堀 祐太郎 院長の独自取材記事
要町駅前クリニック
(豊島区/要町駅)
最終更新日:2025/10/03

初めてのクリニックでは、誰でも緊張するものだ。受診の遅れを怒られたらどうしよう、うまく話せないかもしれない、と躊躇していないだろうか。そんな患者の不安解消に努めているのが「要町駅前クリニック」。堀祐太郎院長は、大学病院や総合病院の泌尿器科で10年以上診療した後、「大学病院と同じレベルの診療を身近なクリニックで提供したい」と同院を開業。明るく大らかな人柄で、老若男女に愛されるドクターだ。初診の人にも、かかりつけ医として長く通う人にも同じように門戸を開き、患者が抱えるつらさに耳を傾けて解決の糸口を探す。尿に関連する臓器や男性生殖器の良性疾患やがん、排尿障害などに対する専門的な診断・治療のほか、皮膚科・内科では風邪や皮膚炎、男性脱毛症(AGA)の治療にも対応する堀院長に話を聞いた。
(取材日2025年5月26日)
小児を含めた泌尿器の専門的な診断・治療が可能
開業のきっかけについて教えてください。

大学病院よりも気軽に受診でき、且つ大学病院と遜色ないレベルの診療ができる場所をつくりたいと思ったからです。きっかけは、日本大学医学部附属板橋病院などで10年以上にわたって泌尿器科の診療をする中で、大学病院とクリニックの役割分担が十分にできていないと感じたことでした。大学病院でないと診断・治療が難しい患者さんが確かにいる一方、クリニックで十分に対応できる患者さんも少なくなかったのです。遠方の大学病院の受診は患者さんの負担になりますし、患者さんが集中する大学病院側も疲弊します。手術などクリニックではできない治療に力を注いでもらうためにも、気軽に受診して専門性の高い診断・治療が受けられ、必要に応じて大学病院での手術につなげるクリニックが必要だと考えました。
こちらでは、どのような診療が受けられるのでしょう。
泌尿器科は、腎臓や尿管、膀胱といった臓器や、精巣、前立腺、精嚢など男性生殖器を診る診療科です。がんや良性疾患、排尿障害、男性更年期障害などの機能障害、性感染症などの検査や診断、治療が可能です。また、専門的に診る医師が少ない小児の泌尿器疾患も得意分野です。夜尿症や真性包茎、停留精巣や遊走精巣、水腎症などでもご相談いただきたいですね。このほか、皮膚科・内科も標榜し、かかりつけ医として風邪や皮膚炎などのご相談にも応じています。駅から近いこともあって、泌尿器の専門的な診断を求める方のほか、日常的な症状で来られる方も多いですね。
最近の患者さんの傾向で、気になることはありますか?

相談しにくい症状があるときに、インターネット経由で検査をして自己判断をしたり、気軽に処方を受けたりする方が増えていると感じます。例えば、性病や男性脱毛症(AGA)です。病院に行くことを恥ずかしいと感じて悩んでいるときにインターネットで広告を見ると、安易に申し込んでしまいがちですよね。しかし、そうした広告にも注意が必要です。正しく検査が行われているかどうかわからないケースも多いのです。医師や看護師の指導を受けずに尿を採取すると、例えば検査に必要な初尿が取れておらず、検査精度に影響が出ることもあります。男性脱毛症(AGA)の治療薬も同様に、きちんと説明を受けずに使用すると思わぬ結果になることも考えられますよね。恥ずかしいからと言って躊躇せず、ぜひご相談いただきたいと思います。
悩みは一人で抱え込まず、専門家に相談を
泌尿器科は、どんなときに受診するべきですか?

