心筋梗塞などの循環器疾患は
生活習慣病予防でリスク低減へ
みい駅前まわたり内科
(久留米市/御井駅)
最終更新日:2023/11/15


- 保険診療
循環器疾患と聞いてどんな病気を思い浮かべるだろうか。心臓や血管にまつわる病気で、心筋梗塞や心不全など命に関わるものはもちろん、糖尿病や高血圧といった生活習慣病も広義の循環器疾患と言えるだろう。原因としては食生活や運動、喫煙習慣など普段の暮らしと密接につながっているため、自分のこととして捉え予防に努めることが重要だ。いったん病気になってしまえば生活習慣の改善が欠かせず、治療も長期化してしまう。そうした中、「みい駅前まわたり内科」ではかかりつけ医として患者一人ひとりに合わせた生活指導と治療に取り組んでいる。「適切に管理して病気と付き合っていくことが必要」と話す馬渡一寿院長に、循環器疾患の種類をはじめ、受診タイミング、治療方法などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年10月12日)
目次
生活習慣病も広義の循環器疾患。早めの生活改善で予防に努めることが重要に
- Q循環器疾患にはどのような種類がありますか?
-
A
▲高血圧症や脂質異常症、生活習慣病の放置が循環器疾患の主な原因
循環器疾患を簡単に言うと、心臓や血管の病気です。具体的には心筋梗塞、心不全、狭心症、不整脈、心臓弁膜症などが挙げられます。また一般的に知られる糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)といった生活習慣病も広い意味では循環器疾患に含まれます。加齢に伴って、血管が硬くなったり詰まったりする動脈硬化のリスクが高まり、また、心臓の弁の機能が衰えるなど、心血管機能にさまざまな障害を引き起こしてしまいます。それに加えて生活習慣が大きく影響する領域ですから、塩分や糖質の過剰摂取や偏った食事などの食生活の乱れ、運動不足、喫煙習慣などが循環器疾患の発症リスクを高めていきます。
- Qどんな症状があるのでしょうか?危険な症状も教えてください。
-
A
▲自覚症状がないままだんだん悪くなっていくものもある
動脈硬化のもととなる生活習慣病では基本的に症状は感じず、健診異常などが発見の端緒となりますが、重症化するとさまざまな合併症を引き起こすため、早期発見・早期治療が肝心です。狭心症や心筋梗塞に至ると、痛みの症状が出やすくなります。大動脈に問題があれば、胸や背中の痛みを感じるケースが多いです。心不全や不整脈では息切れや動悸といった症状が出てきます。循環器疾患は命に関わる場合もありますので、特に強い痛み、重篤な息切れが起きた時は緊急性が高く、すぐに病院に行くようにしてください。強い症状でなくとも、いつもと違うと感じた時は受診のタイミングです。
- Q生活習慣病と循環器疾患の関連性についても教えてください。
-
A
▲さまざまな検査と丁寧な問診により、適切な診断につなげていく
生活習慣病は循環器疾患になる手前の状態ですから、先ほどお話ししたように広い意味で捉えれば循環器疾患に含まれます。メタボリックドミノという言葉がありますが、罹患している生活習慣病の数が増えれば増えるほど、ドミノ倒しがどんどん広がっていくように、たくさんの合併症を引き起こすという概念です。そのため、生活習慣病の段階で治療することが非常に重要です。また、生活習慣病ではありませんが喫煙習慣が与える影響は大きいと思います。そうしたリスク因子を減らしていくことができれば、結果として重篤な循環器疾患になる前の予防につながっていきます。
- Q循環器疾患と診断された場合、どんな治療を受けるのでしょうか?
-
A
▲患者の状況に応じて丁寧に説明しながら検査や治療を進めていく
病気が進行していたり、カテーテル治療が必要になったりする場合は対応できる基幹病院を紹介することになりますが、基本的となる治療は食事指導や運動指導による生活習慣の改善になります。それだけでは状態が改善できないということになれば、薬による治療を行っていきます。検査に関しては心臓に異常が疑われれば、心電図やエコーによる検査と合わせて他の内臓疾患がないかを調べるためにエックス線検査や採血を行います。また動脈硬化については心臓から足首までの血圧や脈波を調べるCAVI検査、頸動脈エコーなどを実施します。不整脈については24時間心電図を計測するホルター心電図検査で調べていきます。
- Qそんな循環器疾患ですが予防はできるのでしょうか?
-
A
▲生活習慣病になったら合併症になる前に定期通院を
生活習慣病がある方はしっかりと通院して状態を管理することができれば、心臓病などの循環器疾患を予防することが可能だと思います。ただし絶対とは言い切れず、発症リスクを抑えていくというイメージを持ってください。生活習慣病で定期的に受診をしていれば心臓や血管の異常も発見しやすいのですが、そうでない方は病気を見つけること自体が難しいもの。ですから定期的に健康診断を受診したり、自分で生活習慣を管理したりすることが重要になってきます。例えば塩分過多にならない、カロリー過多にならない、なるべく体を動かすことを心がけるなど、できるところから生活習慣を改めてみてはいかがでしょうか。