歯科恐怖症の人でも受診しやすいよう
静脈内鎮静法による対応も
新宿駅前サイナス歯科・矯正歯科
(新宿区/新宿西口駅)
最終更新日:2023/12/20
- 保険診療
最近では予防歯科で定期的に歯科医院に通う人が増えてはいるものの、歯科治療に対して怖そう、痛そうなどといったイメージを抱いている人もまだまだ多いようだ。歯科治療への恐怖心が極めて強い「歯科恐怖症」に悩む人にとっては、歯科受診はますます遠のくばかりだ。虫歯や歯周病が進行しても受診せずにいれば、口腔環境がさらに悪化してしまい、全身の健康に悪影響を及ぼすことも考えられる。そんな歯科恐怖症の人でも適切な治療が受けられるよう、歯科医院ではどのような工夫をしているのだろうか。設備を整えて歯科恐怖症の患者も受け入れている「新宿駅前サイナス歯科・矯正歯科」の逵佐穂院長に話を聞いた。
(取材日2022年6月22日)
目次
歯科治療に強い恐怖を抱く人には静脈内鎮静法でリラックスした状態に導く
- Q歯科恐怖症とはどのようなものなのですか。
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A
文字どおり、歯科治療に対して強い恐怖心を抱いている状態です。子どもの頃に歯科治療で怖い思いやつらい思いをしたことがトラウマとなって歯科恐怖症となる場合が多く、人によってその程度はさまざまです。診療台に座っただけで震えが止まらない、治療器具を目にするだけで動悸がする、あるいは診療台で大量の汗をかくケースもあります。治療器具を口の中に少し入れただけで、吐き気を催す嘔吐反射が出るという方もいます。歯科恐怖症の方は虫歯や歯周病になっても受診せずにいることが多く、さらに進行して歯全体がボロボロになり、その時初めて受診するケースも多くみられます。
- Q歯科恐怖症の人に対してはどのように治療を進めていくのですか。
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A
最初は少しずつ歯科治療に慣れてもらうようにします。治療器具を見せながらどのように使うのかお話ししたり、治療についてのアニメーションをお見せしたり、少しずつ歯科に対する恐怖心を和らげていきます。小さいお子さんが初めて歯科に来た時と同じようにトレーニングをしていくのです。しかし、恐怖心が非常に強く、トレーニングをしても状況が変わらないという場合は、鎮静剤を用いて精神をリラックスさせた状態で治療を行います。一般的に鎮静法には、笑気吸入鎮静法と静脈内鎮静法がありますが、当院ではより深い鎮静が望める静脈内鎮静法を行っています。
- Qその静脈内鎮静法について教えてください。
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A
鎮静剤を静脈に点滴して、リラックスした状態に導きます。患者さんは半分寝ているような状態になって、音や振動などに対する感覚が鈍くなり、緊張や不安を感じることなく治療を受けられることが期待できます。全身麻酔と異なり意識がすべてなくなるわけではないので、場合によっては歯科医師との会話もできます。恐怖心が強い方や嘔吐反射の強い方、パニック障害の心配がある方などは、静脈内鎮静法が有用です。また、高血圧症や循環器疾患のある方は、不安やストレスによって血圧や心拍数が急激に変動することも考えられます。静脈内鎮静法はそうした不安やストレスの緩和につながるので、血圧などの乱高下を防ぐという意味でも有用です。
- Qこちらでは全身麻酔を受けることも可能なのですね。
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A
はい。当院では全身麻酔の設備も整っています。ほとんどの歯科治療は静脈内鎮静法によって行えますが、それでも治療が困難な方や難しい親知らずの抜歯など、大きな外科処置をする際など全身麻酔での対応が可能です。全身麻酔では意識がなくなるため、何も感じることなく治療を受けることが望めます。ただ自力呼吸ができなくなりますので、経鼻気管挿管による人工呼吸が必要です。全身麻酔を行う際は、患者さんの全身状態やアレルギーの有無など詳細に確認し、麻酔薬の選定も含めて安全に治療を受けられるよう全身を管理しています。
- Q他に何か知っておくべきことがあればお願いします。
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A
歯科恐怖症の方は1回の治療ですべて終わればよいと考えている方も多いと思います。こちらもできれば1回で終わらせたいと考えていますが、治療のステップとして数回通院する必要があることを理解しておいていただきたいですね。ただ、必ず毎回、静脈内鎮静が必要ということではありません。人によって、振動が無理な人、削るのが無理な人など、恐怖を感じる対象が異なりますので、その人の苦手でないことをする時には特に鎮静をかける必要はありません。事前にその患者さんにとって何が苦手なのか、詳しくお聞きした上で一人ひとりに寄り添った治療計画を立てて、鎮静についても臨機応変に対応していますので安心してください。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。