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大熊 喜彰 院長の独自取材記事

森のこどもクリニック 小児科・皮膚科

(川崎市中原区/武蔵小杉駅)

最終更新日:2021/10/12

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科 main

武蔵小杉駅から徒歩約3分、専門家が医学的根拠をベースに病院レベルの医療を地域に提供することをめざして開業した「森のこどもクリニック 小児科・皮膚科」。小児科、皮膚科、児童精神科を合わせ8人の在籍ドクターが連携しながら、「子どもたちのため」という共通の思いのもとチーム医療で患者を支えている。その中心となるのは、「小児科は、お子さんのすべてを診る『子ども科』です」との信念を持つ大熊喜彰院長。勤務医時代、小児心臓病をはじめ重症のアレルギー疾患、子どもの肥満などさまざまな診療に従事してきた大熊院長に、同院で受けられる診療内容や診療方針、プライベートまでさまざまな話を聞いた。

(取材日2019年11月8日)

専門家同士が連携し幅広い医療の提供を

とても落ち着く院内ですが、どんなコンセプトで造ったのですか?

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科1

めざしたのは「まどろむカフェ」のような、どの年代の方でも入りやすい雰囲気です。院名に入っている「森」に合わせて床や壁など全体に木目を多く使って温かみを出し、窓を大きくとって木目の内装に日の光が当たるようにしています。「温かみ」に関連して、当院には人間らしい温かみのある医療を提供するという方針があり、患者さんとの関係性を築く時間を大切にするためにも、人間がやらなくていい仕事はできるだけ機械に任せられるよう設備を整えました。受付周りに置かれた自動精算機もその1つ。ほかにも、予約のお知らせにSNSの呼び出し機能を活用したり、院内での呼び出し番号をモニターに映し出したりして受付の省力化を図っています。

診療に関連した設備面はいかがですか?

診療の省力化としては、ウェブ問診があります。ご自宅で当院のホームページにあるウェブ問診のフォーマットに書き込んでいただければ、患者さんが診察室の椅子に座った時には必要な情報がモニターに映し出されているので、主訴を伺うところから始めずに済みます。さらに大きいのは、設備ではありませんが、医療クラークの存在です。通常、医師が診察と並行して行う事務作業を医療クラークが代行してくれているおかげで、患者さんと会話する十分な時間がとれるようになりました。医療クラークとしての指導を受けた3人のスタッフが受付業務と兼任して交代で行っていますが、診療室で事務作業をこなすうちに医療の知識がどんどん身について、今では僕たち医師の思考に近くなってきていますよ(笑)。

複数の診療科で連携しているのですね。

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科2

お子さんは肌トラブルも多いですし、皮膚科と連携する頻度は高いですね。小児科でもアトピー性皮膚炎は診ますが、何かあった時に違った視点でアドバイスがもらえる上、小手術までこなせる皮膚科が近くにあるというのは、患者さんにとっても心強いのではないでしょうか。小児科と皮膚科、それぞれ専門のドクター同士が協力してクオリティーを追求した診療を提供できるのは、当院の強みといえるでしょう。2人の皮膚科医師のほか、第1・第3・第5水曜日に診療枠を持つ児童精神科のドクターや、もう1人の小児科医師など、当院には僕を含めて8人の医師が在籍しています。重要なポイントはニュアンスも含めて伝達したいので、SNSも活用しながらできるだけフェイストゥフェイスでの会話を心がけています。

一つに特化せず全体を診る「子ども科」をめざす

力を入れている診療について伺えますか。

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科3

強いて挙げれば病院で専門的に診ていた心疾患ですが、基本スタンスとしては、1つのことに特化するのではなくなんでも相談に乗れるクリニックをめざしています。他科なら1つのことを掘り下げたスペシャリストになるのも良いと思いますが、小児科は子ども科ともいえ、お子さんのすべてを診る科です。「この症状以外はほかの先生にご紹介」では、親御さんも不安になりますよね。なんでも診られるようになるため、勤務医時代は心疾患からアレルギー、肥満など幅広く経験してきました。その経験が今ここで生かされていると思います。また、悪くなる前になんとかできないかという思いがあって地域医療に転身したということもあり、予防接種や健康診断、生活指導にも力を入れています。

具体的にどんな診療が受けられるのでしょう?

