中尾 圭介 院長の独自取材記事
九段坂内科消化器内科クリニック
(千代田区/神保町駅)
最終更新日:2023/03/13
神保町駅、九段下駅から徒歩2分の場所に位置する「九段坂内科消化器内科クリニック」は、2021年8月に開業したクリニックだ。風邪をひいた、おなかが痛いなど身近な症状はもちろん、慢性疾患である生活習慣病など、ビジネスパーソンの頼れるドクターとして幅広い診療を行っている。院長の中尾圭介先生は消化器外科としてのキャリアが長く、上部・下部内視鏡検査にも積極的に取り組んでおり、病気の早期発見・早期治療を呼びかけている。モットーは患者一人ひとりに寄り添った診療。「人と話すのが好きだから開業したクリニック。時には患者さんと長く話し込んでしまうこともある」と笑う中尾院長に、クリニックのこだわりや診療の特徴のほか、自身でも取り組んでいるという健康法などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年2月27日)
消化器疾患にこだわらず幅広い診療に対応
医師になったきっかけや開業を決意した理由などについてお聞かせいただけますか?
困っている人を助けたい、病気の人を治したいという、社会貢献につながる医師の仕事に魅力を感じて医療の道をめざしました。クリニックとしては消化器内科をメインとしていますが、開業前は肝臓や膵臓などを扱う肝胆膵外科の分野が専門。大学卒業後は東京医科歯科大学附属病院の勤務医として肝臓がんや膵臓がんなど消化器がんを中心に手術を行い、胆石や肝炎などの診療も担当してきました。医師になったからには幅広い病気を治療したいという思いがあったので選んだ領域でしたが、外来診療で患者さんとお話しするのが好きだったんです。ですからもっと患者さんに寄り添った診療がしたいと思うようになり、開業を決意しました。
クリニックづくりでこだわったポイントはありますか?
クリニックがあるのはビジネスパーソンが多いエリアですから、忙しくてなかなか病院に行けないという世代の助けになりたいと思っています。そのため診察や内視鏡検査はウェブから予約できるようにしています。けれど忙しい方だと予定が見えず、少し時間が空いたから今病院に行きたいというニーズもある。そのため予約だけにこだわらず、突発的な診療であっても可能な限り柔軟に対応するようにしているほか、オンライン診療の設備を整えています。また、まだまだクリニックは現金での支払いイメージが強いかと思いますが、20〜40代の患者さんがメインになってくるため、クレジットカードや各種QRコード決済なども導入して利便性を高めています。
開業から1年半ほどですが、現在はどのような患者さんが多いのでしょうか?
ここは飲食店がたくさんあるので飲食店のスタッフの方や学生、ビジネスパーソンなど、一般的なクリニックよりは若い患者さんに来ていただいているのではないでしょうか。もちろん地域で暮らしている患者さんもいらっしゃいますが、全体の2〜3割程度となっています。症状で言えば消化器内科を標榜していますので、腹痛や下痢が多く、逆流性食道炎や過敏性腸症候群など、おなかの急性期の症状が中心となっています。また高血圧や糖尿病、高コレステロール血症、脂肪肝、高尿酸血症といった慢性疾患である生活習慣病の患者さんもたくさんいらっしゃいます。街なかにあるクリニックですから、消化器疾患にこだわらず幅広く診療するように心がけています。
健康維持を見据えた生活習慣病治療や検査に注力
市販薬で対応する場合も多いおなかの不調ですが、クリニックに行ったほうが良い症状などありますか?
