理学療法士が行うリハビリテーション
無理なく機能回復をめざす
日野まつ整形外科
(日野市/日野駅)
最終更新日:2024/06/24
- 保険診療
痛みを取り除くことをめざしたり、体の機能を回復させるためのリハビリには、大きく分けて「物理療法」と「運動療法」の2種類がある。「日野まつ整形外科」の松林紘平院長いわく、定められた期間内で良い結果を出すには、機械を中心とした物理療法だけではなく、理学療法士の技術と知識を生かした運動療法が必要なのだという。広いリハビリ室を有する同院では、医師と理学療法士の連携も重視して、安全に配慮した効果的なリハビリの提供をめざす。対象となる症状は幅広く、肩・膝・腰などの関節や筋肉に痛みを感じる疾患や、骨折の治療後、またアスリートの治療中の体力維持にもリハビリが利用されている。今回は、同院のリハビリの特徴や、理学療法士が主導となって行うリハビリのメリットについて話を聞いた。
(取材日2023年5月20日/更新日2024年6月18日)
目次
理学療法士の技術と知識を生かしたリハビリ。物理療法と運動療法を組み合わせ、無理なく機能の回復をめざす
- Qリハビリには物理療法と運動療法があるのですね。
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A
そうですね。「物理療法」は、機械を中心とした物理的手段を用いるものです。装置を使ってのけん引や低周波治療、また消炎鎮痛のためのマッサージもこちらにあてはまります。「運動療法」とは、理学療法士が患者さんに対して一対一で行う、関節の可動域の訓練、運動や生活習慣の指導を伴うものです。関節や筋肉の状態を確認しながら痛みを和らげることをめざしたり、骨粗しょう症の患者さんには骨に負担のかかりにくい動きを指導するなど、一人ひとりに合わせて調整します。リハビリとは、患者さんの快適な生活をサポートするためのものです。物理療法と運動療法を組み合わせ、体の機能回復を図りながら、痛みを感じにくい生活へと導きます。
- Qどのような疾患の場合にリハビリが必要なのでしょうか?
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A
肩・膝・腰など関節や筋肉に痛みを感じる疾患は、幅広くリハビリの対象となります。病名を挙げるならば、五十肩(肩関節周囲炎)、変形性膝関節症、変形性脊椎症、変形性股関節症、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、坐骨神経痛などですね。また、骨折の治療後は関節が硬くなり痛みが生じやすくなっていますから、関節の動きを元の状態に戻していくためにリハビリを利用します。またアスリートの方ですと、骨折の治療中に他の筋肉の衰えを防ぐためにリハビリをすることもありますね。その場合、患部以外の箇所でしたら、治療中でもトレーニングが可能です。
- Qこちらのクリニックでのリハビリの特徴を教えてください。
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A
理学療法士が主導となって行うのが、当院のリハビリの大きな特徴です。物理療法で痛みを取り除くことを図りながら、運動療法で症状の改善をめざします。理学療法士による運動療法は担当制で、その他に柔道整復師なども在籍しています。めざすゴールに向け、無理なくステップアップできるようプログラムを組み立てます。院内に広いリハビリ室を備え、頸椎や腰椎を効率良くけん引するための装置、筋肉および神経を刺激して痛みを和らげるための低周波治療器など、各種治療機器を備えています。
- Qなぜ理学療法士によるリハビリに注力されているのですか?
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A
理学療法士の強みは、患者さんに実際に触れながら関節や筋肉の動作分析ができ、エックス線写真の読影などの知識も持つ点にあります。理学療法士はその知識と技術を生かし、定められた期間内で良い結果を出せるよう、物理療法と運動療法を組み合わせてリハビリを進めます。硬くなった筋肉にアプローチし、痛みを取り除くことや関節の可動域を広げることをめざします。これは機械を中心とした物理療法だけでは難しいことです。先ほど骨折中のアスリートの例を挙げましたが、現代ではご高齢になってもスポーツを楽しまれる方が増えています。関節・筋肉・骨と多角的に捉えながら体力維持のお手伝いができるのも、理学療法士だからこそだと思います。
- Q理学療法士との連携について教えてください。
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A
当院では、医師と理学療法士の情報共有を密に行っています。患者さんとの会話やリハビリ中に理学療法士が違和感を感じたら、すぐに私にフィードバックしてくれます。診察室で接しているだけではわからないこともあるのですね。私もまた、リハビリや薬の効果を確認した上で、理学療法士にプログラム見直しの指示を出すこともあります。このようにそれぞれの視点を持ち寄りながら、より効果的なリハビリを提供できるようともに努めています。