金子 裕貴 院長の独自取材記事
平沼橋こどもみらいクリニック
(横浜市西区/平沼橋駅)
最終更新日:2024/03/27
平沼橋駅から徒歩2分の場所にある「平沼橋こどもみらいクリニック」。横浜出身の金子裕貴院長が、地域医療への貢献をめざし2020年に開業したクリニックだ。保育園での勤務経験がある看護師や、優しく子ども好きなスタッフがそろい、院内の雰囲気はとても明るい。東京女子医科大学病院をはじめ、大規模病院で研鑽を積んだ金子院長。小児科全般に対応し、他科と連携して重篤な患者の治療にも携わってきた。中でも専門とするのがアレルギー疾患で、大学病院で研究・臨床経験を深め、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格も取得。「未来を担う子どもたちをサポートしたい」と語る金子院長に、子どものアレルギーのポイントや、乳幼児の予防接種を中心に話を聞いた。
(取材日2023年12月13日)
地元の横浜で、未来ある子どもたちを医療でサポート
先生はなぜ小児科の医師を志したのですか?
両親と祖父が医師だったこともあり、私にとって「医師」は幼い頃から身近にある職業でした。祖父は山形県で開業医をしていて、休日や夜間でも患者さんから電話がかかってきたりと、祖父と患者さんとの関わりもよく目にしましたね。地域の皆さんに親しまれ信頼されていた祖父のような医師になりたいと、物心ついた時には思っていました。小児科を選んだのは、研修医時代にさまざまな診療科を経験する中で、未来ある子どもたちをサポートできる「小児科」に魅力を感じたからです。日々の診療を通して子どもの成長を実感できることが、小児科医師冥利に尽きる瞬間ですね。
開業前のご経歴についてお聞かせください。
聖マリアンナ医科大学を卒業後、東京女子医科大学病院で初期臨床研修を受け、千葉市立海浜病院で新生児医療を学び、埼玉県済生会栗橋病院で地域に根差した診療にあたりました。日本小児科学会小児科専門医と日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を取得し、東京女子医科大学で小児科の非常勤講師を務めています。大学病院や大規模病院では、小児科全般に対応しながら、食物アレルギーの研究・治療にも深く携わりました。重症の気管支喘息の診療や食物アレルギーの食物負荷試験など多くの症例に、病棟での診療や当直中の救急患者対応などで関わりました。小児の脳腫瘍の治療では脳神経外科の先生と連携して治療を進めました。治療の難しい病気を抱えたお子さんとそのご家族に向き合い、寄り添い、ともに病気と闘ってきました。このような経験も私の視野を広げることにつながりました。
なぜ開業を選ばれたのですか?
大学病院で学んできたことをより多くの患者さんに伝えていきたい。病気に悩むお子さんやご家族をサポートしたい。この2つが開業を選んだ理由です。出身が横浜ですので、地元の地域医療に貢献したいという思いも強かったですね。街のクリニックの良さは、大規模病院と比べて皆さんの生活の近くにあって、同じ医師が継続的に患者さんを診られる点。特にアレルギー分野の治療は長期にわたりますので、重要なポイントだと考えています。院名の「みらい」は、私が小児科を選んだ理由に通じます。横浜の未来、日本の未来、世界の未来は、子どもたちにかかっています。小児科の医師である私が未来のためにできることは、心のこもった医療の提供です。地域の子どもたちが安心して暮らせるように、地域の皆さんに寄り添った優しいクリニックでありたいと思います。
アレルギー疾患予防には乳幼児期のスキンケアが大切
子どものアレルギー症状について教えてください。
赤ちゃんのお世話をするご家族が最初に気づきやすいのは、皮膚の状態です。親御さんご自身が皮膚のかゆみやアトピー性皮膚炎に悩まれて、お子さんもアトピー性皮膚炎ではないかと心配して来院されることが多いです。例えば、皮膚のアレルギーを発端に、食物アレルギーを発症して、さらに成長の過程で気管支喘息やアレルギー性鼻炎を発症する。これは「アレルギーマーチ」という言葉で表現されます。アレルギー症状はリンクしており、小さい頃に皮膚など何かしらのアレルギー性疾患を発症すると、年齢を重ねるごとに他のアレルギー性疾患も発症することが多いのです。近年、アレルギーマーチの入り口の予防にもなる赤ちゃんのスキンケアの重要性が、より知られてきています。アレルギー症状に悩む患者さんはとても多く、少しでも力になりたいと思います。
子どものアレルギー予防のために、家族ができることはありますか?
