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症状からは見つけにくい甲状腺疾患
橋本病やバセドウ病などの検査

とじたま甲状腺・糖尿病クリニック

(福岡市南区/大橋駅)

最終更新日:2020/10/27

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  • 保険診療

広く知られるようになったバセドウ病や橋本病に代表される甲状腺疾患。体全体の新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの増減に伴って、激しい動悸や息切れなど常に運動している状態になったり、逆に疲れや眠さ、あるいは気力が減退したりうつのような症状が出たり物忘れがひどくなったりという症状があるが、症状だけでは診断が難しく、専門的な検査を受けなければ非常に見つかりにくい病気でもある。一方で罹患率は高く、発見が遅れると最悪の場合は生命の危機に陥ることもあるという甲状腺疾患について、専門家である「とじたま糖尿病・甲状腺クリニック」の玉井秀一院長に話を聞いた。甲状腺疾患の種類や具体的な治療方法、受診のために気をつけるポイントなどについて詳しく教えてもらった。(取材日2020年10月1日)

バセドウ病や橋本病に代表される甲状腺疾患を、専門家の立場から適切にコントロールを

Q甲状腺疾患の種類や治療方法について教えてください。
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▲甲状腺疾患でも研鑽を積み、患者に合った治療に導く玉井院長

甲状腺疾患は、甲状腺ホルモンが必要以上に多くつくられてしまう甲状腺機能亢進症と、反対にホルモンがつくれずに必要な量を保てない甲状腺機能低下症の大きく2つに分けることができます。前者は常に激しく運動しているイメージで捉えるとわかりやすいのですが、動悸や発汗、体重の減少などの症状が認められます。逆に後者は疲労感や傾眠、体重の増加、肌荒れなどの症状が特徴です。はっきりとした原因はわかっていませんが甲状腺に対する自己抗体が作用しており、亢進症に対してホルモンを生成する甲状腺の働きを抑えるための薬を、低下症にたいしてはホルモン自体を処方し、適切にコントロールしていく治療になります。

Q代表的な病気であるバセドウ病と橋本病の違いは?
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▲甲状腺疾患を判断する上で重要な触診風景

バセドウ病は亢進症、橋本病は低下症、それぞれの代名詞的病気であり、甲状腺疾患の中でも有名な病気です。どちらも自己抗体に原因があるとされ、バセドウ病は抗体が甲状腺を刺激してホルモンを過剰に分泌させてしまいます。まれに低下症になる方もいらっしゃいますが、概ね亢進へ向かうと思っていいでしょう。一方、橋本病は抗体が甲状腺そのものを攻撃してしまい機能が落ちることによって、つくられるホルモン自体が減っていきます。症状には大きく差がありますが、抗体が作用するベクトルが違うだけと考えています。バゼドウ病も橋本病も薬物療法が、治療の導入になるかと思います。

Q妊娠の際にも甲状腺に注意が必要だと伺いました。
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▲詳しい数値まで出せる検査機器も完備し、精度にこだわっている

妊娠と甲状腺には非常に密接な関係があるといわれています。甲状腺ホルモンは人間が生きていく上で欠かせないもので、それは胎児であっても同じです。妊娠中にホルモンが亢進の状態にあれば流産のリスクが高まりますし、低下の状態にあれば発達障害などのリスクにつながります。また、低下がひどいと不妊の原因にもなります。人間の体はよくできていて、妊娠期間中の女性は赤ちゃんために甲状腺ホルモンが生理的に増えることがありますが、中にはもともと甲状腺に異常があったりすると、正常な反応を起こさないことがあります。そのため女性に関しては、結婚や妊娠などの機会を捉えて一度検査をしたほうが良いでしょう。

Q症状からはわかりにくいので受診のタイミングも難しいですね。
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▲検査技師が行うエコー検査

なんとなく調子が悪いのが続いているという人は検査を受けてみたほうが良いかもしれません。とはいえ検査費も安くはありませんし、定期検診でチェックするにしてもオプションになるため費用はかかります。しかも子どもからお年寄りまで世代に関係なく発症するので、タイミングをとるのも難しいかもれませんが、ライフステージの変化に合わせて検査するというのは一つの手段として良いと思います。一部の疾患に関しては放射線を用いた検査を行うこともありますが、実際には触診、血液検査とエコーによる検査で診断できます。特別なことを行うわけではありませんので、気になる方は気軽にご相談ください。

Q甲状腺疾患が見つかった場合どれくらいの治療期間が必要ですか?
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▲検査結果をもとに院長・副院長が治療計画を設計していく

私の経験上では薬を飲まなくて済むようになる方は全体の30%ほどではないかと思っています。服薬をやめられた患者さんであっても、再発ないしは再罹患した方もいらっしゃるので、一概に治るとも言い切れません。しかし、薬を飲んでいれば甲状腺ホルモンを正常に保つことは可能だと考えられ、通常の生活を送ることが期待できるというのも特徴です。悪性腫瘍が原因の場合、経過観察や最終的には摘出という手段を取らざるを得ませんが、直接的に人生を短くする病気ではありません。だからこそ長く付き合っていくという姿勢で、重く受け止め過ぎずに治療していく病気なのかもしれませんね。

ドクターからのメッセージ

玉井 秀一院長

同じような慢性疾患の糖尿病は日進月歩で薬が開発されている一方、甲状腺疾患治療薬については昔から大きく変化がありません。しかし限られた治療方法の中で、うまくホルモンのバランスをとっていくという点においては、専門家の経験がものを言う病気だと思います。ずっと付き合っていかなければならない厄介な病気だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、薬さえきちんと飲んでいれば普通の生活を送ることができます。人によっては薬をストップできるようにチャレンジできるタイミングもありますので、思い悩まずにうまく病気と付き合っていきましょう。

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