荒井 信彦 院長の独自取材記事
あらい和光市駅前 脳外科・神経内科
(和光市/和光市駅)
最終更新日:2024/09/06

和光市駅から徒歩1分のクリニックモール内に2022年12月に開業した「あらい和光市駅前 脳外科・神経内科」。院長の荒井信彦先生は、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医として開業後も高島平中央総合病院で脳血管障害の手術や血管内治療を続けながら、同院では検査から診断、治療、術後のフォローまで継ぎ目のない医療を実践する。また、神経内科や救急科、総合内科を専門とする非常勤医師も在籍し、脳血管障害の他、生活習慣病やパーキンソン病など幅広い疾患に対応。同院のロゴマークは、血管がつなぐ脳と心臓の関係性を表現しているが、そこには荒井院長の、真心を持って患者に向き合いたいという思いが込められている。「脳疾患を減らすことが最終目標」と話す荒井院長に、同院の特徴や診療方針、生活習慣病予防の大切さなどについて聞いた。
(取材日2024年2月21日)
検査から診断、治療、術後フォローまで一貫して診る
開業までの経緯を教えてください。

板橋区高島平にある高島平中央総合病院の脳神経外科で診療をする中で、以前から開業について考えていました。急性期病院に勤務しながら開業する医師は多くはありませんが、救急車で搬送されて来た患者さんの緊急手術などを多数経験し、退院後のフォローアップまで一貫して担当したいと考えるようになったことが開業のきっかけです。MRIを備えたクリニックにしたかったので、乗り越えなければならない課題が多く、開業地を1年半探し続けてようやくこの地に巡り合いました。駅から近い医療モール内のクリニックであれば地元の方が通いやすいですし、1、2階には24時間営業のスーパーもありますので、たとえ待ち時間が出てしまっても、買い物をしてお待ちいただくなど時間を有効に活用していただけると思います。
荒井院長の専門分野について教えてください。
専門は脳血管障害です。中でも得意としているのが、動脈と静脈が直接つながってしまう病気である動静脈シャント疾患や、動脈瘤に対する血管内治療、脳梗塞などの治療です。今はカテーテル治療など、患者さんの負担軽減を図った低侵襲手術がどんどん進化しています。もちろん低侵襲であることは大切だと思いますが、開頭手術を必要とする病気は存在し続けるでしょうから、これからも開頭手術がなくなることはないと考えられます。脳神経外科の医師としては、血管内治療も開頭手術も両方にしっかり対応できることが非常に重要でしょう。それぞれの治療法のメリット・デメリットを熟知し、より多くの選択肢の中から患者さんにとって適切な治療法を提案するためには両方を極める努力が欠かせません。二刀流で対応できるように、これからも日々修練を重ねていきたいです。
クリニックの特徴と強みを教えてください。

一番の特徴は、現役で手術を多く手がける脳神経外科の医師がMRI検査を実施し、精度にこだわった診断をもとに治療法を提案できるという点です。私が手術を担当することも可能で、責任を持って検査、診断、治療、術後の経過観察までを一貫して行えることが強みだと思っています。もちろん大学病院などでの治療を希望される方には必要に応じて紹介します。また、当院ではMRI検査を予約不要で即日行うことができ、読影から説明までその日に終わる体制を整えています。月・水・木曜日は20時まで、土・日曜日も18時まで診療していますので、平日にお勤めの方も仕事帰りに気軽に来院いただけるのではないでしょうか。駅から近く、休日も診療することで、患者さんが受診しやすいクリニックでありたいと思っています。
高血圧症など生活習慣病の治療や予防にも力を注ぐ
どのような患者さんが受診されますか?