検査で血尿が見つかったり、前立腺がんの診断指標となるPSAの値が高かったりしたら、放置せず受診してください。血尿の精査をして尿管結石が見つかり、その先に尿管がんが隠れていることもあるため、最初のきっかけを逃さないことが肝心です。当院では、私の経験も生かしながら、初期膀胱がんの発見に役立つ膀胱鏡などの機器を生かして、疾患の早期発見・早期治療に努めています。実際、最初の主訴や年齢からは想像できない病気が見つかることもあります。おなかの張りから子宮体がんが見つかったり、20代で膀胱炎を繰り返していた方に膀胱がんが隠れていたり、といったケースもあります。検査をしてなんでもなければそれで良いわけですから、いつもと違うな、おかしいな、と思ったら受診していただくのがベストです。
がん患者のフォローにも力を入れていると伺いました。
一般的にがんの経過観察は5年前後が多いですが、腎臓がんは10年以上たってから再発することもあります。そのため、手術後しばらくは3ヵ月に1回ほどを目安にCT撮影や血液検査をして、その後も定期的な検査を継続的に行うことが大切です。大きな病院の待ち時間などがネックで検査がおろそかになりそうなときは、身近な場所で専門性の高い検査・治療が受けられる当院をぜひ利用してください。CTやMRIの検査が必要な場合には、提携している近くの病院でできるだけ早く検査を行います。また、末期がんの患者さんに対しては、最期の迎え方についてご相談に乗ることも可能です。ご希望の施設をご紹介したり、ご家族のサポートをしたりすることにも取り組み、かかりつけ医としての責務を果たしていきたいと思っています。
とても心強いですね。診療の際には、どんなことを心がけていますか?

患者さんの言葉に耳を傾けることと、納得していただけるわかりやすい説明をすることです。以前、頻尿でお悩みの方によく話を聞いたら、単に水分の取りすぎだったことがありました。「たくさん水を飲むと健康に良いよ」と勧められて飲んでいたそうですが、ご本人には飲んでいる量が多いという自覚がなく、初めは原因がわからなかったんです。実際にペットボトルを見せながら粘り強く話を聞いた結果、正しい診断につなげることができました。このように患者さんと同じ目線に立ち、生活習慣も含めてヒアリングすることで、主訴の原因を追究することも大切にしています。
悩みを打ち明けやすい雰囲気づくりを
小児泌尿器の診療についても教えていただきたいです。

小児の泌尿器関係で特に多いのは、夜尿症の相談ですね。夜尿症の主な原因は、夜間の尿量や膀胱の容量などです。また、生活リズムの乱れや心理的なストレスが夜尿症を悪化させる可能性があることにも注意しなければなりません。夜尿症の多くは成長とともに改善が見られますが、中には重大な疾患が隠れていることもあるため、専門の医療機関で診てもらいましょう。私は埼玉県立小児医療センターで現在も外来、手術と小児の泌尿器疾患の専門的な診療に携わっています。気になることがあれば、気軽に相談にいらしてください。
子どもの泌尿器疾患について、親に伝えたいことはありますか?
精巣が陰囊内から降りてこない停留精巣や、精巣が陰囊部と股の間を行き来する遊走精巣という病気があります。これらの病気を放置すると、成人になってから男性不妊や精巣がんのリスクが高くなることがありますので、適切に対処してほしいのです。乳幼児健診でも確認しますが、検査のときだけ偶然陰嚢内に認めることもあります。まずはこうした病気があることを知っていただき、お風呂やおむつ交換の時に陰嚢に精巣があるかどうかチェックしてほしいと思います。また、陰茎の皮をむくかむかないかで悩む方も多いようです。成長とともに男性ホルモンの影響で自然とむけてくることもありますが、ケースバイケースです。早めにむいてばい菌が入ることもありますから、迷ったときは専門家に相談することをお勧めしたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は、専門である泌尿器の診断・治療はもちろん、日常的な不調にも対応する身近なクリニックです。人に言いにくい泌尿器の症状や悩みも打ち明けやすい、フラットな雰囲気づくりを大切にしていますので、一人で抱え込まずに相談しにいらしてください。自覚症状があるときはもちろん、健診で引っかかった場合の精査なども、一人ひとりとじっくり話をしながら正しい診断・治療につなげていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはAGA治療
・フィナステリド/28錠 5000円
・デュタステリド/28錠 6800円
ED治療
・タダラフィル/1錠 10mg 1500円、20mg 2000円
・シルデナフィルクエン酸塩/1錠 50mg 1000円