心疾患を診られるのは、当院の特徴の一つでしょう。心臓病のお子さんだって風邪をひくし予防接種も受けますから、それを怖がらずに診させていただきます。アレルギー疾患については予防を重視していて、例えば気管支喘息なら発作が起きないよう家庭でのお薬を続けることの大切さを丁寧に説明したり、花粉症のお子さんには症状を抑えるためのお薬だけでなく体質改善を図る目的で舌下免疫療法を提供したりしています。そのほか、肥満や夜尿、便秘の診療なども可能。中では、夜尿症の相談が増えています。肥満や便秘は小児時代のほうが対処しやすく、その後の人生を健やかに送ることにもつながっていきますので、気になっている場合はぜひご相談いただきたいですね。

診療で心がけていることは?

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科4

いろいろありますが、1つは、丁寧な説明です。治療の選択肢があれば一つ一つ説明しますし、より良い方向に導くためのアドバイスも怠りません。もう1つは、ご家庭で対応していただくことは、あくまでも無理のない範囲にボリュームを限定することです。教科書的な対応方法をすべて紹介してしまうと、真面目な親御さんは「こんなにたくさん、毎日は無理」とパニックになってしまいがち。できる範囲だけでいいんだとわかれば親御さんの気持ちも軽くなって病気に向き合う気持ちが湧き、結果的に対処しやすくなるでしょう。また、主役であるお子さんにきちんと説明することも心がけています。特に毎日のお薬や対応が大切な慢性疾患の場合は、お子さん本人の自己管理がポイントになるので本人への説明は重要です。

子どもたちの健康が長く続くようサポートしていきたい

先生が医師をめざしたのは何かきっかけがあったのですか?

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科5

最初は明確に医師をめざしていたわけではなく、しゃべることが仕事になる職に就きたいと思っていたんです。しゃべる仕事とは何か、具体的なものは想定していませんでしたが、就職について真剣に考える年齢になった時、なぜか医師しか思いつきませんでした。医師をめざす決め手になったのは、友達が誰も医学部をめざしていなかったことです。僕は早稲田高校に通っていたので、周囲のほとんどは医学部のない早稲田大学進学を考えていました。それで逆に闘志が湧いたんですね。小児科を専門に選んだのは、患者さんから元気をもらえるからです。小児科のドクターはみな同じことを言うかもしれませんが、子どもたちのエネルギー感が自分にはとても心地良いんです。万が一、小児科としてやっていけなくなったら、次は病児保育をやってみたいですね。

プライベートはどのように過ごしていますか?

僕は家事がまったく駄目なので、休日はだいたい4人の子どものお世話係をしています。幼稚園や学校の送り迎えとか、車でどこかに遊びに連れて行くとかですね。上の2人は小学生なので送迎の必要はないのですが、普段子どもたちと会話する機会がほとんどないので、無理やり登下校について行ったり塾に迎えに行ったりして、コミュニケーションをとっています。間違いなく、「うっとうしいな」と思われているでしょうね(笑)。最近はジムで体を動かしたいと思うようになり、通える施設を検討しているところです。今はジム探しが趣味みたいになってしまってなかなか計画が進んでいませんが、この仕事を始めてから20キロも体重が増えてしまったので、どうにかその半分の10キロは戻したいと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

大熊喜彰院長 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科6

クリニックとして病気を診るのは当たり前ですが、病気以外のことも援助していければいいなと思っています。今、地域で子どもたちを育てようという動きが各地で活発になっていますが、われわれ医師や看護師、地域の保健師さんなどはみんなお子さんのサポーターです。その子育てサポーターの一人として、育児相談やちょっとした疑問に答えるなどで、少しでも力になれればうれしいですね。「健康が長く続く」というのが個人的にめざしているコンセプト。ちょっと医療や子育てに詳しい近所のおじさん、という感覚で気軽に足を運んでいただけるのが理想です。また、今後は医療の最前線を担う地域のクリニックとして町のイベントなどに積極的に参加し、健康増進のための活動を広げていきたいと考えています。

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