します。専門知識や経験を持ち、エックス線画像から読み取れる情報も多いです。脊椎を専門とする医師ならば、腰の痛みを安心して任せられると言えるでしょう。当院では、他科の病気の可能性も視野に入れ、必要な際にスムーズに連携できる体制も整えています。
- Q自己判断せず、専門の医師に診てもらうことが重要なのですね。
-
A
そのとおりです。腰の痛みといっても、変形性脊椎症や椎間板ヘルニア、腰椎分離症や腰椎すべり症など、原因となる病気はいくつもあります。もし足のしびれや痛みもある場合には、それもおそらく急性腰痛症の範囲ではないでしょう。病気によっては足の筋力が落ちたり動かせなくなったりする可能性もありますから、軽視してはいけません。他にも、細菌の感染による椎間板脊椎炎が起こっていたり、骨折していたり、腫瘍の影響で骨が溶けたりと重い病気が隠れていることもあります。腰の痛みを「ぎっくり腰だ」と自己判断せずに、早めに整形外科を受診することをお勧めします。