睡眠時無呼吸症候群の治療は
オンラインも活用して利便性高く
東長崎駅前内科クリニック
(豊島区/東長崎駅)
最終更新日:2025/09/22


- 保険診療
睡眠中に呼吸が浅くなったり止まったりしてしまう睡眠時無呼吸症候群。いびきのひどさを家族などから指摘されて、気になっている人も少なくないはず。呼吸に関する疾患だと考えがちだが、放置すると睡眠の不足によって日中に体調が優れないばかりでなく、動脈硬化を招いて、より深刻な疾患につながる恐れもある。「東長崎駅前内科クリニック」の吉良文孝(きら・ふみたか)院長は、「高血圧症などと同じように、生活習慣病としての意識を持って治療することが大切です」と話す。同院では、高血圧症や脂質異常症、糖尿病、脂肪肝といった、動脈硬化につながる他の疾患と合わせて睡眠時無呼吸症候群の治療も行っている。睡眠時無呼吸症候群のリスクや治療の重要性、検査・治療法について、吉良院長に解説してもらった。
(取材日2025年8月25日)
目次
放置すると動脈硬化を招く睡眠時無呼吸症候群。生活習慣病の一つと意識して検査・治療を
- Q睡眠時無呼吸症候群について教えてください。
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A
▲日本内科学会総合内科専門医の院長吉良先生が語る
睡眠中に呼吸が浅くなったり止まったりする疾患です。寝ている間のことであるため、苦しさを自覚しない場合が多いのですが、体にはストレスがかかり続けている状態です。睡眠時無呼吸症候群を契機に動脈硬化が生じたり、胃酸が逆流して食道炎を起こしたり、血圧を上昇させたりといった症状を招いてしまいます。また、睡眠不足によって日中のパフォーマンスが落ちるなど、日々の生活にも影響を及ぼします。高血圧症や脂質異常症などと同じように、生活習慣病の一つと考えて、対策をすることが大切です。
- Q睡眠時無呼吸症候群はどのように発見するのでしょうか?
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A
▲睡眠時無呼吸症候群は自分自身で気づきにくい症状
睡眠中にいびきがうるさかったり、息が止まっていたりすることを、家族などから指摘されて発見される方はよくいらっしゃいます。また、内視鏡検査中に鎮静剤を打った際にいびきなどが現れて気づくケース、脂肪肝や血圧のコントロールが難しい患者さんを問診する中で兆候が見られて、検査をして発見するケースなど、さまざまなタイミングで発見される場合があります。一人では気づきにくいものですから、睡眠中の様子を周囲の人が見て指摘されるという入り口が多いですね。
- Q睡眠時無呼吸症候群はどのような人にリスクがありますか?
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A
▲体型だけでなく睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高い日本人
一般的に、日本人は欧米の人に比べて、睡眠時無呼吸症候群になりやすいとされています。これは顎が小さいなどの骨格構造の特徴によるものです。太っている人に多いとイメージされることもある疾患ですが、実際には体格に関わらず日本人であれば、全般に少しリスクが高いと考えられます。太っているとあおむけに寝た際に喉が詰まりやすくなるため、標準的な体型の人に比べて睡眠時無呼吸症候群になりやすい特徴を持ってはいますが、そうでない人にもリスクがあることを意識していただければと思います。
- Q一つのクリニックでトータルに診療する利点を教えてください。
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A
▲その他の生活習慣病にも結びつく可能性がある
睡眠時無呼吸症候群が発生すると、体内の酸素が不足することで血管にストレスが生じ、その結果として動脈硬化を招きます。当院ではもともと、高血圧症や脂質異常症、糖尿病、脂肪肝といった動脈硬化につながるさまざまな疾患を診療していますが、同じく動脈硬化の原因となる睡眠時無呼吸症候群も一緒に診ることで、体全体を管理しやすくなると考えます。あるクリニックで無呼吸の状態だけを管理し、動脈硬化については別のクリニックで診療するとなると効率の面でも患者さんの負担が大きくなりますので、一つのクリニックでトータルに管理することにはメリットがあると考えています。
- Q睡眠時無呼吸症候群の検査や治療について教えてください。
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A
▲クリニックで包括的に治療、検査が可能
以前は医療機関に泊まって検査を受けることが多かったのですが、現在ではご自宅で検査キットを使用して、睡眠時無呼吸症候群の検査を行うことができます。検査で無呼吸の状態を確認し、それに応じて治療を行いますが、多くの人は睡眠中にCPAP(シーパップ)と呼ばれる医療機器を装着する治療法を用います。CPAPで取った睡眠中のデータは、クリニックに送信されて共有されますので、定期的な診察でも、超音波検査などを行う際以外はオンラインで行うことが可能です。以前と比較して治療の利便性も高くなり、継続しやすい環境になっていると思います。