最近の親御さんは、しっかりとお子さんのスキンケアをされる方が多いですね。これはとても良いことで、皮膚を整えるだけではなく、食物アレルギーの予防にもつながるといわれているんですよ。近年、食物アレルギーの発症原因について、皮膚へのアレルギー物質の付着が注目されるようになりました。生活していると室内の空気中に、ダニ・ハウスダスト・小麦粉などのアレルギーを発症する物質である食物抗原が生じます。整った肌にはバリア機能があり、抗原が体内に入るのを防いでいます。しかし湿疹などで肌が荒れていると、抗原が体内に入り込んでしまうのです。そのためスキンケアで皮膚のバリア機能を保つことが、食物アレルギー発症の予防にもつながるといわれているのです。
乳幼児の予防接種についても教えていただけますか?
ワクチンはいわば人類が感染症に打ち勝つための、知恵の結晶です。赤ちゃんの健康を生涯にわたって守るためにも、きちんとワクチンを受けて丈夫な体をつくってほしいですね。乳幼児が受けるべきワクチンの種類は多く、親御さんのスケジュール管理も大変でしょう。ワクチンは本来、決められた時期に接種することで成果が見込めるもの。ですが、受診控えなどで間が空いてしまった場合には、改めて接種スケジュールを組みますのでお気軽にご相談ください。
スタッフ一丸となり、患者に寄り添った医療を提供
明るくかわいらしい内装が印象的です。
開業時、内装を決める際のポイントはクリニックらしくない雰囲気でした。子どもの患者さんは「クリニック」というと身構えてしまいますよね。明るく楽しい色合いのドアや壁紙、子どもでも使いやすい高さの洗面台。おもちゃやぬいぐるみもたくさん用意しており、床一面におもちゃを広げて、診療そっちのけで遊ぶ患者さんもいらっしゃいますよ。通院は長くかかることもあり、時には注射で痛い思いをするかもしれません。それでも患者さんに「また来たいな」と思ってもらえたら、医師としてうれしいですね。
診療の際に心がけていることはありますか?
赤ちゃんでも小さなお子さんでも、目線を合わせて優しく話しかけるようにしています。診察は手早く、不安や痛みを感じさせないように配慮しています。診療時は同席するスタッフがおもちゃを見せたり、リラックスできるようBGMを流したりしています。お帰りになる時に「ありがとうございました」と元気にあいさつしてくれたり、イラストや手紙を書いてプレゼントしてくれたりする患者さんもしばしば。私も患者さんや親御さんに対して「来てくださってありがとう」「治療を頑張りましたね」など、思ったことは言葉にして伝えるよう心がけています。
こちらで働くスタッフについてご紹介ください。
保育園での勤務経験がある看護師や、優しく子ども好きな受付スタッフ、活気あるスタッフなど、皆の力があってクリニックが成り立っています。消毒や換気などの衛生管理も、居心地の良い雰囲気づくりも、私一人ではできないことばかりです。スタッフの多くは子育ての経験者で、患者さんのご家族から相談を受ける場面も目にします。このような患者さんとの距離の近さや信頼関係も、スタッフの優しさがあってこそですね。これからも全員一丸となって、お子さんとご家族に寄り添った医療を提供したいと思います。
最後に読者へメッセージをお願いします。
発熱・咳・風邪など日常の不調、皮膚の病気、乳幼児健康診断や予防接種など、お子さんの健康をさまざまな角度から支えるクリニックです。特にアレルギーは私の専門分野で、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎をはじめ、アレルギー疾患全般に対応しています。また、不登校のお子さんとそのご家族のお悩みにも向き合っています。子育ては大変なことばかりで、次々と悩みも出ることでしょう。当院では予約システムや電子決済を導入して、待ち時間の短縮や利便性向上にも努めています。予約システムは一般診療と各種ワクチンのどちらにも対応し、10分単位で時間予約が可能です。土曜も診療を行い、オンライン診療にも対応しています。どのようなことでもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正ヘルメットを用いた治療の定期検診/2200円~