年齢を重ねても人生を明るく楽しむために
排尿障害の検査と治療を
はら泌尿器科クリニック
(可児市/日本ライン今渡駅)
最終更新日:2023/08/10
- 保険診療
頻尿や尿失禁、尿の切れの悪さや残尿感など、加齢に伴い悩む人が増えるとされる排尿障害。複数の症状が混合して存在することや、症状を引き起こす原因が複数に及ぶケースもあり、検査によって原因をひもとくことが適切な治療につながる。「排尿障害は、大きな病気の症状の一つとして起こるケースもあるため、注意が必要です」と語るのは、長年にわたり泌尿器科診療全般を手がけてきた「はら泌尿器科クリニック」の原浩司院長。今回は女性の排尿障害とはどんな症状なのか、またどんな治療をするのかについて詳しく聞いた。
(取材日2023年7月20日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q排尿障害はどんな症状があり、どんな病気と関連がありますか?
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A
排尿障害は、尿が出にくいだけでなく、排尿時の痛みや残尿感、頻尿や尿が漏れるなどの症状を指します。女性で多い疾患は、過活動膀胱や腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間頻尿などで、加齢が原因の一つになっています。頻尿は、日中であれば7~8回、夜間は1回以上トイレに行くというのを目安に受診すると良いでしょう。他に排尿のコントロールができなくなる神経因性膀胱や排尿に痛みを伴う膀胱炎。骨盤臓器脱や膀胱がんなども排尿障害と関連があります。
- Q検査を受けるのに痛みがないか心配です。
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A
問診に加えて、尿の感染や尿路結石、がんなどがないかを調べるため、超音波検査や採尿をしますが、痛みはほぼないでしょう。尿の勢いや排尿量、排尿にかかる時間を調べる尿流量測定検査は、検査設備を備えた専用トイレで用を足していただきます。膀胱鏡検査は、尿路や膀胱の状態を内視鏡を用いて、詳しく検査したほうが良いと判断した場合のみ行います。膀胱協検査は軟性内視鏡を使用することもあり、痛みや違和感は少ないことが望めます。
- Q検査後はどのようなアプローチをするのでしょうか?
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A
年齢やライフスタイル、心因性などの原因や度合いにもよりますが、まずは薬物療法や行動療法を行います。尿意切迫感を主訴とした過活動膀胱の場合は、トイレに行く時間を少しずつ延ばしていくための膀胱機能訓練を実施します。加齢や出産で発症する腹圧性尿失禁には、骨盤底筋訓練も有用です。切迫性尿失禁では、膀胱瘤や骨盤臓器脱なども原因となっていることもあり、その場合は手術も検討します。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1受付で問診票に記入し、診察を受ける
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受付で記入した問診票をもとに診察を受ける。原因を調べるための生活上の細かい質問もあるので、どのくらいの頻度でトイレに行くのかや尿の状態などをあらかじめ確認しておくと良い。
- 2検査
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必要に応じて、採尿や腹部超音波検査、尿流量測定検査などを行う。来院する前は、家でトイレに行くのを控え、採尿検査の前に尿がたまっている状態にしておく。
- 3検査結果の説明
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問診と検査結果を踏まえた原因や今後の治療方針について説明を聞く。薬が処方された場合には、排尿状況を確認するスコアシートも渡されるので、次回の診察までに記入する。
- 4指導・治療
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骨盤底筋体操や行動療法など、自宅で行うべきことの指導を受ける。服薬と生活習慣だけで大きな改善が見込まれない場合は、日々の排尿状況を記録する「排尿日誌」をつけることもあるという。
- 5定期通院
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定期的に薬の服用が必要な場合は、通院して症状の経過を確認してもらい、継続して薬や生活指導の調整を受ける。