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佐柳 香織 院長、山本 拓広 副院長の独自取材記事

さやなぎ眼科

(川西市/絹延橋駅)

最終更新日:2023/09/01

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科 main

川西市内で再開発が進む、キセラ川西地区の複合モールの2階。「さやなぎ眼科」は、敷居の低さと幅広い診療に対応している点が特徴の眼科クリニックだ。院長の佐柳香織先生は、大学病院や基幹病院で研鑽を積んだ網膜疾患治療の経験が豊富な医師。一方、佐柳院長の夫で副院長の山本拓広先生は、難症例の白内障手術や網膜硝子体手術を得意としている医師だ。現在も大きな病院の診療に携わる強力な夫婦タッグで、一般診療から日帰り手術まで、目に関する幅広い症状や悩みに対応。常に患者に寄り添った診療を心がけている両先生に、同院の特徴やそれぞれの専門性、患者への向き合い方など、奥行きある診療のポイントを聞いてみた。

(取材日2023年6月17日)

それぞれの専門性を生かした診療を夫婦両輪で提供

開業から4年。現在はどのような患者さんが来られますか?

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科1

【佐柳院長】当院は町のかかりつけ医として一般眼科診療も行っていますが、同時に私の専門である網膜疾患診療にも注力しています。私は長年にわたり大阪大学付属病院で臨床・研究・教育を行ってきました。高水準の医療を提供できる大学病院と同等の質の高い診療を、通いやすいクリニックで提供できないかと考え開業した想いが患者さん方にも伝わってきたかなとうれしく感じています。あと、緑内障や白内障の患者さんにもたくさん来院いただいています。白内障に関しては副院長が日帰り手術を行っていますので、その相談を大勢の方からいただきます。また、付近に新しいマンションが建ち、夕方や土曜日は特にお子さんの受診が目立ちます。開業当時に比べるとずいぶん患者さんが増えましたので、今は非常勤の先生の力をお借りし、曜日や時間帯によっては二診で患者さんをお迎えしています。

院長先生の専門分野について教えてください。

【佐柳院長】私は神戸大学医学部を卒業後、大阪大学医学部の眼科学教室に入局。その後はずっと加齢黄斑変性や強度近視、糖尿病網膜症といった網膜疾患の診療と研究に携わってきました。大阪大学大学院在学中に副院長とアメリカに留学し、2年間にわたってOCT(光干渉断層計)の画像診断を研究しました。当院でもOCT(光干渉断層計)、OCTA(光干渉断層血管撮影)を導入し、網膜疾患や緑内障などの診断精度の向上に役立てています。帰国後は大阪厚生年金病院(現・JCHO大阪病院)にて緑内障の診断や治療をじっくりと研鑽しました。開業した現在も、火曜日は大阪大学医学部附属病院、木曜日は宝塚第一病院で外来診療を行っています。

副院長先生は手術のスペシャリストと伺いました。

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科2

【山本副院長】私は大阪大学医学部医学科を卒業後、大阪大学医学部附属病院や基幹病院で、主に白内障手術や網膜硝子体手術に携わってきました。現在もここでの日帰り手術だけでなく、大阪の基幹病院にて数多くの手術を行っています。白内障手術は、普通の症例は自院で行い、手に負えない難易度の高い症例は病院に紹介するというのがクリニックでは一般的です。私はこれまでにさまざまな難症例の手術を経験してきましたし、現在も日常的にそういった手術を行っていることで、クリニックでありながら幅広いケースに対応できるのが強みと自負しています。病院と同じ機械を導入していることもあり、私自身にとっては、ここで行うか、病院で行うか、場所の違いがあるだけです。

病院とのかけ持ちが患者の大きなメリットに

クリニックの診療の特徴をお聞かせください。

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科3

【佐柳院長】私と副院長が今も病院で外来診療や手術を担当していることでしょう。大学病院でなければできないような治療や入院手術が必要な場合も、迅速に連携できるのが特徴です。連携といっても患者さんをただ送り出すのではなく、私自身が大学病院の自分宛てに紹介状を書き、大学病院では私が診療を担当。治療で症状が落ち着いたら、またクリニックで私が診るという、まさに「一人病診連携」ですね(笑)。副院長の手術に関しても同様です。開業後も大学病院の診療に携わっているのは、患者さんにそうした高度な医療を自分自身で提供できるだけでなく、大学病院ならではの最新の医療情報を得ることができるからです。時間や体力的に大学病院の受診が難しい方には宝塚第一病院と連携して検査、診療を行っています。町のクリニックでも、そんな幅広い医療サポートができることを知っていただければと思います。