若い方からご高齢の方まで、幅広い年齢の方が受診されます。転倒して頭を打ったといった頭部外傷や、頭痛、めまい、しびれなど、脳血管や脳神経の病気が疑われる症状の他、物忘れなどがあり認知症を心配する方、高血圧症や脂質異常症など生活習慣病の治療や予防を目的とされる患者さんも多いですね。
生活習慣病の治療や予防にも力を入れられているのには、理由があるのでしょうか。
高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病が、血管の病気を引き起こすことがあるからです。血圧が高いと血管に負担がかかり、それにより血管がダメージを受けることで脳梗塞の原因となり得るのです。脂質異常症の影響で血管の内側にたまるプラークという脂肪分の塊も、血管を詰まらせる要因になります。生活習慣病を放置することは、命に関わる病気につながってしまうのです。私はこれまで脳梗塞や脳出血の患者さんを多く診てきましたし、血圧など内科領域の健康管理や、薬の特徴について学んでいます。これらの知識は予防にも役立ちますし、当院ではMRIを備えていますので病気になる前に血管の状態を確認することもできます。このように、脳神経外科の視点から生活習慣病の管理ができることも当院の強みだと考えています。
クリニックには荒井院長の他にも医師がいるのですね。

非常勤の医師が3人います。私と同じく脳神経外科を専門とする大高稔晴先生は、脳血管内治療が得意な医師で、手術も多く手がけ、脳外科歴20年を超えるベテランです。救急科と総合内科を専門とする友成悠邦先生は、頭部外傷や脳血管障害の他、生活習慣病など含め全身を診られる先生です。新型コロナウイルス感染症流行当初、DMAT隊員として診療にあたった経験もあります。神経内科を専門とする花岡謙先生は、パーキンソン病や認知症などの診療を中心に受け持ってもらっています。どの先生にも共通するのが、患者さんのお話をじっくり聞き、しっかり向き合ってくれること。とても頼れる存在です。それぞれの専門知識や技術を生かし、意見や情報を共有しながら連携することで、より手厚い診療ができていると思います。
他にも特徴的な治療はありますか?
赤ちゃんの頭のゆがみを改善するための「ヘルメット治療」を行う外来を月に1回実施しています。頭の形が左右非対称だと将来的に顎関節症や咬合不全のリスクがあるため、生後3~6ヵ月の間に治療を開始し、ヘルメットをかぶることで自然な頭の形になるように頭蓋骨の成長の誘導を図ります。月1回の外来受診を約半年続けることで、ゆがみの改善が期待できます。治療前のエックス線検査で、頭蓋縫合早期癒合症による変形が判明した場合は、この分野を得意とする慶應義塾大学病院と連携しています。
安心して治療を受けてもらえるクリニックをめざしたい
ところで、なぜ医師を志されたのですか?

親族が脳の血管の急性疾患と思われる症状で30代の若さで亡くなっているんです。「頭が痛いと言って翌日に亡くなった」と聞いていて、この話は脳神経外科をめざす大きなきっかけとなりました。医学部に進学してからは脳神経という領域の奥深さ、神秘さに魅せられ、母校の慶應義塾大学脳神経外科に入局しました。その後は、三次救急を担う関連病院で多様な脳疾患の手術を数多く経験し、脳神経外科の医師として研鑽を積んできました。
診療の際に心がけていることはありますか?
急性期病院とクリニックでは、患者さんの診療の視点が異なると実感しています。急性期病院では一刻も早く手術をして生命を救うことが大前提となるので、患者さんを診るというよりは病気を診ることになります。それは急性期病院の特性上仕方ないと思いますが、一方クリニックでは、患者さんと深く向き合うことができます。そのため、患者さんが抱く不安を取り除くことが大事だと考えます。検査をして「心配ないですよ」と言って終わりではなく、患者さんの疑問や不安をしっかりお聞きして、解決することが大事ではないでしょうか。特に脳の病気は、ご本人はもちろんご家族も不安に思われることが多いもの。丁寧な説明を常に心がけ、納得して治療を受けていただけるように努めています。
今後の目標と、読者へのメッセージをお願いします。

今後も脳神経外科専門医として適切な診断と個々人により良い治療を提供し、地域医療活性化の一助になりたいと強く思っています。病気の再発や、発症そのものを減らすことが最終目標です。MRI検査は脳疾患の早期発見・早期治療の要だと思います。当院では待ち時間をなるべく減らせるよう予約システムを導入していますが、予約をしていない患者さんもしっかり診察します。脳のことで不安を感じたり、健康診断で数値にチェックがついたりしたら、ぜひご相談いただきたいです。他に、頭痛やめまい、ふらつき、手足のしびれなど、気になる症状がある時も迷わず受診してください。
自由診療費用の目安
自由診療とはヘルメット治療/39万6000円(税込/再診時は都度再診療5500円がかかります)※詳細はクリニックにお問い合わせください