中谷 宏幸 院長の独自取材記事
なごみ整形外科リウマチクリニック
(茨木市/総持寺駅)
最終更新日:2024/09/18
JR総持寺駅から徒歩3分、総持寺駅からは徒歩6分の場所にある「なごみ整形外科リウマチクリニック」。院長を務める中谷宏幸先生は、大阪大学の整形外科に入局して約25年間、その関連病院を中心に長い勤務経験を持つ医師。勤務医時代に培った知識や技術を地域医療に生かすべく、2022年に開業医としての新たな一歩を踏み出した。優しい物腰の中に頼もしさも感じさせる、そんな中谷院長の患者への思いがこもった同クリニックについて、診療内容や注力していること、今後の展望を含めてじっくりと聞いてみた。
(取材日2024年7月31日)
一人ひとりに合わせた幅広い選択肢を用意
まずは開業した理由についてお聞かせください。
私は大阪大学整形外科医局のメンバーとして24年間、整形外科・リウマチ科の医師として関連病院で働き、ここを開業する直前はJCHO大阪病院(旧・大阪厚生年金病院)のリウマチ外科担当部長を務めていました。リウマチ患者さんの診療、膝関節や足などの外科手術をメインに担当していましたが、専門分野に特化するとどうしてもパーツごとに分かれた治療になってしまい、腰も痛いという患者さんを詳しく診て差し上げる時間がなかなか取れません。勤務医の限られた時間の中ではリハビリテーションを含めたトータルな診療ができないという限界を感じ、もっと患者さんのニーズに合った外来診療をしたいと考えるようになりました。自分のこれまでの経験を生かし、多くの患者さんの悩みを解決し、心身の健康に貢献したい。開業をめざしたのはそれが一番の動機です。
開業から2年。現在の率直な感想をお聞かせください。
患者さんの主訴は多岐にわたっていて、腰や肩の痛み、外傷、スポーツ障害、リウマチの診療を目的に来られる方が多いですね。クリニック名を「なごみ」としたのは、患者さんの気持ちを和ませ、リラックスして安心して診療を受けていただきたいという思いからなんです。医療機関に行く時は、どんな先生なのか、どんな治療をするのか、こんなことで行っていいのかと概して不安があるもの。ですが不安から敬遠してしまうと治療を受ける機会を逃してしまい、症状が悪化してしまうことも。当院では患者さんが安心できるように、そして納得して治療を受けていただけるように、一人ひとりと向き合いながら、患者さんの主訴を多く聞ける体制を取っています。開業から2年、赤ちゃんから、認知症でうまく伝えられない高齢の方まで、幅広く来院いただいています。感謝の言葉を直接かけていただく機会があると開業して良かったと思います。
クリニックがめざすところを教えてください。
整形外科の医師としてはもちろん、リウマチを専門とする医師として、これまで長く関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎、変形性関節症といったリウマチと関連する疾患の診療にもあたってきました。これまでの経験を生かし、最新の診断と治療法を取り入れながら手術以外のところは何でも提供できるクリニックをめざしていきたいと思います。痛みが生じる部分に対しては、ペインクリニックで行うような、エコーガイド下での神経ブロック注射や関節内注射、ハイドロリリースでの痛みの治療を実施しています。またリハビリテーションでは、高齢者の身体機能回復に向けたリハビリテーションやスポーツリハビリテーション、関節リウマチといったそれぞれを得意とする理学療法士や作業療法士が勤務しています。患者さんの主訴や思い、忙しさ、経済状況に応じて選んでいただけるような、なるべく多くの選択肢を提供できるクリニックにしたいですね。
骨粗しょう症の早期発見のために、まずは骨密度検査を
骨粗しょう症の早期発見にも努めているそうですね。
骨粗しょう症では、大腿骨近位部骨折と脊椎の圧迫骨折をいかに予防するか、1回骨折してしまった患者さんの場合、二度と骨折させないために何をしていくかが大事になってきます。一度大腿骨近位部を骨折すると手術が必要ですし、手術をしても骨折する前と同じように歩くことは望めない方が大半です。加えて、大腿骨近位部骨折が生命予後にも大きく関わってくることはあまり広く知られていません。例えば、皆さんがんにかかったら、ものすごく落ち込みますが、骨粗しょう症と聞いてもあまり重症という感覚は覚えないのではないでしょうか。ですがそのがんと同程度に生命予後に影響を与える可能性が非常に高いのが骨粗しょう症の結果生じる可能性の高い大腿骨近位部骨折。がんは基本的に予防するのは難しいのですが、骨粗しょう症は予防が図れるところが大きな違いです。