診察の際に心がけていることを教えてください。

【佐柳院長】病気をきちんと治療することはもちろんですが、もし回復が難しい場合でも、患者さんができるだけQOV(見え方の質)を落とさずに日常生活を送れるようサポートすることです。もう一つは、患者さんのお話を丁寧にお聞きすることですね。中には単に治療を受けるだけではなく、日常生活の不便さを医師に訴えたい方もおられます。できれば1回の診察ですべてを終わらせたい方、すぐに手術を受けずに様子を見たいという方など、患者さんによって望まれる内容もさまざまです。時には厳しい姿勢も必要ですが、そうしたご要望にできる限り寄り添うことも私たちの役割の一つ。お一人お一人に割ける時間が以前より少し短くなりましたが、それだけは常に肝に銘じていたいですね。

手術を担当する副院長先生はいかがですか?

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科4

【山本副院長】私が心がけているのは、手術前にできるだけ正確な情報をお伝えすることです。手術後に耳にする「思ったような結果にならなかった」といった患者さんの不満や期待とのギャップは、往々にして手術前に目の状態を把握しきれていなかったり、説明が不足していることが原因です。そうならないように、角膜や網膜の状態までしっかりと把握し、患者さんがイメージしやすい言葉で術後の予測までお伝えすることが重要です。また当院の手術では、低濃度笑気ガス麻酔という、鼻から吸う麻酔を用いて患者さんの不安やストレスの緩和を図ることができます。局所麻酔では意識がはっきりとありますから、やはり多少の恐怖を伴うもの。手術で顔に布を掛けられるだけでも怖いという、閉所恐怖症の方には特に有用です。

早期受診で眼病リスクの予防や早期治療へつなげる

夫婦で同じ仕事。お互いのことを聞かせてください。

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科5

【山本副院長】2人が出会ったのは大阪大学医学部眼科学教室に入局したときです。妻のほうが1年先輩で、私の最初の指導医だったんです。彼女の専門は網膜の内科的治療ですが、その他の分野の診療レベルも高いので、私が患者であれば診てもらいたいと思いますね。私の専門についても熟知していますので、治療方針に迷ったときにも相談に乗ってもらえるのはとてもありがたいです。
【佐柳院長】私は現在、手術を行っていませんので、それを安心して任せられるのは心強いですね。おかげで患者さんに対しても、自信を持っていろんな選択肢が提案できます。ただ、家に帰れば子どもの教育方針なんかで言い争うこともありますよ(笑)。

今後、力を入れたい治療はありますか?

【佐柳院長】私が医学博士の学位を取ったテーマが、強度近視による眼合併症の研究です。強度近視の方は眼球が伸びることにより網膜疾患だけでなく、緑内障、白内障など、将来的にさまざまな合併症を起こしやすいといわれています。最近はスマホやタブレットの影響もあって近視発症の低年齢化が進んでおり、よく学会でも議題にされます。そこで当院ではオルソケラトロジーによる近視補正治療に力を入れています。自費診療となりますが、なぜ必要なのか、何に気をつければいいのか、強度近視の専門家の立場からご説明します。お子さんが近視になっても眼鏡をかけていればいい、黒板が見えていればいいと放置せず、大切な将来をお考えいただければ幸いです。

最後に、読者へ向けたメッセージをそれぞれお願いします。

佐柳香織院長、山本拓広副院長 さやなぎ眼科6

【山本副院長】手術は私にとっては日常的な医療行為ですが、患者さんからすれば一生に何度も経験することのない一大事。それを忘れることなく、患者さん一人ひとりに全神経を集中させて手術に取り組んでいます。目は2つあるからと油断していてはいけません。気になる症状があれば、早期受診を心がけてください。
【佐柳院長】おかげさまで医療法人化も果たし、大勢の患者さんにお越しいただけるようになりました。これまで培ってきた技術を生かし、さらに精密な診断や適切な治療につなげていきたいと思います。特に症状がなくても、40歳を過ぎたら一度眼科の検診を受けてほしいですね。クリニック一丸となって丁寧な診療を心がけていますので、どんなことでも気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オルソケラトロジー:16万5000円~
※詳しくは医療機関にお問合せください。

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