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舌下免疫療法など新しい治療法も
小児のアレルギー疾患の治療

森のこどもクリニック 小児科・皮膚科

(川崎市中原区/武蔵小杉駅)

最終更新日:2019/11/29

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  • 保険診療

日本人の多くが罹患しているといわれるアレルギー疾患は、国民病とも呼ばれる病気。中には花粉症のように低年齢化が進んでいる疾患もあり、就学前から治療するケースも珍しくなくなってきている。乳幼児にも身近になったアレルギー疾患には、気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などさまざまあり、複数を併せ持つ場合もある。これまでの治療は、気管や肌の炎症を抑えるなどつらい症状を緩和することが重視されてきた。しかし近年は、アレルギー体質そのものにアプローチする方法、「舌下免疫療法」が普及してきている。長年アレルギー疾患を診てきた「森のこどもクリニック 小児科・皮膚科」の大熊喜彰院長に、この舌下免疫療法についての話を中心に家庭での対処法なども含め教えてもらった。 (取材日2019年11月8日)

症状改善をめざすためには、薬に頼るだけでなく正しい知識をベースにした適切なアレルゲン回避が鍵と考える

Q小児のアレルギー疾患にはどんなものがありますか?
A
1

▲適切なアレルゲン回避のため正しい知識が必要

気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、口腔アレルギー症候群、花粉症などがあります。気管支喘息は炎症によって気道が狭くなり喘鳴や呼吸困難を繰り返す慢性疾患。食物アレルギーは鶏卵や小麦、牛乳などの食品で過剰な免疫応答が起きてじんましんや口腔内の違和感、喘鳴などを起こすもの。アトピー性皮膚炎は皮膚表面にかゆみを伴う慢性的な炎症や湿疹が起きる病気。口腔アレルギー症候群は、ある種の果物や野菜で口腔内に過剰なアレルギー応答が起きて、口の中がイガイガしたりかゆくなったりする疾患で、花粉症との関連も指摘されています。いずれの病気も、ごくまれに激しい症状を起こすアナフィラキシーの可能性があります。

Qこちらの診療の特徴を教えてください。
A
2

▲院長は重症のアレルギー疾患などさまざまな診療に従事してきた

勤務医時代、アレルギー疾患を専門に、軽度から重症までさまざまなお子さんを診てきました。その経験に基づき、ある程度先を見通した診療ができるのは当院の特徴の1つ。もう1つは、当たり前の話ですが、正しい知識に基づき的確な生活指導や環境整備のアドバイスを図っていることです。薬にばかり頼るのではなく、薬を最大限に生かせるよう「持続できる」現実的なアレルゲン回避方法などをお伝えしています。食物アレルギーは近年、食べられるなら少しずつ摂取して慣れていくという考えがスタンダードですが、当院では具体的な分量を指導することや、必要に応じて管理栄養士と連携することも可能です。また、舌下免疫療法にも対応しています。

Q舌下免疫療法について教えてください。
A
3

▲体質改善を図る目的で舌下免疫療法も提供している

症状を抑えることを目的とした既存薬と違い、体質そのものの改善を狙った減感作療法の1種です。アレルギーの原因物質が含まれた薬剤を、最初は低濃度から開始し、徐々に濃度を上げて体を慣れさせ、過剰なアレルギー応答が出ないようにしていくものです。従来の減感作療法は注射であったため何度も通院しなくてはならず患者さんの負担が大きいものでした。舌下免疫療法は、舌の下に薬を自分で投与するので治療のたび通院する必要はありません。また、アナフィラキシーなどの有害事象は従来の減感作療法よりも軽減が図られ、症状を抑える目的の薬を併用可能というのも利点。アレルギー疾患の患者さんにとって、画期的な治療法といえるでしょう。

Qどんな人が舌下免疫療法を受けられるのですか?
A
4

▲待合スペースには呼び出し番号が映し出されるモニターがある

疾患としては、スギの花粉症とダニアレルギー性鼻炎が対象です。ただ、両方の舌下免疫療法を希望する場合、開始時期を約1ヵ月ほどずらす必要があります。重症気管支喘息、65歳以上のご高齢者、妊娠中または授乳中の方は対象外。下の年齢はこれまで12歳以上に制限されていましたが、花粉症の低年齢化が進んできたこともあり、現在は5歳以上で受けられるようになりました。薬は毎日1回服用し、3年から5年続けるため根気が必要ですが、アレルギー症状を長期にわたって抑えることがめざせます。完全に症状を抑えることが望めなくても、症状の軽減や対症療法薬の量を減らしていくことが期待できます。

Q家庭では日頃からどんなことに注意すべきでしょう?
A
5

▲家庭に合わせ、持続できる環境づくりや対処法のアドバイスを行う

基本的には、アレルゲンの回避です。ダニアレルギーなら週に1度は布団を天日干しする、スギ花粉症なら外出時はマスクをつける、アトピー性皮膚炎なら皮膚の清潔と保湿に注意するなど。ただし、すべてのアレルゲンをゼロにすることが必ずしも最良とは限りません。先ほど申し上げた食物アレルギーへの対処のように、少量ずつ摂取していって慣らしていくべき、という場合もあります。すべてを除去してしまうと、例えば牛乳アレルギーのお子さんはカルシウムを取りにくくなり、今度は別の病気になってしまう恐れもあるわけです。まずは「正しい知識」を身につけた上で、適切なアレルゲンの回避、環境整備を行うことが重要です。

ドクターからのメッセージ

大熊 喜彰院長

お子さんにアレルギーがあるとわかり肩を落とす親御さんを、これまでたくさん見てきました。しかし近年は医療の進歩により、つらい症状を抑えたり緩和したりするための方法がどんどん開発されています。小麦アレルギーと診断されても、それで一生パンが食べられなくなるとは限りません。「アレルギーかもしれない」とお一人で悩まず、最寄りの医療機関を受診してみてください。アレルギーに詳しいドクターからエビデンスに基づいた正しい知識やご家族ができることを教えてもらえば、心も楽になるでしょう。当院では、ご家庭に合わせた持続可能な環境づくりや対処法をアドバイスしています。とことんお付き合いしますので、ぜひご相談ください。

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