診断のみにこだわらず
個々の悩みや不安に耳を傾ける診療
代官山やまびこクリニック
(渋谷区/代官山駅)
最終更新日:2024/07/04


- 保険診療
自らの特性ゆえに、社会になじめず苦しむ子どもが増えている。「頑張りすぎて、来院したときには疲れ果ててしまったという親子も多い」と、「代官山やまびこクリニック」の千村浩院長。千村院長が重視するのは、患者や家族の「なぜうまくいかないのか」「どうすれば生活しやすくなるのか」といった疑問やいら立ち、不安などに共感し、解決方法をともに考えること。「子どもの特性、発達障害の特性を理解している専門家と話すことで見えてくるものは多い。家族だけで抱え込まないで、気軽に相談を」と呼びかける。つらいな、変だなと感じたときに解決に導くための方法を千村院長に教えてもらった。
(取材日2024年3月25日)
目次
大切なのは、親子がそれぞれの人生を幸せに生きること。子どもの「好き」、「楽しい」を探そう
- Q児童・思春期精神科にかかるメリットを教えてください。
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A
▲穏やかな口調で丁寧に説明してくれる千村先生
問題を感じるご家族やお子さんが孤立し、問題を悪化させるのを防げることです。私のクリニックでは、特性や生活に悩みを持つ、小児期から青年期までの人とそのご家族からのご相談をお受けします。青少年の体と心に関する深い理解と知見に基づいてそれぞれの状況を客観的に把握し、お子さんとご家族のお考えや理想もお聞きしながら、状況の改善に有用だと思われる方法を幅広くご提案し診療を進めます。この際、ご本人の自主性を大切にし、家族や学校など社会の対応が改善につながる場合は、ご家族にアドバイスを差し上げます。親御さん、特にお母さんの幸せと健康が大切だと考えていることから、お母さんの心のケアにも配慮しています。
- Q児童・思春期精神科には、いつ、どのようにかかればいいですか?
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A
▲些細な相談から専門的な悩みまで幅広く対応してもらえる
学校や日常で気になることがあれば、児童・思春期精神科の早めの受診をお勧めします。小学校低学年までは「授業中に落ち着けない」「忘れ物が多い」など学校生活の問題、漠然とした不安や恐怖感、かんしゃくなどの日常生活の問題が多いです。小学校高学年から思春期には親・先生・友達との人間関係や不眠、気分の落ち込み、不安やいら立ちに加え、リストカットや過量服薬、過食・拒食などの悩みが多く、怒りを爆発させトラブルになることもあります。「あれ?」と思ったら問題が大きく複雑になる前に、必要な治療や環境調整が行えるよう早めに受診してください。
- Q受診する子どもたちとは、どのように向き合っていますか?
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A
▲子どもたちが楽しく受診できる雰囲気作りにも心がけている
お子さん一人ひとりの症状、生活の支障、そして個性を深く理解することに努めています。同時に、お子さんの「好き」「楽しい」を理解し、もっと良くなりたいというモチベーションを高めることも大事にしています。お子さん自身が自分の抱えている症状や行動の課題を理解し言葉にできるようになると、問題改善への意欲が湧き、それが症状改善の第一歩となります。治療を進めるにあたっては、医師として考える選択肢をお示しして、ご家族やお子さんのご希望なども伺いながらご相談していきます。小さなお子さんでも、ご本人のお気持ちを大切にします。お子さんとご家族の幸せを大切に、お子さんとの信頼関係を築いて、伴走するよう心がけています。
- Q親御さんのメンタルケアもされていると伺いました。
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A
▲子どもだけではなく親との対話も大切にしている
お母さんは子育てや家事、お仕事に一生懸命です。発達障害をはじめ困り事があるお子さんをお持ちのお母さんは、多くの時間をお子さんのお世話にあてざるを得ず、自分を見失う方も少なくないのではないでしょうか。私はすべてのお母さんに、自分の幸せを大切にするようお願いしています。さらに必要な方には治療やカウンセリングもお勧めします。自分の幸せを大事にすることは、お子さんにもいい影響があります。少しでも良いので頑張らない時間、自分のための時間を持ってくださいとお話ししています。お子さんに一生懸命接し、お母さんを支え頑張っているお父さんもいます。お父さんのお話もしっかりお聞きするよう心がけています。