いつもおなかの調子が悪いという方がいらっしゃいますよね。たびたびおなかの調子を崩すような感じのために、本人は当たり前と思っていることが多いのですが、調べてみると原因がわかるケースもあります。例えばピロリ菌という胃がんの原因になる細菌がありますが、幼少期に感染し20〜30代になってくると徐々に胃の炎症症状が出てくることがあります。そのように原因が見つかれば治療して症状緩和につなげていくこともできますから、緊張したら下痢をする、暴飲暴食をするとおなかが痛くなるなど、軽微な症状であっても一度は専門家に相談することをお勧めします。強い痛みなどいつもと違った症状の際に受診するということも大切ですが、もっとクリニックを身近な存在として頼ってください。
健康診断や上部・下部内視鏡検査にも力を入れていると伺いました。
自分の体の状態を客観的に把握することで、健康に対するモチベーションの維持につながります。病気の早期発見や予防だけではなく定期的に自分の体を見直す機会として健康診断やさまざまな検査は重要だと考えています。そうした観点から、血液検査や胃カメラ、大腸カメラといった検査に加え、身長や体重などの身体測定も大切ですよ。一方で何も問題がない状態であることを確認する機会としても有用。病気があるのではないかと心配している場合、問題がないことがわかるだけでも安心できるかと思います。一度検査を受けてみれば思った以上に楽にできたと思うこともあると思いますし、次にどれくらいの期間で受診すれば良いのかの判断にもつながります。それに胃の状態や腸の状態がわかれば、生活に対するアドバイスもできますから、結果として健康維持につながっていくというのが持論です。
生活習慣病の治療も多いとのことですが、治療に対して気をつけているポイントはありますか?
生活習慣病に関してはやはり個人のこれまでの生活習慣の積み重ねなので、一気に治すことは難しいです。原因を客観的に判断し自分自身で理解するというところからスタートしなければなりません。食生活の乱れであったり、運動習慣であったり、飲酒、喫煙など、まずはしっかりと把握してもらうことが重要です。薬を飲み始めるとやめられないのではと不安になる方もいらっしゃいますが、患者さんの頑張り次第では薬をやめることも、減らすこともできるかもしれません。けれど節制に節制を重ねて苦しい生活を送るよりも、薬に助けてもらいながら生活していくというのも一つの選択。薬を飲むことに抵抗がある方に対しては漢方を処方することもできますから、一人ひとりの要望を伺いながら一緒に治療方法を考えていくというのがポイントだと思っています。
自分の経験を通じて健康な体づくりをアドバイス
ご自身の体づくりにも積極的に取り組んでいらっしゃるそうですね。
生活習慣病の患者さんに対してアドバイスや生活指導を行うにあたり、自分が実践し、患者さんが継続可能できると判断したものを提案するようにしています。例えば高血圧の患者さんに1日30分有酸素運動をしましょうと口で言うのは簡単ですが、それがどれだけの負担になるかはやってみないとわかりませんよね。実際に自分で取り組んでみると、とても大変なことがわかったりもします。それに運動もしていない、食事にも気を使っていない人から言われても現実味がありません。私は毎日の運動は欠かせませんし、クリニックは皇居が近いので診療が終わってからジョギングをする日もあります。どれくらいであれば実現可能で継続できるのかを考えながら食事制限にも取り組んでいます。
患者さん目線の診療がとても特徴的ですね。
やはり患者さんとお話しするのが好きですからね。時には患者さんと話し込んでしまうこともあるんです。クリニックの周りの飲食店もよく利用するのですが、世間話のついでに健康に関する相談を受けることがありますし、それをきっかけに実際検査に来ていただけたらうれしいですね。予約のシステムや支払い方法など、受診のハードルもできるだけ低くしていきたいと思っていますから、皆さんも気になることがあれば気軽に来てもらいたいですね。
最後にめざすクリニック像を含めてメッセージをお願いします。
社会貢献という思いから医師になったので、クリニックのあるこの地域の力になりたいという気持ちが強いです。ビジネスパーソンや飲食店の方などは、なかなか時間が作れなかったり、自分の健康よりも仕事を優先してしまったりすることが多いと思いますが、体が資本ですから自分の健康に向き合ってもらうきっかけになれればうれしいですね。そして受診を通じて健康の大切さを伝えられるようなクリニックにしていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部内視鏡検査/1万6500円~、下部内視鏡検査/2万7500円~、麻酔/5500円