骨粗しょう症には、早期発見・早期治療が大切といわれていますね。
骨粗しょう症は高齢者の病気と思いがちですが、特に女性ではダイエット等で骨密度がピークである20代の時点ですでに数値が低い人もいます。20代の時に低いと、当然30代、40代でも低い状態である可能性が非常に高いです。そして特に女性は50歳前後の閉経をきっかけとして、急激に骨密度も下がっていくことが多いのです。さらに75歳を超えると2人に1人は骨粗しょう症の可能性があるともいわれています。つまり、骨折リスクも高いと思っていただいて間違いではありません。早期発見、早期治療がその方の人生に大きく関わってきますので、若い方も、そして高齢の方は必ず、まずは骨密度検査を受けていただきたいなと思います。また骨粗しょう症の治療はずっと薬を飲み続けるイメージがありますが、骨密度が改善すれば、一旦お休みすることもできますので、必ずしも一生飲み続けないといけない、注射し続けないといけないということではありません。
クリニックでは、小児整形にも対応しているそうですね。
はい。小児整形疾患にも幅広く対応しています。例えば4ヵ月健診で股関節異常を指摘されたお子さんの股関節検査も当院で可能です。赤ちゃんの股関節脱臼が疑われたら、親御さんはものすごく心配すると思いますが、多くの場合は大きな治療を要するほどの変形が起こっているわけではありません。診察して、エックス線や超音波の検査を行うことで、リスクを含めきちんと診ていくことができますので、恐れずに受診していただければと思います。また、学校健診で側弯症を指摘されるお子さんもいますが、その後医療機関を受診しないケースも結構多いのです。それが治療機会の喪失につながるのは非常に残念なこと。適切な医療機関で診察とエックス線撮影を受けることで、診断が見込めます。早く治療介入すれば十分改善が期待できる疾患ですので、ぜひ相談していただきたいですね。
地域交流や健康づくりの拠点に。誰もが集まれる場所へ
整形外科の医師になったきっかけはありますか?
私は学生時代からスポーツをやっていましたが、もともと膝蓋骨を脱臼しやすい体質で、2回目に脱臼した時に必要といわれて手術を受けたのが高校1年生でした。そこからスポーツ障害に興味を抱くようになり、自分と同じように困っている人をなんとかしたいと考えて医学部をめざしました。医師になってからは手術ばかり携わってきましたが、高齢化とともに変形性関節症の患者さんもどんどん増えています。そういう患者さんを手術ではなく、保存で治療したいという考えから、再生医療の動向にも着目しています。もともと大学院では軟骨の再生医療の研究をしていましたから、近い将来にぜひ取り組んでいきたいテーマの一つです。
今後の展望をお聞かせください。
スタッフが充実してきましたので、訪問リハビリテーションや訪問看護にも注力していきたいですね。クリニックまで来れない高齢の患者さんはこれから増えていくと予想されますので、できる限りのことをクリニックでやっていきたいです。また治療はもちろん予防医学やエイジングケアの分野にも力を入れていきたいという思いもあり、価格に配慮し気軽に美容や健康のご相談をいただけるような患者さんの要望に応じた診療メニューを提供したいと思っています。
地域でどのような存在になっていきたいですか?
常に多くの患者さんにご来院いただいて、やりがいも感じていますので、地域にお住まいの方の生涯のかかりつけ医として、体の不調があった時は「なごみに行けばなんとかなる」と思っていただける役割を充実させていきたいです。2ヵ月に1回リハビリテーションルームを活用して、ヨガ教室を行っていますが、健康教室、クラフト作りといった地域の方向けのイベントや医療関係者向け勉強会などもこれからちょっとずつ増やしていき、皆さんが集まりやすい憩いの場所にしていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはビタミン注射/2000円~