スポーツの外傷や障害に
1人ひとりに合ったリハビリテーション
なごみ整形外科リウマチクリニック
(茨木市/総持寺駅)
最終更新日:2024/08/15
- 保険診療
スポーツ中のケガや、ボールを投げたときに肩が痛む、ラケットをストロークするときに肘が痛むなど、スポーツによって関節、靱帯、腱、骨などに繰り返し力が加わることで引き起こされるスポーツ障害。ケガや痛みを回復し、障害が再発しない体をつくるためには、スポーツリハビリテーションが役立つといわれている。茨木市総持寺にある「なごみ整形外科リウマチクリニック」では、院長の中谷宏幸先生と、理学療法士や作業療法士が連携を取り、スポーツの現場に復帰することをめざした治療やリハビリを提供している。今回、同クリニックでは、どのようなリハビリを行うのか、患者にどんな指導をしているのか、スポーツリハビリを中心に詳しく教えてもらった。
(取材日2024年7月31日)
目次
スポーツを行う大人から子どもまで。障害のレベル、本人の意向に合わせて綿密なプログラムを作成して実施
- Qこちらのクリニックのリハビリはどんな方を対象としていますか。
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A
当クリニックのリハビリは、高齢者から中高生、小児まで、幅広い年齢層を対象に行っています。主に高齢者は変形性膝関節症など身体機能の落ちた方、あるいは可動域が低下した方に対して、機能回復を目的としたリハビリを行います。一方、若い方はスポーツ関連の疾患が多いため、機能回復に努めるのはもちろん、疾患の原因を診た上で、競技への早期復帰と再発の予防をめざします。当院の理学療法士は、高齢者の機能回復、スポーツリハビリなど、各分野のエキスパートがいます。特にリウマチに関しては、作業療法士が上肢関節の機能障害のリハビリに対応します。患者さんに合わせて広くアプローチできるところが当クリニックの強みですね。
- Q特にスポーツリハビリではどのような訴えが多いのでしょうか。
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A
野球やバレーボールでは肩関節唇損傷などの肩の障害、野球では野球肘、テニスではテニス肘といわれる肘に生じる障害、バスケットボールやサッカーでは靱帯損傷や軟骨損傷、半月板損傷といった膝や関節障害の訴えが多いです。バレエでは無理にかかとを上げるという姿勢が多いので、通常の捻挫も含めて、三角骨の障害など足の障害が多いです。当院では手術に至るまでの段階の治療及び術後のリハビリを提供。スポーツの種類を問わず体幹の筋力や四肢の柔軟性などの不足がケガにつながりやすいので、まずこれらの向上を重視して行います。そしてスポーツの種類に応じ、障害の原因となっている姿勢や体の動きを診て、機能回復と再発予防をめざします。
- Qこちらのクリニックで行うリハビリの特徴を教えてください。
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A
リハビリは理学療法士や作業療法士による運動療法と物理療法を併用して行います。理学療法士が中心となり自身の経験や専門知識をもとに、損傷の程度、競技への復帰時期など患者さんの意向を聞きながらプログラムを作成し、段階的にリハビリを行います。物理療法では、筋肉や健、健と骨の付着部の障害に対して、強い衝撃を組織に与えて修復を促す体外衝撃波も導入しています。また上肢と下肢をスイングさせて体幹のリラクゼーションにつなげる機器は、障害回復のために役立つのはもちろんスポーツのためのコンディショニングづくりにも有用。体組成測定計も取り入れ、四肢体幹の筋力回復程度を確認する指標として活用しています。
- Q理学療法士さんとの連携はどのように行っているのでしょうか。
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A
毎日カンファレンスを行い、積極的にコミュニケーションを取っています。特に新規の患者さんに関しては、しっかり理解してもらうことを心がけています。そして患者さんの状態は日々変わります。診察をした後に、こういうところをもう少し強化しないといけないと判断することも必要となります。さらに当院では強く痛みを訴える患者さんに対しては、超音波ガイド下神経ブロック療法やハイドリロリースも実施しています。その場合も、リハビリを併用することが大切です。そういった方に対して「今日のリハビリではこういうことをしてほしい」とインカムやカルテの機能を活用し、リアルタイムで過不足なく伝えることができるように工夫しています。
- Q運動機能回復のために気をつけるべきことはありますか。
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A
いつまで頑張れば復帰をめざせるという綿密な計画を立てて、患者さん本人に納得してもらった上で進めていくことですね。休むところは十分休むことも大切。焦って勝手に再開してしまうとまた悪化してしまうケースが多いですので、そのあたりはお子さんでも納得してもらえるようにお伝えします。またリハビリはクリニックでだけ頑張ってもなかなか結果は出ないため、大事なところは自宅での運動です。自宅での筋力トレーニングメニューや可動域訓練のメニューを、皆さんにしっかり指導します。自宅で続けられれば、比較的通院の頻度が少なくても対処できる可能性があるので、ご自身の頑張りが必要であることをお伝えしています。