精密画像で脳疾患の早期発見へ
早期治療につなげるMRI検査
宮前平脳神経外科クリニック
(川崎市宮前区/宮前平駅)
最終更新日:2023/03/14


- 保険診療
MRI検査というと大学病院など大きな病院で予約をとって受ける検査というイメージを持つ人もいるだろう。放射線を使わず体内の様子を画像化できるMRI検査は、病気の早期発見はもちろん、未病の段階にある病気のリスクから把握することにも有用だ。そんなMRI検査をクリニックレベルの気軽さで受けられるのが、川崎市宮前区の「宮前平脳神経外科クリニック」だ。「頭痛やめまいといった身近な症状の影に深刻な病気が隠れていることも。検査により異常がないことがわかれば大きな安心にもつながります。気がかりは気軽に相談してほしい」と上野龍院長は話す。クリニックでの即日受けられるMRI検査について、その内容や注意点、流れなどを詳しく解説してもらった。
(取材日2023年3月2日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- QMRI検査とはどのような検査なのですか。
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A
MRIは「Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)」の略で、強力な磁力と電磁波により、体内の様子を画像化できます。当院では主に頭部のMRI検査を行うことで、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの病気の有無を調べます。脳萎縮の有無や部分を調べることで、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などの認知症の診断にも役立ちます。頭部の血管を立体画像化できるMRA検査も同時に行うことで、くも膜下出血の原因となる未破裂の脳動脈瘤などの脳卒中リスクを早期に発見でき、生命を守ることや後遺症を残さず対応することにつなげることができます。
- QMRI検査は頭部のみの検査なのでしょうか。
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A
脳、頸椎、脊椎といった頭部が主な検査ポイントとなりますが、撮影自体は全身を対象に行うことが可能です。整形外科での脊髄変性の確認や内科でのMR胆管膵管撮影、婦人科での骨盤内撮影など、幅広い部位の検査が行えます。MRI検査機器を導入しているクリニックは多くなく、検査が必要となると大学病院などへ行くケースが多いと思いますが、大きな病院は遠かったり待ち時間が長かったりと受診の負担が大きいもの。当院では地域のクリニックの先生方からのご依頼によるMRI検査も実施しており、診診連携にも力を入れています。頭部画像は私が、それ以外の画像は専門の放射線科の医師による読影レポートとともに画像データを提供しています。
- Q検査を受ける際の注意点はありますか。
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A
MRIは磁力を用いるので、磁気を帯びる金属類を身につけての検査はNGです。ポンプやペースメーカーなどの医療機器を体内に埋入している方は受けていただくことができません。その他にも、特殊な繊維を使った衣類やカラーコンタクトなど適さないものがあります。検査前に専門の技師が細かく確認し、専用の検査着に着替えた上で検査を受けていただくので、特にご自身で気をつけていただくことはありません。コンタクトレンズ用のケースや保存液もご用意しています。マスカラなどのメイクアップには一部磁性体が含まれていることもあるので、できればつけずに、あるいは検査前に落としていただくことをお勧めします。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診表の記入
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MRI検査を受けるきっかけとしては、頭痛、めまい、物忘れなどが多いという。患者はそれぞれの症状について、内容や頻度、いつから続いているかなど、既往症や服薬歴も含めてチェック項目に従って細かく記入していく。問診票はオンライン上にも用意されており、ウェブ予約を取る際に同時に入力しておくことも可能。事前に自宅などの落ち着いた環境下で入力を済ませておくことで、当日はゆっくりと受診することができる。
- 2医師による診察でMRI検査の必要性を判断
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問診票に記入した内容をもとに、医師の問診を受け、MRI検査の必要性が判断される。検査が必要となれば、基本的には即日検査を受けることができる。頭痛、めまい、物忘れなどの症状が気になっている場合には、ほとんどのケースでまずは一度MRI検査を受けることが勧められるという。
- 3注意点を踏まえてMRI検査を受ける
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検査技師の主導により、検査を受ける。検査前には専用の検査着に着替え、磁気を帯びるなど検査に支障が出る可能性のあるものを身につけていないかを、技師とともに細かく確認する。メイクアップしている場合は、オフする必要があることも。コンタクトレンズも外すことが求められるが、保存用ケースと生理食塩水なども用意されている。用意ができたら検査室に入って横たわり、15分前後で撮影が完了する。
- 4検査結果をもとに医師が状態を説明
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MRI撮影された画像のデジタルデータは、すぐに医療用画像管理システム上にアップロードされ、診察室の画面で確認することができる。そのため、検査後に着替えなどを終えたら、すぐに画像を見ながら医師による説明を受けられる。脳や血管の状態をわかりやすい画像で見ることができ、異常やリスクがあれば、医師とともに確認することができる。
- 5診断結果により治療を受ける
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検査により脳や脳血管に何らかの異常が見つかれば、手術などの対応が可能な医療機関へと紹介される。異常が見られなければ、例えば頭痛であれば緊張型頭痛や群発頭痛、片頭痛などの一次性頭痛と判断され、国際基準に照らしての診断後、投薬など必要な治療が開始する。気になる症状が物忘れである場合、検査とともに認知機能テストなども併用しながら診断を受け、必要に応じて投薬などの治療が開始する。