親知らずが関係している場合もある
頭痛や噛み合わせの不具合
あいおい歯科グループ 新宿駅前歯医者・矯正歯科
(新宿区/新宿駅)
最終更新日:2023/09/05


- 保険診療
生えかけの時から痛みがあることもある親知らず。頭痛の原因になっているのではないかと思う人も多いのではないだろうか。実際、親知らずは奥にあることから歯磨きがしにくいために虫歯や歯周病になりやすいことで、痛みの原因となりやすいのだとか。さらに近年は人間の顎が小さくなっていることから、真っすぐ生えてこないケースも多く、噛み合わせが複雑になり、頭痛につながることもあるのだそう。そこで、難症例の親知らず治療の経験も豊富な「あいおい歯科グループ 新宿駅前歯医者・矯正歯科」の佐藤潤之介院長に、親知らずと頭痛の関係や、親知らずと噛み合わせの問題について取材した。親知らずと頭痛に悩んでいる人、どの診療科に通えばいいのか迷っている人は、参考にしてみるといいだろう。
(取材日2020年9月25日/更新日2023年6月28日)
目次
真っすぐ生えず、上下できちんと噛み合わない親知らずは、噛み合わせの不具合や頭痛を引き起こす可能性も
- Q親知らずが原因で、頭痛が起こることはあるのでしょうか?
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A
▲噛み合わせや親知らずにより頭痛が引き起こされることも
考えられるのは、親知らずが虫歯や歯周病になり、その結果として頭痛が引き起こされる場合です。親知らずは横向きや斜めなど真っすぐに生えてこないことが多く歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病になることも珍しくありません。その炎症が悪化することにより、副鼻腔炎を起こすなどして頭痛となると考えられます。もう一つ考えられるのは、噛み合わせに起因して頭痛が起こる可能性です。親知らずが生えても、4本がきれいにそろうわけではなく、横向きや斜めに生えることも多いため、上下でうまく噛み合わないことが多いのです。そうした噛み合わせの不具合が、咬筋や咀嚼筋に影響を与え、頭痛の原因となっている可能性も考えられます。
- Q親知らずが、噛み合わせの不具合の原因になるのですか?
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A
▲親知らずの生え方によって噛み合わせに影響を与えてしまう
親知らずは4本生えないケースも多く、横向きや斜めに生えたり、歯茎や骨に埋まったりしていることもあります。上下できちんと噛み合っていない親知らずが、噛み合わせに影響を与えている可能性があるのです。また横向きや斜めに生えてきた親知らずは、他の歯を押しながら生えてくることがあり、噛み合わせに影響を与えてしまうこともあります。顔面や顎には、咬筋や側頭筋などさまざまな筋肉が複雑に走っていて、それぞれ口を開け閉めしたり、歯で食べ物を噛んだりする時に働いています。ですから、噛み合わせのバランスが崩れてしまうと顎に負担がかかり、顔の周りの筋肉のバランスが崩れてしまい、頭痛の原因となることも考えられます。
- Q親知らずを抜歯すれば、頭痛は改善できるのでしょうか?
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A
▲虫歯や歯周病にもなりやすい、親知らず
頭痛の原因は多様で、噛み合わせも原因の一つと考えられますが、噛み合わせが原因で頭痛が生じていることを証明することは難しく、抜歯によって頭痛が改善すると断言することはできません。しかし、さまざまな原因が考えられる場合は、可能性のあるものを一つずつ取り除くことも大切です。そもそも現代人は、食生活の変化などから顎が小さくなり、親知らずの必要性はあまりありません。しかも、歯磨きがしにくいことから汚れが残りやすく、虫歯や歯周病にもなりやすい歯です。歯としての機能をあまり果たしておらず、口腔全体にとって長い目で考えた場合のリスクやデメリットが多いならば、抜歯を検討したほうが良いと考えられます。
- Q親知らずは、残しておいたほうが良いとの意見もあるようですが。
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A
▲親知らずの抜歯についてしっかりと相談して決めたい
真っすぐに生えて虫歯や歯周病でない親知らずであれば、必ずしも抜く必要はありません。しかし残念ながら、そういうケースはまれです。親知らずの隣の歯が悪くなった場合に、親知らずはブリッジの支台として利用できると言われますが、先に親知らずが虫歯になったのが原因で隣の歯が虫歯になることが多いのです。また歯を失った部分に、他の歯を移し入れる歯牙移植のために、親知らずを残しておいたほうが良いという意見もあります。しかし歯牙移植に適した条件はかなり限られていますし、移植歯は一生維持できるわけではありません。将来使うかもしれないと、トラブルになりやすい親知らずをあえて残すのは、合理的ではないと私は思っています。
- Qやはり親知らずは抜いたほうが良いのですね。
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A
▲患者の悩みや希望を聞き、治療計画を立てる
頭痛に悩まされていて、親知らずの存在や、親知らずによる噛み合わせの不具合が影響していると考えられる場合は、やはり、親知らずの抜歯を選択肢に入れることをお勧めしています。ただし、噛み合わせの不具合には、さまざまな原因が考えられますので、親知らずを抜いて、その後の経過を見ながら対処していくことも必要でしょう。いずれにしても親知らずがしっかりと上下の歯で噛み合わせられて使用できるケースは、かなり少ないです。健康な歯として機能することが難しく、虫歯や歯周病などトラブルのもととなりやすいため、私は、若いうちの抜歯をお勧めしています。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。