再治療リスクの軽減をめざす
レーザーを用いた根管治療
いたばし駅前歯科
(板橋区/板橋駅)
最終更新日:2025/06/18


- 自由診療
歯科治療の中でも、根管治療は治療期間が長引いたり再治療になったりするリスクが高いとされる。歯の内部にある神経に菌が感染しても抜歯せずに治すことが根管治療の目的だが、この治療に詳しい「いたばし駅前歯科」の堀越裕司院長は「根管内の傷んだ神経や繁殖した菌を除去しきれないことが、治療の長期化や再治療になる大きな原因」と指摘する。「一般的には細い根管内の神経や菌を歯科医師が器具を使ってかき出すのですが、それより根管内を歯科用レーザーで悪くなった部分を取り除いたほうが良い場合もあります。痛みや体への負担の軽減も期待できるため、当院ではレーザーは根管治療を行う際の選択肢の一つとしています」。ではどのような症状がレーザー治療に向いているのか、メリットや注意点は何か、堀越院長に詳しく解説してもらった。
(取材日2025年4月21日)
目次
負担の少ないレーザーによる根管治療。症状や希望に応じて適切なアプローチを行う
- Q歯科用レーザーはどのような症状や治療に使うのですか?
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A
▲レーザー機器を用いて、より精密な治療を行う
一般的には虫歯や歯周病の治療に用いられるほか、当院では自由診療で根管治療を行う場合、必要に応じて歯科用レーザーを使用しています。根管治療とは虫歯が進行したり、食いしばりなどで生じた歯のヒビから雑菌が入ったりして、神経が菌に感染したときに行う治療のこと。当院の根管治療におけるレーザー治療は感染源となる菌を除去するのが主目的です。虫歯はエックス線画像にも映るためわかりやすいのですが、歯のヒビは小さければ気づきにくく「噛むと歯に激痛を感じる」といった症状は要注意。ヒビから虫歯が生じたケース、歯の根の部分までヒビが入ったケースなどは神経への感染が一気に進む可能性もあり、早めの受診が大切です。
- Qレーザーによる根管治療について詳しく教えてください。
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A
▲研鑽を積んだ院長が、丁寧に治療
根管治療は、歯の内側を削り、菌に感染した組織を根の部分まですべてきれいに除去した後、削った部分や根管に充填剤を詰めるという流れで行います。この時、菌に感染した部分が残らないよう根管の奥までしっかり取り除くことが重要で、レーザーを用いた根管治療では、レーザーの「蒸散」という働きを利用し、悪くなった組織の完全な除去を図ります。多くの場合は虫歯治療後に開いた穴から、根管にレーザー照射用のファイバーを挿入し、レーザーを照射して治療します。根の外にまで感染が広がっている場合も、歯茎に開けた小さな穴からレーザーで治療することが可能です。
- Qそうしたレーザー治療にはどんなメリットがあるのですか?
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A
▲レーザーのメリットについて、わかりやすく説明する院長
根管内の菌の除去を行いやすい、治療後の痛みや体への負担を軽減しやすいというメリットがあります。さらに、器具を使用した治療の場合は、感染歯質を削り取るために、感染していない歯質も含めて大きく削り取る必要がありますが、レーザーを照射する方法では、削り取る歯質の量を極力抑えることができるため、歯の強度を保ちやすいという点もメリットです。また、根の外に感染が広がっている場合、当院では「歯根端切除術」という根管治療の代わりに、歯茎に穴を開け、レーザー照射による治療を行います。レーザー治療は歯茎を切開しないので、術後の痛みや腫れが起きにくい、痛みや腫れが起きても早く治まりやすいなどのメリットがあります。
- Qレーザー治療と聞くと安全性なども気になります。
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A
▲患者の負担に配慮して治療を進めていく
現在は歯科治療用に4種類のレーザー機器が承認され、いずれも低出力で安全性に配慮して作られています。このうち当院で根管治療に用いるのは、歯肉に浸透しやすいとされるネオジウムヤグレーザーです。レーザー照射による痛みはほとんどなく、患者さんによってはパチパチと軽く弾けるようなむずがゆさを感じるかもしれません。レーザーによる治療では歯茎の腫れなども少なく、早期の回復が期待できるのも特徴の一つです。ただ、誤って目に直接照射すると危険なので、当院での治療中は患者さんの目をタオルで覆う、ゴーグルを着けていただくなどの予防措置を取っています。
- Q治療期間や治療後の注意点を教えてください。
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A
▲治療後の生活についてもアドバイス
歯の内部を削る根管治療では、複雑な根の形をしている奥歯の場合は4、5回の通院で1〜2ヵ月程度、前歯など根の形が単純な場合は1、2回ほどの通院で完了することが多く、その後にかぶせ物を作るために3回程度の通院が加わります。感染が根の外まで広がっている症例では、歯茎の穴からのレーザー照射を3回ほど行い、改善が見られなければ別の治療法を検討します。治療後の注意点としては、治療前の天然歯に比べて歯の強度が低下するため、少し弱めの噛み方を心がけていただくこと。特に歯ぎしりや噛みしめで歯にヒビが入って根管治療が必要になった方は、そうした生活習慣を改善しなければ再度の根管治療が必要になる可能性が高いのです。
自由診療費用の目安
自由診療とはレーザーを用いた根管治療/5万5000円~